まずは2曲目に収録予定の「シェル/G・SCHLL-1554」が、スタジオに流れる。エッジの効いたメタリックなサウンドが高揚感を高めてくれる、じつにエキサイティングな曲だ。そして、このサウンドに乗せて展開されるのが、史上初の<ボイスアタック>と呼ばれるパートである。この「シェル」という曲では、「DANGAN(弾丸 = Shell Bullet)」と「DANKON(弾痕/男根)」という2つの単語が激しい口調で発せられ、曲のビートとあいまって暴力的なエネルギーを聞き手に向かって突きつけてくる。幾原監督自身の声によって繰り広げられるこのパートは、まさに言葉による暴力、言葉による攻撃なのである!

続いて流れた「センチュリアン」は、打って変わって複雑なコード進行のメロディアスなサウンドだ。ここでは、ボイスアタックからさらに進化した表現が行われている。幾原邦彦、佐藤天平の2人が<ワードボクサー>となり、激しい言葉の応酬を互いに繰り広げるのだ。2人の口から発せられる言葉は、まるで革命家のアジテーションのように攻撃的であり、一方ではビート詩人のポエトリー・リーディングのように詩的でもある。そしてバックのサウンドと2人の言葉が合わさった音全体が、聞く者の魂を震撼させ、興奮させるのだ!

参加者の発言にもあるとおり、この「サナフス68」というアルバムは、ユニークな試みを満載しつつ、音楽的にも非常に聞き応えのある作品となっている。『シェルブリット』のメディアミックス第1弾としてだけでなく、幾原邦彦監督の新たな表現分野を切り開くものとして、そしてニュースタイルのプログレッシブロックアルバムとして、大いに期待してほしい。
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