yamashita6.JPG (86002 バイト) 山下 勇の気象一口メモ

気象予報士 山下勇による気象や天気にまつわる、ちょっと得する話

2003/10

 

10月1日(水) 天気予報の北部と南部

 「天気予報で、北部と南部は、どこで分かれるのでしょうか」との質問をいただいた。
以前にもお伝えしたが、まだ意識しておられない方が多い。

 特に、小松島は、北部なのか南部なのかとよく聞かれる。

北部は、小松島市・徳島市・佐那河内村・神山町・木屋平村・東祖谷山村から北側。

南部は、那賀川町・羽ノ浦町・阿南市・勝浦町・上勝町・木沢村・木頭村から南側である。

 どうしてこのように分けられたかというと、年間降水量の違いによる。
北部は昔、年降水量が2000mm以下、鳴門市や板野郡等では少ない年には1000mmを切ることもある。
一方、県南部は日本の最多雨地域の一つで、年間3000mmを超え、多い年には、5000mm近くになることもある。
南部で降水量が多いのは、南東海上から流入する湿った空気が剣山から東に延びる山脈にぶつかって上昇し、雨雲である積雲や積乱雲が発生しやすいからである。
北部では南部で雨を降らせた後の空気で雨が少なくなりやすい。
このような根拠のもとに、北部と南部に分けられている。

 しかし、同じ市町村内で北部と南部に分かれていては生活上不便なため、行政区域によって線引されている。
ただし、注意報と警報に関しては、県内7区分で発表される。

 

10月8日(水) 影の長さと季節の変化

 秋の昼間に外を歩いていると、随分と影が長くなったなと感じられる。
そこで1mの棒を地面に垂直に立てた時の南中時の影の長さを計算してみると、今日は83cm、一年中で一番短いのは夏至(6月22日)の19cm、一番長いのは冬至(12月22日)の1m54cmである。

 影の長さは季節に関係している。
暑くなるのは太陽から到達する熱の量が多い時で、影の長さが短い。
太陽がだんだん南に傾いて影が長くなると単位面積当たりの太陽からの熱量は少なくなる
。影が長くなるということは太陽の傾きが大きく、光が地面に対して斜めに射すからである。

 しかし、一番暑い月と寒い月が夏至や冬至と違っているのは、大気や大気に大きな影響を及ぼす海水が温まったり冷えたりするのに時間がかかるからである。
一日の内でも、最高気温が12時前後の南中時ではなく、午後2時台に出やすいのと同じである。

 

10月15日(水) 秋の空は青い

 秋になって空は一段と青味を増してきた。
秋の空は他の季節に比べて、どうして青いのか。

 それは、埃と湿度が関係している。
春から夏にかけては地上付近の気温がだんだん高くなって上昇気流が起こりやすく、埃が空中に舞い上がって漂いやすい。
夏には湿度が高くなって、空気中の水蒸気量が多い。

 このため、春から夏にかけて、空は白っぽい青色になりやすい。
ところが、秋から冬にかけては地上付近の気温が下がって、埃が舞い上がりにくくなる。
空気は乾燥して、空気中の水蒸気量が少なくなる。

 しかし、冬には寒気の流入で雲が多い。
したがって、秋が最もきれいな青空になりやすい。
しかし、もっと素晴らしい青空がある。
それは、地上1万m付近から見る空だ。
地上1万m付近はジェット機が飛ぶ高さ。
この付近から上は埃が少なく、空気が大変乾燥している。
このため、見事な青空になる。
飛行機に乗ったら下を見る人が多いが、ぜひ上を見て欲しい。