| 2003/08/27 「うっしょう」、「うししょう」=過度の潔癖症 |
けさは、今月6日に放送しました、 「行き過ぎた清潔好き」を表す阿波弁、 「うっしょう」の続編です。
今週は「うっしょう」という言葉がどこから来たのか、語源について取り上げます。
前回のおさらいを簡単にします。「うっしょう」は行き過ぎた綺麗好き、清潔好きを指す阿波弁で、「あの人、うっしょうやな、洗ってあるお茶碗、何回も洗いよるわ」などと言います。 また、「うっしょうやみ」という言葉もホットラインで寄せられました。
仙波先生、、前回は「うっしょう」の語源が 「憂鬱(ゆううつ)」の「鬱(うつ)」に「症状」の「症(しょう)」と書く、「うつ(・・)しょう(・・・)」から来た、という説を発表しましたよね。
>仙波
そうです。広辞苑で「・・症」で調べると・・の部分は「むち打ち症」以外はすべて全て漢語が来ることが理由。
「鬱」も当てはまる。としたわけです。
じゃ、「牛性」の方が適当だということですか?
>仙波
そうでもありませんが。
前回、「牛性(うししょう)」が語源だと高田説ほか複数ある語言説をありえないと思っていましたが、放送中に視聴者からの情報・ホットラインで面白いのが寄せられてその「牛性」説も可能性が高いと考え直した。
どんなホットラインですか?
>仙波
1)「牛は自分のエサ箱のエサしか食べない」
つまり、牛は他のエサ箱のエサは食べず、すごい綺麗好きな動物だ、という情報。
2)「牛はやたら自分の鼻をなめていつも綺麗にしている」という情報
3)「ウッショウ」とは言わずに「ウシショウ」(牛性)だと思っていたという方も何人かいた。
これらをあわせて語源について考えてみたい。
「牛性」のように「性格」の「性」の前にどんな言葉がつくのかを調べてみた。
前回は、「過度に」清潔という意味から病気の症状、「症」に続くことばは、ほとんどが漢語だとしましたが、
性格を表す「性」の方を調べていませんでした。
「症状」の「症」の前には漢語が来るのに対し、 「性格」の「性」の前には「和語」が来て人の性格を表しているんです。
「飽き性」「凝り性」「照れ性」ですか、
なるほど。性格を表してますね。
>仙波
つまり「綺麗好きを表す」言葉として 「牛症」もあり得る訳ですね。
和語(やまとことば)がきてもおかしくないと考えたわけです。
それで、いろいろ調べるを進めると「鬱症」の可能性がまた高くなりました。
えっ、そうなんですか?
>仙波
そう考えた方が説明しやすいんです。
こちらの言葉をご覧下さい。
「気鬱症(きうつしょう)」
「気分が滅入る」「気がふさぐ」という事。
ここから「鬱症(うつしょう)」になったのではないか。
「鬱(うつ)」という字が難しいし、馴染みのない言葉。
そこで、身近にいた、清潔好きの牛を「うつ」に結びつけたのではないかと思う。
まとめると「うっしょう」の語源は 「牛性」という可能性もあったが、よく考えると「鬱症」から来たものということですね。
それだけ昔の人にとって牛が身近にいたということです。
視聴者からの情報(放送中には紹介できませんでした)
- (神山町66歳・女性)
神山で「うししょう」は、自分のもの(身に着けているものや、部屋)がきたなくても、自分はきれいと思っていて、他人がきれいにしていても、きたないとか少しよごしただけで、きたないとか触りたくないという言う人の事を指します。- (石井町に勤務する56歳女性)
石井町でも「うししょう」を使っています。
「うっしょう」ではわかりませんでした。
「私はうししょうやけん、人と同じ皿をつつけん」という風に使う。- (神山町・73歳男性)
自分のことはだらしないのに、他人に対してだけ異常に潔癖な人の事を「うししょう」と言う。
牛を買い換えたときに前の牛が使っていた餌箱では餌を食べない。きれいにしないと牛は食べないことから「牛性」と聞きました。- (阿南市・男性)
阿南市福井町では「かんしょう」、「かんしょうやみ」と言います。