2008/06/12 

 あぶらご=仲間はずれにしないで仲間に入れて遊ぶ 

 

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遠藤
月に一度の仙波教授の阿波弁講座です。
仙波先生、おはようございます。

仙波教授
おはようございます
    
遠藤
今回も視聴者の皆さんからの情報をもとにお送りして参ります。
まずは、前回「じゃんけんの阿波弁」についてお送りしましたところ、本当にたくさんのお電話をいただきました。

仙波教授
はい。おかげで私も研究資料が増えました。 

遠藤
じつは、その後、こんな葉書もいただいています。
(葉書読む)(名前なし)
【石井町石井では81歳の私が子どもの頃は
男の子は@エイサーホイAアイコノホイBサッテモサイCサイノサイノサイ
女の子は@エイチクホイAアイコノホイBサッテモサイCサイノサイノサイ
私も石井出身ですが、確かに使っていました。

仙波教授
アイコのあと、どういうか、と言う点で興味深いです。
ありがとうございます。

宗我部
次にこんなホットラインをいただきました。
【子どもの頃、友だちとよく遊びましたが、小さな子だと同じように遊べないので、「あぶらご」として、
鬼などを免除していました。
「あぶらご」って阿波弁ですか?今も使っているのでしょうか?】

遠藤
若い島川さんは、「あぶらご」知ってる?

島川
わかりません。

遠藤
大阪出身の宗我部さんは?

宗我部
知りませんでした。

遠藤
私は、「あぶらご」と聞くと、子ども時代を振り返って懐かしいです。
「あぶらご」について、情報をホットラインにお寄せ下さい。
どんな遊びの時にどんな意味で使っていましたか?今も使いますか?

島川
電話は088(625)9999
ファックスは088(655)7676です。

遠藤
まずは、「あぶらご」を知っているか?
徳島市の津田みどり学童保育クラブで聞いてみました。

(VTR)

 
子供たち
・知らない
・聞いたことはあるけど、意味はわからない


学童指導員の皆さん
・仲間はずれ?
・おにごっこで使っていた
・友達の輪からはずれた(いい意味ではなかった)
・小さい子が保護されている
・どっちでもいける(加われる)

遠藤
というわけで、子ども達は知らなかったが学童指導員の皆さんは知っていました。
消えていっている言葉なんだと思いました。    
先生、「あぶらご」って阿波弁ですよね?

仙波教授
実際のところは他県でも使われていますが・・・
意味:
○子どもの遊びで一人前に認められない子。員数外の扱い。
○子どもの遊びで、小さいので鬼やとりこになるのを免除されて仲間に入っている児。  
「あぶれ児」から来ている、という説と「油と水が混ざらないのに似ているところから、という説があります。  

遠藤
ポイントは「あぶらご」を愛情を持って使うか、仲間はずれのような意味合いで使うかだと思いますが・・・

仙波教授
徳島では、幼い子へのいたわりを持って使う場合が圧倒的に多いと思います。
それで今もたくさんの人が「あぶらご」に愛着を持って懐かしさを感じるのでしょう。
    
ホットライン紹介

遠藤
四国の他県は?

仙波教授
【FLB地図 】
(1991年当時 高知女子大国語学研究室の高橋顕志先生調査をもとに作成)
高知、愛媛は「ままこ」、香川は「あぶらむし」と「みそ」という言い方があります。
ただ、現在も広く知られ、使われるのは徳島の「あぶらご」のみ。
「ままこ」はどちらかというと、仲間はずれに使う場合が多いようです。

島川
全国で他に「あぶらご」を使う県はありますか?

仙波教授
なぜか、山形で使うようです。    

遠藤
そこで、山形県教育委員会文化遺産課の渋谷孝雄さんに電話で聞いてみました。

(VTR)

山形県教育委員会文化遺産課
渋谷孝雄さん
少し言い方は違いますが、
「あぶらっこ」「あぶらしっこ」という言い方があります。
(仲間はずれにしないで仲間に入れて遊ぶ時に使います。)

遠藤
と言うわけで、山形の周辺県の教育委員会にも聞いてみましたが、福島県北部で同じ言い方をする地域がありますが、他には見られませんでした。

仙波教授
徳島と山形、遠く離れた2つの県で奇しくも「あぶらご」が今も子ども達に受け継がれているのが面白い。
理由は分からりませんが、海路で交易を行っていた時代の名残かも・・・。

遠藤
ホットラインは?

(ホットライン紹介)

遠藤
皆さんも阿波弁に関する質問、情報をお寄せください。
仙波教授の阿波弁講座でした。
仙波先生、ありがとうございました。


阿波弁講座 「あぶらご」=鬼にならない小さな子  (2002/10/23)

視聴者からの情報 


上板町 49才 女性
あぶらごとは、あふれてしまった子、はねのけになった子かなと思っていたのですが、
主人に「あぶらごって知ってる?」と聞くと、ゲームをしている時に、一人だけ年下の子がいると、
その子は勝ち負けはつかない、点数に入れない、そういう子のことをあぶらごと言うと言っていました。
私は悪い言葉かなと思ってましたが、そうではないみたいです。

鴨島町 男性
鴨島町では、「あぶらご」と「あぶらげ」も言っていました。

つるぎ町 60才 女性
つるぎ町に嫁に入ったとき、お姑さんなどの仕事を半分しかできないときに「あぶらんこ」と言われました。

鴨島町 43才 女性
魚の「ぶり」か「ぼら」の稚魚のことを「あぶらご」と言っていて、これが語源となって使われるようになったと聞いたことがあります。

徳島市 40代 女性
幼い頃、使っていました。
妹や弟たちが鬼になると鬼ごっこが続かないので、免除をする意味で使っていました。

国府町 75才 女性
昔、ゲームをする時など、人数が足りない時に幼稚園ぐらいの小さい子を「あぶらごでいいなら入れてあげるよ」と言って人数合わせをしていました。

北矢三町 60才 女性
私は、兵庫から徳島に来たのですが、「あぶらご」は「のけものにされる」と思っています。

一宮町 62才 女性
私が、低学年のころ、ビー玉が流行っていました。
3人か5人で遊ぶのですが、人数が多すぎて合わないとき「ほな、うちあぶらごでええわ」と言って使っていました。

鳴門市撫養町 80才 男性
年齢の差があるために、年下の子が遊びなどでのけ者にされる場合(幼い為に遊びについていけないから)に「あぶらご」と言っていました。
しかし、現在は使われていないと思います。

徳島市 50代 女性
那賀町木頭出身ですが、木頭では、「あぶらご」という言葉は使っていませんでした。
両親も知らないそうです。

徳島市 84才 女性
旧阿波郡の柿島村で小学校の頃、使っていました。
おにごっこで子どもをいたわる為、仲間に入れてっ所に遊ぶために使っていました。

徳島市 70才 女性
小さい頃かくれんぼをしている時、自分より幼い子が見つかってもオニにせずおおめに見て「あぶらご」として遊んでいました。

徳島市 63才 女性
昔は神山町で住んでいたのですが、5人兄弟の末っ子で半人前あつかいということで「あぶらご」と言われていました。

阿南市 49才 男性
昔、徳島市に住んでいた時、鬼ごっこなどで遊ぶ時などに年下の子をいたわる気持ちで「あぶらご」として、みつかっても鬼にならないというふうにハンディをおぎなう為に使っていました。

国府町 58才 男性
神山の方では、小学生の低学年の子が鬼ごっこなどで負けたとき、高学年などの先輩が鬼をかわってあげることを「まけご」と言っていました。

神山町 75才 男性
神山では、「あぶらご」と同義語で「はぜのけ」と言っていました。

松茂町 59才 女性
「あぶらご」は、よく使いました。
かくれんぼなどで大きな子と小さな子が一緒にかくれていても、小さい子は「あぶらご」として一人前ではないけれど、遊びにまぜてもらっていました。

鴨島町 70才 男性
「あぶらご」と同じ意味で60年前に鳴門の方で「おから(食べ物)」と言っていました。

市場町 52才 女性
阿波市市場町では「あぶらご」という言葉は使っていなかったように思います。
そして、また今度でかまいませんので「もざる」=おなかいっぱいでもう食べれない。(用例:「あぁこれもざったわ」など)を取り上げてください。