yamashita6.JPG (86002 バイト) 山下 勇の気象一口メモ

気象予報士 山下勇による気象や天気にまつわる、ちょっと得する話

2002/06

6月5日(水)  雨量と降水量の違い  「天気予報などで、雨量とか降水量という言葉を耳にしますが、雨量と降水量は同じなのでしょうか、あるいは別のものなのでしょうか」との質問をいただいた。

雨量と降水量は、同じ意味で使われることが多いが、両語の間には少し違いがある。
雨量は、文字どおり降った雨の量である。
一方、降水量は、雨はもちろんのこと、それ以外にも雪や霰(あられ)、ヒョウなどが含まれる。

つまり、雨量は雨だけだが、降水量は雨の他に、固形降水も含まれる。
したがって、冬の期間は、降水量と言った方が正確である。
では、雪や霰、ヒョウなどはどのようにして量るかというと、昔は雨量計の中に入ったものを室内に持ってきて溶かしてから量っていた。
現在は、雨量計にヒーターが設置されていて、自動的に溶かして量れるようになっている。

6月11日(火)  雷のもとである積乱雲(入道雲)の出来方  夏は雷の季節である。
雷が発生するためには、入道雲と呼ばれている積乱雲がなくてはならない。
真夏の強い日差しによって発生する、積乱雲の出来方について、まず太陽熱によって熱せられた地面がその上の空気を暖める。

温められた空気は上昇し、気温の低下によって水蒸気が小さな水滴、つまり雲粒が出来る。
このとき、水蒸気が持っていた熱が放出され、空気は再び暖められて上昇する。
このとき、上空の気温が高いと、上昇する空気は、まわりの空気より冷たくなって上昇はストップする。
ところが、上空の気温が低いと、上昇する空気は更に上昇を続け、積乱雲へと発達する。

こうして出来た積乱雲の中には、雪や氷がたくさん含まれていて、プラスやマイナスの電気が滞留する。この電位差が大きくなると、放電する。これが雷である。

6月19日(水)  雷の発生原理  雷は積乱雲、つまり入道雲の中で発生する。

入道雲は夏には高く、高度1万メートルから1万5千メートルを超えるものもある。
一般的には、高さが6千メートルを超えると発雷の可能性がある。
なぜ入道雲で雷が発生するかというと、入道雲の中には雪やあられ、氷などの結晶がたくさん含まれていて、それらが上昇気流の中で激しくぶつかり合うため、摩擦によって電気が発生する。

そして、積乱雲の上部にプラス、その下にマイナスの電気が滞留しやすい。
雲の中のプラスとマイナス間だけで放電が発生すると、夜には入道雲全体がオレンジ色に輝き実に美しい。
問題は、地上との放電、つくり落雷だ。空気は通常、電気を通さない絶縁体だが、電位差が大きくなると瞬時に通電し、落雷する。

稲妻は天から地に落ちてくるように見えるが、いつもそうとは限らない。
地から天に昇ることもあれば、天と地の両方から出発して空中で繋がることもある。
稲妻は一本の光の帯のように見えるが、極めて短い時間内に、電流は天と地を数回往復している。

6月25日(火)  今年の梅雨は?  今年は梅雨入りが平年より1週間ほど遅く、梅雨入りしてからも晴れ間が多い。
この季節には高気圧が北の方を通り、梅雨前線が西日本付近に停滞するの普通である。

ところが、今年は高気圧が西日本付近を通ることが多く、時には西日本の南海上を通ったりして、梅雨前線は遙か南海上へ遠ざかり、梅雨入り前の状態に逆戻りすることが多かった。

これは、太平洋高気圧の西への張り出しが弱いためである。
このような状況から雨が少なく、四国の水瓶と言われている早明浦ダムの貯水率は現在、60%をきって50%台にまで減少している。
このため、今月21日には第一次取水制限に入り、香川用水が20%、徳島用水が14.2%の取水制限を行っている。

このまま行くと、梅雨明け後の水不足が心配だが、高松地方気象台が発表した長期予報によると、今年の梅雨期間中の降水量は、ほぼ平年並みになりそうとのことなので、これから梅雨末期にかけての雨に期待したいところだ。