2006/01/25 「いたつけ」=かまぼこ 

「いたづき」と呼ぶ地域もある


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今週は「いたつけ」を取り上げます。
蒲鉾(かまぼこ)のことです。

遠藤
話はそれますが、「いたつけ」といいますと、私は「命札」を思い出します。
「いたつけ」の板に名前を書いていました。

いたつけの板の使い方についてのエピソードも寄せていただきたいと思いますが、
そもそも「いたつけ」ってどのあたりで使われる言葉ですか?

「いたつけ」の分布
長野「えたつけ」
鳥取「いたつき」
徳島「いたつけ」
滋賀・長浜、三重・、兵庫加古川「いた」

仙波
この資料は、都道府県で1か所か2か所程度調査したもののようですが、
「いたつけ」のような発音が見られる地域は徳島の他長野・鳥取の全国3か所だけでした。
あとは全て「かまぼこ」です。
また「いた」だけでかまぼこを表すところも3か所記録があります。
いずれも「古い表現」として載っています。

佐久間
全国で数カ所ですか!

宗我部
徳島でも商品名としては「かまぼこ」が使われ、「いたつけ」は話し言葉ですね。
これは、消えかけている言葉なんでしょうか。

遠藤
それにしてももうちょっと広い範囲で使われると思っていました。

仙波
コンパクトサイズの辞書にも「いたつけ」が載っているものがありますが、共通語というのは難しいと思います。

佐久間
板にすり身をつけるから「いたつけ」だと、聞けば徳島以外の人にもわかってもらえますね。
ところで「かまぼこ」という名前は植物の「蒲(がま)」と関係があったはずですよね。

仙波
はい、棒の先に魚のすり身をつけて焼いたものが植物のガマの穂に似ているから蒲鉾と名前が付きました。

宗我部
作り方や形を見ていると・・・コレって、よく考えてみると「ちくわ」じゃないですか!

仙波
そうです。
本来は「ちくわ」状のものを「かまぼこ」と呼んでいたのですが、ある時から「ちくわ」という名前が広がり放り出された形となったようです。
つまり、「かまぼこ」はすり身を板につけた食べ物の名前となっていったと考えられます。
「阿波の國言葉」橋本亀一著、発行:昭和14年にそう記述には、ちくわを「かまぼこ」と呼んでいたということが書かれています。

宗我部
「竹ちくわ」も「竹かまぼこ」だったのかもしれません。
ちなみに、ちくわのことを徳島では「ちっか」と言いますね。

佐久間
それにしても練り物の方言っていろいろありますね

遠藤
ここで魚肉練り製品の阿波弁をまとめてみます。

魚肉練り製品一覧
魚のすり身を焼いたものは「ちっか」(ちくわ)
蒸したものは「いたつけ」(かまぼこ)
茹でたものは「とりいれ」(はんぺん)
揚げたものは「天ぷら」(さつま揚げ)です。
そしてこれらを総称すると、「くずし(もの)」というわけですね。

仙波
「くずし(もの)」は勿論魚を「くずし」て作られるからその名が付いたわけです。
これは瀬戸内海沿岸を中心に使われる言葉です。

遠藤
あと余談ですが、「フィッシュカツ」もありますね、
これも徳島ならではの言葉でしょうね。

他の地域では「カツ」といえばトンカツですが徳島では「カツ」といえばフィッシュカツ。

仙波
徳島独特の言葉の使用法でしょう。

それではホットラインをご紹介しましょう。

>>視聴者からの情報

(徳島市末広・60歳代女性)
子どもの頃母親に「いた、なんぼ こうて(買うて)きて」といわれました。
「かまぼこを、何個か買ってきて」という意味です。

(徳島市・40歳代女性)
子どもに「いたつけ 買ってきて」と言っておつかいを頼みました。
子どもは「いたつけ」のことがわからず、店の人に聞いて「昔の人が、かまごこのことを『いたつけ』と言ってたんじょ」と教えてもらい、間違えることなく買い物をしてきました。

(鳴門市撫養町の情報・70歳代男性)
徳島(市)では「いたつけ」と言っているようですが、鳴門市撫養町では「いたつき」と言っていました。

今週は「いたつけ」を取り上げました。


視聴者からの情報

(那賀郡那賀町の情報・62歳情報)
旧木頭村では「いたづけ」と呼んでいました。

(板野郡北島町・58歳女性)
昔、保育士をしていた頃「いたつけ」の板を集めて、絵を描きパズルのようにして遊んでいました。
子ども用の教材に「いたつけ」の板は重宝していました。

(兵庫県出身・57歳女性)
近所の人が「いたつき 食べるでぇ?」と言われても、何のことかわかりませんでした。かまぼこのことだと聞いてびっくりしました。


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