遠藤
月に一度の仙波教授の阿波弁講座です。
仙波先生、おはようございます。
仙波教授
おはようございます
遠藤
今回も視聴者の皆さんからの情報をもとにお送りして参ります。
まずは、前回「じゃんけんの阿波弁」についてお送りしましたところ、本当にたくさんのお電話をいただきました。
仙波教授
はい。おかげで私も研究資料が増えました。
遠藤
じつは、その後、こんな葉書もいただいています。
(葉書読む)(名前なし)
【石井町石井では81歳の私が子どもの頃は
男の子は@エイサーホイAアイコノホイBサッテモサイCサイノサイノサイ
女の子は@エイチクホイAアイコノホイBサッテモサイCサイノサイノサイ
私も石井出身ですが、確かに使っていました。
仙波教授
アイコのあと、どういうか、と言う点で興味深いです。
ありがとうございます。

宗我部
次にこんなホットラインをいただきました。
【子どもの頃、友だちとよく遊びましたが、小さな子だと同じように遊べないので、「あぶらご」として、
鬼などを免除していました。
「あぶらご」って阿波弁ですか?今も使っているのでしょうか?】
遠藤
若い島川さんは、「あぶらご」知ってる?
島川
わかりません。
遠藤
大阪出身の宗我部さんは?
宗我部
知りませんでした。
遠藤
私は、「あぶらご」と聞くと、子ども時代を振り返って懐かしいです。
「あぶらご」について、情報をホットラインにお寄せ下さい。
どんな遊びの時にどんな意味で使っていましたか?今も使いますか?
島川
電話は088(625)9999
ファックスは088(655)7676です。
遠藤
まずは、「あぶらご」を知っているか?
徳島市の津田みどり学童保育クラブで聞いてみました。
(VTR)
子供たち
・知らない
・聞いたことはあるけど、意味はわからない

学童指導員の皆さん
・仲間はずれ?
・おにごっこで使っていた
・友達の輪からはずれた(いい意味ではなかった)
・小さい子が保護されている
・どっちでもいける(加われる)
遠藤
というわけで、子ども達は知らなかったが学童指導員の皆さんは知っていました。
消えていっている言葉なんだと思いました。
先生、「あぶらご」って阿波弁ですよね?
仙波教授
実際のところは他県でも使われていますが・・・
意味:
○子どもの遊びで一人前に認められない子。員数外の扱い。
○子どもの遊びで、小さいので鬼やとりこになるのを免除されて仲間に入っている児。
「あぶれ児」から来ている、という説と「油と水が混ざらないのに似ているところから、という説があります。

遠藤
ポイントは「あぶらご」を愛情を持って使うか、仲間はずれのような意味合いで使うかだと思いますが・・・
仙波教授
徳島では、幼い子へのいたわりを持って使う場合が圧倒的に多いと思います。
それで今もたくさんの人が「あぶらご」に愛着を持って懐かしさを感じるのでしょう。
ホットライン紹介
遠藤
四国の他県は?
仙波教授
【FLB地図 】
(1991年当時 高知女子大国語学研究室の高橋顕志先生調査をもとに作成)
高知、愛媛は「ままこ」、香川は「あぶらむし」と「みそ」という言い方があります。
ただ、現在も広く知られ、使われるのは徳島の「あぶらご」のみ。
「ままこ」はどちらかというと、仲間はずれに使う場合が多いようです。

島川
全国で他に「あぶらご」を使う県はありますか?
仙波教授
なぜか、山形で使うようです。
遠藤
そこで、山形県教育委員会文化遺産課の渋谷孝雄さんに電話で聞いてみました。
(VTR)

山形県教育委員会文化遺産課
渋谷孝雄さん
少し言い方は違いますが、「あぶらっこ」「あぶらしっこ」という言い方があります。
(仲間はずれにしないで仲間に入れて遊ぶ時に使います。)
遠藤
と言うわけで、山形の周辺県の教育委員会にも聞いてみましたが、福島県北部で同じ言い方をする地域がありますが、他には見られませんでした。
仙波教授
徳島と山形、遠く離れた2つの県で奇しくも「あぶらご」が今も子ども達に受け継がれているのが面白い。
理由は分からりませんが、海路で交易を行っていた時代の名残かも・・・。
遠藤
ホットラインは?
(ホットライン紹介)
遠藤
皆さんも阿波弁に関する質問、情報をお寄せください。
仙波教授の阿波弁講座でした。
仙波先生、ありがとうございました。
阿波弁講座 「あぶらご」=鬼にならない小さな子
(2002/10/23)