JAPAN ANIMATION at ACADEMY

  アカデミー財団(Academy foundation)における、映画芸術科学アカデミー  (Academy Motion Picture Arts and Sciences)にて、日本のアニメーションをテー マとした第七回マーク・デービスアニメショーン評論会が開かれました。当日会場では、映画「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」が一部上映され、ゲストとして幾原監督のパネルトークも行われました。


 [ロサンゼルス 11月14日]  


  アカデミー財団(Academy foundation)における、映画芸術科学アカデミー(Academy Motion Picture Arts and Sciences)にて、日本のアニメーションをテーマとした第七回マーク・デービスアニメーション評論会が開かれました。アカデミー及び、マーク・デービス評論会はこれまで毎年、アニメーションをテーマとしたパネルを開催してきましが、今年、初めて「日本で製作されたアニメーション」を、そのテーマとして選びました。

  
 

<Academy 公式ページ
http://www.oscars.org/
http://www.oscars.org/events/anime/index.html

 


  パネルタイトルは"Drawing form Japan: Anime and its Influences"。日本製アニメーションのスタッフとして、映画「攻殻機動隊」「Blood: The Last Vampire」の石川光久プロデューサー、映画「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」の幾原邦彦監督がパネリストとして招かれ、壇上にてトークセッションを行いました。

  パネルは五つのテーマに分けて、幾つかの日本製アニメーションの映像を、それぞれ3分程度上映し、その後にパネリストが壇上で司会者の質問に答える、という形で進行しました。上映とトークは以下の順で行われました。


1. INROADS:
ASTORO BOY(鉄腕アトム)1963
AKIRA(アキラ)1988
Panelist: Moderator Jerry Beck and Fred Patten

2.THE KUROSAWA OF ANIMATION:
MY NEIGHBOR TOTORO(となりのトトロ)1988
POROCO ROSSO(紅の豚)1992
PRINCESS MONONOKE(もののけ姫)1997
Panelist: Eric Goldberg

3.KICKING THE KIDSTUFF:
WICKED CITY(妖獣都市)1987
PERFECT BLUE(パーフェクトブルー)1977
GHOST IN THE SHELL(攻殻機動隊)1995
Panelist: Mark Dippe

4.UNIQUELY JAPANESE:
POMPOKO(平成狸合戦ぽんぽこ)1994
GRAVE OF THE FIREFLIES(蛍の墓)1988
PRINCESS MONONOKE (もののけ姫) 1997
Panelist: Lisa Atkinson

5.THE NEXT GENERATION:
BLOOD:THE LAST VAMPIRE(Blood: The Last Vampire )2000
THE ADOLESCENCE UTENA(少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録)1999
Panelist: Mituhisa Ishikawa and Kunihiko Ikuhara


  それぞれのパネリストは、紹介された映像と現在の自分との関係を語りました。

  「鉄腕アトム」「アキラ」の上映後のパネリストはFred Pattenさん。彼は日本のアニメーションの歴史の研究者です。日本製のアニメーションは、どのようにしてその独自のスタイルを今に至らせたかを語りました。
  「となりのトトロ」「紅の豚」「もののけ姫」の上映後のパネリストはEric Goldbregさん。彼はディズニー作品「ポカホンタス」の監督ですが、宮崎監督のアニメーションの信奉者として、その素晴らしさを語りました。
  「妖獣都市」「パーフェクトブルー」「攻殻機動隊」の上映後はMark Dippeさん。映画「SPAWN THE MOVIE」の監督です。特撮工房のILM(Industrial Light Magic)のスタッフとしても「ジェラシックパーク」「ターミネーター2」「アビス」などに参加しています。ハリウッド作品が、いかに日本製のアニメーションから影響を受けているかを語りました。
  「平成狸合戦ぽんぽこ」「蛍の墓」「もののけ姫」の上映後は、Lisa Atkinsonさん。彼女は「もののけ姫」のプロダクションを担当した経緯とその作業を語りました。
  「Blood: The Last Vampire」「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」の上映後は、石川光久プロデューサーと幾原邦彦監督。二人は、次代の日本のアニメーションの製作者として、会場のオーディエンスからの質問にも答えました。

 


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    会場のオーディエンスの大部分は、アカデミー会員と一般参加者です。一部、日本製アニメーションのファンもいましたが、大半の人々は、今日、この会場で初めて日本のアニメーションを観たという人たちでした。
  筆者がみたところ、みな一様に日本製のアニメーションの特殊性に驚いた様子。特にアニメーションといえば、アメリカ製、ディズニーなどしか知らない人たちは、その容赦のないアダルトな表現(アクション描写、女性の裸)などに驚いていました。ですが、「となりのトトロ」「平成狸合戦ぽんぽこ」などのコミカルな描写には場内には笑い声が響き、「Blood: The Last Vampire」「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」などには、その映像の美しさに驚嘆の声が聞かれました。

  パネルの大半は、かなりざっくばらんに、ときにジョークを交えながらの楽しいセッションでした。大部分のオーディエンスにも概ね好意的に日本のアニメーションを知ってもらえたという印象で会場の幕を閉じました。
 

    
Written by Ikuhara's Interpreter in Los Angeles, Ken Wakita