2006/04/26 

 [ん]で始まる阿波弁 

「んめ」「んま」「んもれる」「んまい」

 

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今週は「ん」で始まる阿波弁を取り上げます。
えっ、そんなんあるん?という声が聞こえてきそうですが先生、阿波弁にはありますね。

仙波
ひとつ例を挙げますと、「うめ」を「んめ」と発音するかたが徳島には結構いらっしゃいます。
   
確かに、「ん」と発音していますね。

遠藤
先生、「ん」で始まる言葉があるんだったら「しりとり」は、終わりませんね。

仙波
「たくさん」あるわけではありませんが。
しりとりでは最後に「ん」のつく言葉を言うと負け。
それは、日本語では「ん」で始まる言葉はないと説明されてきた。
実際、「ん」で始まる言葉はほとんどなかった。

*岩波辞典
   
岩波国語辞典でもこの程度しかのっていない。
いずれも途中に出てくる「ん」。

遠藤
ところが、阿波弁には「ん」で始まることばがあるということですね。

*「んもれる」
    
代表的な阿波弁が「んもれる」
「蒸し暑い」という意味で以前、このコーナーで「うもれる」と言ったら、「ん」で始まるという電話を何本かいただいた。

遠藤
徳島では「う」よりも「ん」の方が発音しやすいんでしょうか?

仙波
それは、わかりません。

遠藤
ところで、よく「うん万円」なんていいますが。
「ん万円」か「うん万円」
この場合宗我部さんや佐久間さんは、どちらだと感じますか?

宗我部、佐久間ともに「うん万円」
        
遠藤
阿波っ子は、「ん万円」と言いますよね!

仙波
徳島の方言は「う」でなく「ん」で始まると意識されている。
「う」より「ん」の方が、さらっと発音しやすい。
   
遠藤
確かに言いやすい気がしますね。
でも、「ん」で始まる阿波弁の数はそんなに多くないのでは?

仙波
いやいやそれがなかなかどうして・・・。
例によって、方言集を調べるといくつか見つかりました。

「んね」=姉
「んにゃ」=兄
「んなぐる」=殴る
「んの」=布(ぬの)
「んなみ」=南(みなみ)

遠藤
先生、「ん」のあとに来るのは、ナ行が多いんですか?

仙波
そうですね。

それから、「ま」行も多いですね。

「んま」=馬。菓子 いづれも幼児に対して言う
「んまんま」=馬。菓子。いづれも幼児に対して言う
「んまい」=おいしい
「んまえる」=お風呂などに水を入れる (水を埋める)
「んめ」、「むめ」=梅」
「んもれる」=蒸し暑い

「んま」、「んめ」は全国でも使われている地域が多い。

遠藤
こういう言い方は、徳島だけですか?

仙波
沖縄などにもあります。
ただし、発音することを言葉に書いた場合に、「ん」と思うかどうか。
表記の問題にもなります。
私の感覚では、「ん」を「う」に置き換えたらおかしいと、だれもが言うのは「んね」だけではないでしょうか。

さて、来週はお休み、さ来週は「いたんぽ」を取り上げます。
「イタドリ」の阿波弁ですね。

仙波教授の阿波弁講座でした。
視聴者からの情報 

(板野郡藍住町・71歳女性)
50年くらい前は、兄のことを「んや」(「んにゃ」?)と言っていました。
今では全く使いません。
ちなみに、姉は、「あんね」でした。

(徳島市、52歳男性)
全国各地に「ん」から始まる言葉があります。
東京では、「おいしい」ことを「んまい」と言います。
東北地方では、「そうだ」ということを「んだ。んだ」と言います。

(吉野川市美郷・51歳男性)
姉のことを「んね」と言います。

(徳島市佐古・62歳)
おいしいことを「んまい!」と言います。
主人がご飯を食べて「んまかった」と言ってくれます。

(徳島市・87歳女性)
先日、相部屋に入院していたときのことです。
徳島出身の二人は「んね」って使っていたと話をしていましたが、同室の明石市出身の人はどうしても「んね」と言えなくて笑いころげました。

(阿南市椿町・66歳女性)
姉のことを「んね」と言いました。

(鳴門市・77歳男性)
馬のことを「んま」と言います。