2003/09/03 いんぐりちんぐり
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今週取り上げます阿波弁は「いんぐりちんぐり」です。
「揃っていない」とか「デコボコな」、「ちぐはぐな」という意味の阿波弁です。
今週はお便りから紹介しましょう。
是非、「阿波弁講座」で取り上げて欲しい、とリクエストが来ました。
阿波郡阿波町にお住まいの92歳の男性からのお便りです。
「お便り」紹介
戦争中の話し。徳島出身の友人が東京で、軍事教練をしていたとき、敬礼はよくできたが整列がなっていなかったとき、「なんじゃ、この並び方は!いんぐり ちんぐりでないか!!」と叱りつけたところ、生徒は「今度の教官は英語を使うぞ」と言われたそうです。県外の人に英語と間違われたという話ですね。
たしかに初めて聞くと外国語のように感じますよね。
仙波先生、徳島のどこで使われますか?
仙波
・県内全域で使われる。(三好郡、名西郡、那賀郡、海部郡でも資料有り)
・香川県、愛媛県、淡路島でも使う。
「いんぐりちんぐり」をどんな風に使っているのか街で聞いてきました。
- 「帽子と服とが、いんぐりちんぐり」(服装に合わない)(徳島市58歳)
- そろっていないこと(勝浦町70歳)
- よく使う「でこぼこ」の意味(徳島市67歳)
- 聞いたことない(松茂町46歳)ない
- 聞いたことない(年輩者、若者)
- 合わないこと徳島市(84歳)
- 互い違いなこと(徳島市55歳)
- 今ではあまり使わないが、整列していない、デコボコな(徳島市73歳)
(VTR 街頭インタビュー)
誰でも知っている阿波弁と思っていましたが、5人に1人ぐらいは意外に知らない人もいて5人に1人位が「知らんでよ」とのことでした。
先生、どこから来た言葉ですか?
仙波
元々、「いぐちぐ」という言葉。いぐ」と「ちぐ」分けられる。「ちぐ」が不ぞろいをあらわす。
「いぐちぐ」から「いんぐりちんぐり」に変化したと考えられる。
その中でも「ちぐ」という言葉だけで「不揃いな」という意味を表す。
江戸時代から有る方言で尾張、関東や和歌山とか九州で使われていた。
*「ちぐはぐ」の「ちぐ」でも有る。
では「いぐちぐ」の「いぐ」とは何ですか?
仙波
これがよく分からない。
ただ愛媛県の方言で物を運ぶ道具「もっこ」のことを「いぐり」という。
もしかしたら「いぐり」が「ちぐ」な状態で物を上手く運べなかったことから「いぐちぐ」という言葉になったかも。
「いぐちぐ」を強調して「いんぐりちんぐり」になったと言うことですか?
仙波
あるいは「いぐ」という言葉も「不揃い」を指す言葉だったかも。
語源が良く分からない言葉の一つです。
漫才で「イングリモングリ」というのもありましたが、関係はあるんですか?
仙波
調べてみたら島根県の方言で「いんぐりまんぐり」がありました。
意味は「太った人が歩く様子」。
同じく島根県の方言で「いんぐりもんぐり」「いんぐりでんぐり」意味は「曲がりくねっている様子」。
「イングリモングリ」はここから来たかも知れません。視聴者からの情報
(徳島市 42歳女性)
今も、ボタンの掛け間違いの時に「いんぐりちんぐり」と言います。
(徳島市 70歳女性)
昔から「いんぐりちんぐり」という言葉を、きれいにそろっていないという意味で使います。
しかし、アクセントが「い」と「ち」にアクセントがつきます。
(徳島市 60歳女性)
私の若い頃、親がよく使っていました。
でこぼこした歯並びの悪いこと、不揃いのことを言います。
「いんぐりちんぐりの歯やなー」と言いました。
今は若い人は使いませんね。
(72歳女性)
小さい頃は理容師が散髪していなかった時代で、母が髪を切ってくれていました.
髪の長さが違っていると「いんぐりちんぐりになって、学校行くの はずかしいわー」と言っていました。
(羽ノ浦町 女性)
田植えをする時昔は定規を使って手で植えていました。
まっすぐに植えることができないので「あれまあ、いんぐりちんぐりでー」とよく言っていました。
和裁のときも同じで、まっすぐ縫えないので「いんぐりちんぐりじゃ」と今でもよく言います。
(徳島市国府町・53歳男性)
「いんぐり・ちんぐり・まんぐり」と3つ続くとさらに、ものすごく揃っていないという意味になる。
1より2。2より3つ繰り返すことによって表現が大きくなります。
(美馬町50歳女性)
ボタンの掛け違いをしていると「いんぐりちんぐりに留めてる」と今でも言います。
(兵庫県出身女性)
「いんぐりちんぐり」と始めて聞いた時には「面白い言葉だな」と思いました。
でこぼこしていたり、いがんでいたり、互い違いになっている時、たまに友人と話すときに使います。
(阿南市福井町 男性)
「いんぐりちんぐり」とも言うが、同じ意味で「へちゃこちゃ」とも言います。