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2002/06/25ふるさとの宝物12  黒澤(くろぞう)湿原

けさは 三好郡池田町の
黒沢湿原をご紹介します。
黒沢湿原は
多くの貴重な植物が自生する群落として、
県の天然記念物に指定されています。
( VTR スタート )
池田町の南部、標高550メートルの盆地に位置する黒沢湿原。

総面積はおよそ40ヘクタール、
南北2キロの細長い湿地帯です。
もともと水田だった場所が放棄され湿原となったものです。

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北海道の釧路湿原や日光国立公園の尾瀬ヶ原とは異なり、
温暖な西日本でこれほどの規模の湿原が発達した例は珍しく、
1965年、貴重な湿原植物の群落として、
その一部が県の天然記念物に指定されました。

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池田町文化財保護審議員

私が初めてここへ野草の写真を撮りたいと思って入ったのは17年前ですがそのころはこの湿原で人に会うということは絶対になかった。誰一人ここを歩く人はいなかっった。10年も通ったらここにあるものは全部撮ったと思うでしょうが、そんなことはない。去年もこの林の中で珍しいものを発見した。そういう発見が今でもある。それがここへ来る楽しみ

自生する植物の多くは、
ほかではすでに見られなくなったもの。
現在14種類が、国や県のレッドデータブックにのせられています。

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ヒメミクリは 浅い水中に生える多年草で、
実が栗のイガににていることから
その名がつきました。

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モウセンゴケは、湿った道端に多く見られます。
赤い毛からねばりのある液をだし虫を捕らえる食虫植物です。
栄養分の少ない湿原で生きられるよう、進化を遂げたものです。

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古い池や沼に生えるヒツジグサ。
ヒツジの刻、現在の午後二時ごろ咲きはじめ、夕方、その花を閉じます。
春4月から、晩秋のころまで、珍しい植物たちの競演が、ここではみられます。

いまから12年前の1990年、この黒沢湿原をめぐり、
町を二分する論争が起こりました。
ゴルフ場を核とした、大規模なリゾート開発計画です。
町の過疎化に歯止めをかけたい建設推進派にたいし、
反対派は署名活動や立ち木トラスト運動を起して抵抗しました。
7ヶ月後、池田町議会は全員協議会を開き、
計画の凍結を決めました。

池田町議会 「中止または凍結するべきであると宣言を・・・」

事実上の白紙撤回です。
これをきっかけに黒沢湿原への関心は一気に高まり、
さまざまな保護、保全活動がおこなわれました。
しかしそのことが、逆に湿原の生態系を変えてしまう皮肉な結果につながりました。
この水連は、もともと黒沢湿原の植物ではありません。
だれかによって持ち込まれ、いつのまにか増えたものです。

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サギソウは、乱獲などで激減したため、
県外産を多数植えつけました。

頭師さん

たくさんの花が持ち込まれて、それがここに元々生えている草を駆逐して、そういうことが重なればやがてここの湿原の貴重な植物がいよいよ寂れてしまう、なくなってしまう。というようなことが今進行中なんです。。すでに滅びたものもある。今、まさに今年で滅びてしまおうとしているものもあります。

現在、湿原にほかの動植物を持ち込むことはできません。
しかし、遺伝子レベルまで考慮した厳しいとりきめが
あるわけでもありません。

作業中の池田町農林課 
  (同じミツバツツジでも地元のものではないとの質問に)地元の花ではない。やはり周辺から持ってきて植えるのが一番いいのだろうが手間もかかるし・・・。
            手間や金もかかるので

遺伝子や、生育環境の異なる動植物を放流したり、植えたりすることは、、
種のなりゆきを人為的に操作する自然破壊だと、警鐘をならす研究者もいます。
また、環境の変化も、湿原の保全を難しくしている問題です。

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画面左、74年には湿原北部の一部にしかなかったヨシが、
20年後の94年には南部にまで広がり、湿原のほぼ全域を覆うようになりました。
湿原の山林化です。
湿原は次第に乾燥し、放置すれば近い将来、消滅します。
その結果、多くの貴重な植物も、すみかを失います。
「 湿原の保全 」、それは生態系に影響を与えずに自然の営みを抑制するという、
極めて難しい課題なのです。

池田町では、湿原の保全のため周辺の森林を町有地化し、
伐採や下草刈を行いました。
しかしその一方で、展望台や遊歩道、駐車場などの施設整備にも力をいれました。
県内外から、年間3万人以上が訪れる黒沢湿原は、町の重要な観光資源にもなっていたのです。
湿原は、山林にのみこまれ、やがて消えようとしています。
保全にむけ、今、何をすべきなのか、
また、そのためにはどのようなアプローチが必要なのか、明確な指針も、推進する組織もありません。

徳島大学工学部助教授 鎌田磨人さん(植物生態学)

「サギソウがそこにあればいい。だからたくさん株を植えていくんだ」それ自体素晴らしいことだが、サギソウが本来どこにあったのか、サギソウがどういう水循環システムの中で生きているのかも全部考えて保全の活動をやっていくのが黒沢湿原そのものにとって一番いい方向だと思う。主人公は湿原、湿原をどう使っていくかというシステムを考えてやって周辺の森林整備事業をしないと主人公そのものも将来的になくなってしまうこともあると思う。

繊細な生態系のなかで、多くの貴重な動植物をはぐくむ黒沢湿原。
自然保護の原点をわたしたちに問いかける、ふるさとの宝物です。

さて次回は、
鳴門市高島にある、福永家住宅をご紹介します。
江戸時代の塩づくりの様子がわかる貴重な建造物や塩田跡が残されている
国の重要文化財です。
お楽しみに。
以上ふるさとの宝物でした。 


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