2000/10/26
徳島の20世紀 38回
消えてゆく伝統芸能・行事
(スタジオ)
徳島の20世紀、38回目のけさは、
消えてしまったり、あるいは
まさに消えようとしている
徳島の民俗芸能や伝統行事に焦点を当て
四国放送がこれまでに制作してきた
古いフィルムをご紹介しながら
原因や背景を探ります。
一方、こうした伝統芸能や行事を
保存・記録し復活させる方法も考えていきたいと思います。
スタジオには
郷土史や芸能史がご専門の
四国大学助教授、大和武生さんにお越しいただいております。
それではまず最初は箱廻しの三番叟です。
四国放送が1967年(昭和42年)に制作したものです。
(VTR)
四国放送「阿波の芸能北南」
(スタジオ)(大和先生へインタビュー)
次にご紹介するのは
珍しいお田植え式のフィルムです。
年代はわかりませんがこの行事が
昭和30年代の初め頃で途絶えたということですから
私が生まれる前には、既になくなっていたことになります。
(VTR)
四国放送ニュースフィルム 昭和30年代
徳島市の徳住橋を籠に揺られて行くのは
芸者の一段です。
目指すは住吉神社。
住吉神社では毎年、田植え時に神社の水田で
芸者を招いて賑やかにお田植え式を行い
珍しい行事として知られていました。
四国放送でも再々取り上げました。
このフィルムも昭和30年代初めの頃と思われますが
住吉神社が社殿を建て替える際、水田を売ったため
この粋な行事も消滅してしまいました。
(スタジオ)(インタビュー)大和先生へ
さて、次は1971年(昭和46年)から
途絶えてしまった天神祭りの船渡御です。
四国放送が1960年(昭和35年)7月25日に
撮影したフィルムからご紹介しましょう。
(VTR)
四国放送ニュースフィルム 昭和35年7月25日
徳島市天神社の夏祭りは毎年7月25日の夜、
新町川筋で行われました。
天神社からみこしを担いで春日橋の船だまりから船に乗せ
夕闇と共に船渡御が始まります。
みこし、神楽、芸妓船など十数隻が新町川を
ゆっくりと進みます。
両国橋の人混みをごらんください。
このように賑わった船渡御ですが
船の調達が困難になったため
昭和45年を最後に途絶えてしまいました。
(スタジオ)(インタビュー)大和先生へ
さて、次にご紹介するのは
海部郡の由岐町で歌われていた「亥の子唄」です。
かつて屋敷の地盤造りの際に
地突き石に数本のロープをかけ
労働歌として面白おかしく唄っていたもので
昭和10年前後まであったそうです。
四国放送が1969年(昭和44年)に制作した
「ふるさとの唄」という番組の中で
由岐町に古くから伝わる「亥の子唄」を
再現しています。ごらんください。
(VTR)
四国放送「ふるさとの唄」1969年より
(スタジオ)(インタビュー)大和先生へ
さて、これまでは
消えてしまった、あるいは風前の灯火となっている
民俗芸能や伝統行事を見て参りましたが
次は、これらを何とかして復活させようと
努力している人たちをご紹介しましょう。
徳島市国府町芝原の
「箱廻し『三番叟、えびす舞』を復活する会」では
来月3日、県郷土文化会館で開かれる
伝統芸能フェスティバルに出演するため
猛練習をしていました。
(VTR)
代表・辻本一英さん
(スタジオ)(インタビュー)大和先生へ
次にご紹介しますのは海部郡海南町の場合です。
海南町では消えてゆく文化遺産を後生に残そうと
精力的に取り組んでいます。
(VTR)
海南町教育委員会 教育長・岡田一郎さん
この日、海南町、海部川の上流小川地区に
海南町教育委員会の池内実さんら三人のスタッフが
取材に訪れました。
伊澤琢美さんは、幼い頃母がよく口ずさんでいた
労働歌の「梅づくし」を覚えていました。
二台のビデオカメラで撮影し、一人が丹念に記録します。
海南町教育委員会では
これまでにえびす舞や木出し唄、亥の子唄、
伊勢節、巡礼子守歌など既に20本以上を
記録保存しています。
(スタジオ)(インタビュー)大和先生へ
海南町の記録・保存活動の中から
伝統行事の「虫おくり」が復活しました。
海南町小川の樫ノ瀬地区で今年6月、
伝統行事の「虫おくり」を収録したのを機会に
40年ぶりに完全復活させたものです。
海南町教育委員会が制作した「虫おくり」の
ビデオを一部ご紹介しましょう。
なお、ナレーションはこちらでつけました。
(VTR)
「虫おくり」は
稲の害虫を追い払って豊作を祈願する伝統行事です。
平家の武将、斎藤別当実盛は、木曽義仲との戦いで
稲につまづいて討ち死にしたため
怨霊の害虫となって稲を食い荒らすという伝説があります。
まず、実盛の霊をなぐさめた後、
地区の人たちは田植えの終わったあぜ道を
鉦と太鼓を打ちならし、呪文を合唱しながら
一列になって歩きます。
さいとこ、べっとこ、うってんとん
いーねのむーしゃ
とぉさぁーいけ
さいとこ(斉藤)べっとこ(別当)うってんとん
いねのむしゃ(稲の虫は)
とさいけ(土佐へ行け)
最後に、海部川に笹を流して
「虫」を送り出しました。
(スタジオ)
(インタビュー)大和先生へ
まとめ