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2002/04/23 ふるさとの宝物 (4) 吉野川河口干潟

第4回のけさは
「 シギ・チドリネットワーク 」登録湿地の吉野川河口干潟です。
広さはおよそ65ヘクタール。
甲子園球場37個分に相当する広大な干潟です。

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吉野川の河口干潟では
これまでに160種の野鳥が確認されています。
96年、吉野川河口干潟は
東アジアや太平洋地域における
シギやチドリ類の重要渡来地のひとつに登録されました。

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干潟とは、潮の満ち引きによって
現れては消える陸地のこと。
時間とともに、その姿は大きく変わります。

「 海でもなく、川でもない。」
干潟には、ここでしか見られない独特の生き物がすんでいます。

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シオマネキです。
雌をさそうパフォーマンスが
満ち潮を招くように見えることから、この名がつきました。
絶滅が危惧される生き物として
国や県のレッドデータブックにその名が載せられています。

この干潟にすむ貴重な生き物は
カニやシャコなどの甲殻類だけで15種類以上、
ほかにも魚類や昆虫などの貴重な生き物が数多く見られますみられます。

しかしここは、単に希少生物の聖域というだけではありません。
我々人間にとってなくてはならない重要な機能を果たしてくれる場所なのです。

県立博物館主任学芸員 佐藤陽一さん

特に重要な機能というのが「自然の浄化槽」であると言うこと。私たちは下水を各家庭から出しますが、処理場などによってきれいにしてから流します。この干潟は人間が作ったものでなくて自然で、初めからあるものですがそのような機能を持っているのです。

家庭などの生活排水はそのほとんどが川や海に流され
深刻な水質汚染をもたらしています。

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干潟の泥の中に繁殖する細菌やバクテリアは、
水質汚染の原因となるチッソやリン酸などを分解し、
水を浄化してくれます。

生い茂る ヨシも、根から有機物を吸収し、
水と二酸化炭素に変えます。
カニや貝なども環境の浄化に一役買っています。

砂の中からヘドロの原因となる藻類や生物の死骸をより分けて食べています。
カニは干潟の掃除役。 
巣穴の周りには、綺麗になった砂がダンゴのように積まれていました。
干潟では生き物すべてが、自然の浄化システムの中に組み込まれているのです。
また、カニや貝は鳥のエサとなりその繁殖を助けます。

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ここは生き物たちの食物連鎖の舞台でもあるのです。
しかし河川の改修や埋め立てなどで
環境を守る干潟は年々、減少しています。
50年前、8万3千ヘクタールあった日本の干潟は
いまでは、その4割が失われました。

県立博物館主任学芸員 佐藤陽一さん

吉野川には、ふだん真水に、淡水に住んでいるような生き物であっても子ども時代には海で生活したりこの河口の干潟付近で生活する種類があります。例えば魚で言うとアユなどはその典型になります。ここの環境が悪化すると言うことはそれらの生き物にとっても非常に困ったことになるわけです。だから河口の干潟というのは、吉野川にとっては河口だけの問題ではなくて吉野川全体の問題とも関わり合っているわけです。

春 4月。
今年もいきものたちの息吹が聞こえます。
ここはまさに生命の源、
すべてのいきものを優しく育む、「 命のゆりかご 」なのです。

吉野川河口干潟。
産業発展の名のもと、自然を省みることのなかった私たちに、
いのちの大切さを教えてくれるふるさとの宝物です。

次回は、室町、戦国、江戸と、
その抜群の切れ味で全国に名をはせた
日本刀、「 海部刀 」をご紹介します。


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