| 2006/03/08 「かきまぜ」=ちらし寿司 |
水曜日、仙波教授の阿波弁講座です。
<遠藤彰良はお休み>
今週は「五目寿司・ちらし寿司」を表す言葉「かきまぜ」を取り上げます。
さて先生五目寿司はこの時期よく食べますよね。
仙波
はい、地域によってはひな祭りに巻き寿司や五目寿司を食べる習慣のあるところがあるようです。
具は地域(または家庭)によって特色があります。
大きく分けて具をすし飯に混ぜ込むものと、海鮮ちらしなどに具をすし飯にのせるものの2タイプある。
宗我部
徳島では具を酢飯に混ぜ込んだもので金時豆を入れるのが特徴ですね。
さて本題に入りましょうか。
五目寿司・ちらし寿司、徳島では「ばら寿司」と言ったりもしますがこの「かきまぜ」、私は聞いたことがありません。
ないんですがどのあたりで使われているんですか?
仙波
方言集を見る限りでは神山町、那賀川流域、海部郡などで話されているようです。
徳島市内や吉野川流域では話されていないようです。
しかし古くは美馬郡でも記録がありますが、脇町出身の私は聞いたことがありません。
また、「まぜくり」という記録もあります。
<各市町村資料をもとに>
「かきまぜ」が使われた記録のある地点
羽ノ浦町、上勝町、神山町上分、旧鷲敷町、旧相生町、旧上那賀町、牟岐町、海南町
また全国的に見ると徳島・香川・和歌山だけです。
和歌山では、ザ行がダ行に変化するので「かきまで」になります。
佐久間
かなり狭い範囲でしか使われない言葉ですね。
宗我部
この表からも、徳島市内ではなかなか聞けない言葉のようですね。
仙波
方言集には、「まれ」と表記されるものがあって、全くなかったわけではないようです。
佐久間
でも「かきまぜ」という名前なら五目寿司だけでなく炊き込みご飯の呼び方にもピッタリですね。
仙波
はい。
現に徳島県内でも「かきまぜ」を炊き込みご飯の意味で使っているところがあります。
美馬市木屋平などがそうですし、神山では、五目寿司と炊き込みご飯両方を指します。
ひょっとしたら家庭ごとに違うかもしれません。
また全国的に見ると、炊き込みご飯を「かきまぜ」と言うのは西は広島から東は長野まで結構広範囲です。
<長野、三重、大阪、兵庫、熊本など>
宗我部
炊き込みご飯の呼び方は、徳島市近辺では「ぐめし」がポピュラーのようですね。
あと「かやくごはん」もあります。
<炊き込みご飯をあらわす言葉>
- かきまぜ(美馬市木屋平、神山町)
- ぐめし(徳島市)
- かやくごはん(関西一円)
- たっこみ(香川県)
- まぜごはん(愛媛県)
仙波
何かの具を「かやく」というのは関西地方中心の言葉です。
薬味(やくみ)を加えるということで「かやく」。
あといなり寿司を「きつね寿司」と呼ぶのも関西圏独特の言い方のようです。
佐久間
色々出てきましたが先生ご自身は五目寿司と炊き込みご飯を何と言っていたんですか?
仙波
炊き込みご飯は炊き込みご飯のままでしたが、五目寿司は単に「おすし」と言っていました。
またきつね寿司の中のごはんに我が家では五目寿司が使われていました。
具のない酢飯を詰めてある方が普通なんでしょうか?
それではホットラインをご紹介しましょう
(ホットライン)
さて来週は今週と同じくご飯もの「味噌入り雑炊」を意味する阿波弁「おみいさん」です。
徳島ならではの家庭料理といっていいかもしれません。
仙波教授の阿波弁講座でした。
(那賀郡旧木頭村の情報・60歳女性)
ちらしずしのことを「かきまぜ」と呼んでいました。
だから、徳島市内でちらしずしのことを「バラずし」と呼んでいるのには驚きました。
(名西郡神山町・56歳男性)
五目寿司のことを「かきまぜ」と言います。
若い人は言わないと思いますが、私たちの年代は言います。
(三好郡東みよし町出身・48歳女性)
お寿司のことを「バラずし」と言います。
炊き込みごはんを「かやくごはん」と言いました。
(徳島市国府町・63歳女性)
40年ほど前には、「ちらしずし」のことを「おすもじ」と言いました。
(小松島市・74歳女性)
ちらし寿司のことを「おすもじ」と昔の人はいいました。
炊き込みご飯のことは、「ごめし」と言います。
(海部郡牟岐町・65歳男性)
「ちらしずし」のことを「まぜくい」と言いました。
具は、焼き魚の身をほぐした物を使いました。
柚子を使っていたのでものすごく香りがよかったものです。
(兵庫県出身・女性)
炊き込みご飯を「かやくごはん」と言います。
(徳島市・男性)
83歳になる母は、ちらしずしのことを「おくもじ」と言います。
>注:(おすもじ)の聞き間違いか?
(鳴門市出身・68歳男性)
ちらしずしは、普通に「すし」と言います。
五目ごはんを「かきまぜ」と言っていました。
(三好郡山城町・50歳女性)
「まぜごはん」を「あじつけめし」と言います。
「かきまぜずし」を「五目ずし」と言います。
(兵庫県淡路島・56歳女性)
淡路島でも「かきまぜ」と言います。
(名東郡佐那河内村・74歳女性)
ちらしずしや五目ごはんのことを「かきまぜ」と今でも使っています。
(那賀郡旧上那賀町出身・50歳女性)
今でも「かきまぜ」と言います。
(那賀郡那賀川町・60歳代女性)
私のおばあさんは、ちらしずしのことを「かきまぜ」と言っていました。
炊き込みごはんのことを「ぐめし」と言っていました。
(兵庫県南あわじ市・60歳代女性)
私のおばあちゃんは、五目ずしやちらしずしのことを「かきまぜ」と言っていました。
(徳島市・55歳女性)
今でもちらしずしのことを「かきまぜ」と呼びます。
昔は、「かきまぜご飯」と呼んでいました。
(徳島市上八万町・63歳女性)
ちらしずしのことを、私は「バラずし」と言います。
(徳島市国府町の情報・53歳女性)
ちらしずしを「バラずし」、炊き込みご飯を「ぐめし」と言います。