遠藤
社会の高齢化が進む中、福祉・介護サービスの重要性は、今後いっそう増してきます。
宗我部
しかし、近年、介護施設や訪問介護の現場でお年寄りの世話をする職員の数が不足しています。
遠藤
今朝は、介護の人材不足の現状をリポートし、その対策について考えていきます。
佐久間
まずは、介護を必要としている人の数が、今後どうなっていくかを見てみましょう。
平成16年の時点で、要介護認定を受けている人の数は、およそ410万人でした。
この数は、平成26年には600万人から640万人に達すると予想されています。
遠藤
10年の間に1・5倍に増えるというわけですが、そうなると、介護する人も同じように増やす必要がありますね。
佐久間
はい、介護施設や訪問介護の現場で働く人の数は、平成16年の時点で、およそ100万人でしたので、サービスの質を落とさないためには、平成26年には150万人前後の介護職員が必要になる計算です。
宗我部
しかし、現場では、介護にあたる人材を集めるのに苦労しています。
(VTR@)
吉野川市にある特別養護老人ホーム「水明荘」には、要介護度1から5までのお年寄りが、ショートステイを含めて、85人から90人入所しています。
介護と看護にあたる職員は常勤換算で、合わせて36・4人です。
介護福祉士の宮崎春香さんは勤務6年目。
施設内の介護グループのリーダーの一人です。
(音生かし)
介護職員の仕事は「食事」「排泄」「入浴」といった基本的な介助から、毎日の健康状態の確認、ベッドから車椅子への乗り移り、寝たきりの方の体の向きを換えるなど
生活のあらゆる面に及びます。お年よりは、体の状態などが一人一人ちがうので、その人に合った介護を行う必要があります。
(音生かし)
介護の現場では、予定にない出来事も頻繁に起こり、職員には臨機応変な対応が求められます。
(音生かし)
職員は、ただ機械のように仕事をするのではありません。お年寄り一人一人の話を聞き、できるだけ意見を尊重しながら、介護をしています。
(音生かし)
厚生労働省の基準によると特別養護老人ホームでは、入所者3人に対し1人以上の介護職員または看護職員を配置することになっています。
全国平均は、およそ2・4人に対して一人で、一見、職員の数は足りているようですが、現場の実情は違うようです。
(音生かし)
人が足りないと、一番にしわ寄せが来るのが入所者とのコミュニケーションです。
レクリエーションは、入所者とじっくり話ができる大事な場ですが、職員の余裕が乏しい現状では、なかなか時間が取れません。
(音生かし)
一方、こちらは徳島市の、訪問介護などを行う事業所「ホームケアべんり堂」です。
訪問介護員は30人ほどで、およそ100人のお年寄りの世話をしています。
訪問先のこちらのお宅は、寝たきりの70代の女性と80代の夫の二人暮らしです。毎日、朝昼晩に二人の介護員が訪れ、健康のチェックや体の位置を換えるなどの介護を行っています。
住み慣れた自宅で暮らしたいと考えるお年寄りにとって、専門知識を持った介護員は、頼りになる存在です。
しかし、パートタイムの職員が多い訪問介護の分野では人材不足は、より一層深刻です。
徳島公共職業安定所では、今年10月、介護関係の、常用的パートの求人が40人分あったのに対し、求職者はわずか7人で人の需要に供給がまったく追いついていません。
(音生かし)
(スタジオ)
佐久間
また、既に介護の仕事についている人が仕事を離れる率、離職率も、昨年度はすべての労働者の平均より多い20・3%にのぼりました。
遠藤
職を離れる理由の一つには、介護職員の不足からくる重労働があります。
転職した経験のある県内の介護福祉士の女性にお聞きしました。
(VTRA)
こちらの20代の介護福祉士の女性は以前、一年間、県内の施設に勤務した経験があります。
(インタビュー)
何よりも心苦しかったのは、入所者と関わりながらの介護ができなかった事です。
(インタビュー)
(スタジオ)
遠藤
誤解しないでいただきたいんですが、この方が勤めていた施設は、福祉の高い志を持った方が大勢いて、上司の人が率先して働くような所だったそうです。
そんな施設でさえ人手が足りないばかりに、ていねいな介護をしたくてもできない事もあるのが現実なんです。
(感想)
佐久間
スタジオには全国老人福祉施設協議会の主任専門員で、国の社会保障審議会介護保険部会の委員も務めている桝田和平さんにおこしいただいています。
桝田さん、県内の色んな施設からも「介護の人手が足りない」という声は聞こえてきますか。
桝田さん
(解説)
遠藤
なぜ、介護の現場で人手不足が起きているんですか。
桝田さん
(解説)
@ 少子化
A 景気が良くなった
B 給与
遠藤
給与について、もう少し詳しく教えていただきたいんですが、介護職員の給与は他の職業と比べて低いんでしょうか。
桝田さん
(解説)
・ 他の労働者の6〜8割
遠藤
介護は、社会に欠かせない重要な仕事なのにどうして、介護職員の給与が低いんですか。
桝田さん
(解説)
・ 介護報酬の切り下げ
宗我部
介護福祉士の資格が取れる専門学校や、介護の勉強ができる短大などは、このところ軒並み定員割れになっています。
(VTRC)
四国大学短期大学部の生活科学科
生活福祉専攻は、介護の現場で活躍する介護福祉士を数多く送り出してきました。
ところが、5、6年前から入学者が定員を下回るようになり、おととしには定員を80人から50人に減らしました。
(音生かし)
また、介護福祉士を養成する専門学校でもここ2年ほどの間に全国的に入学者が減っていて、ほとんどの学校で定員の6割ほどにしか達していません。
(音生かし)
それでも、介護の世界で働きたいという志を持った若者は決して少なくありません。
こちらの特別養護老人ホームには専門学校の2年生の皆さんが来年の卒業を前に、実習に励んでいました。
(音生かし)
(スタジオ)
遠藤
桝田さん、介護施設や訪問介護の現場で働く人の待遇を良くしようというような国の動きはないんですか。
桝田さん
(解説)
遠藤
施設の協議会として、現場の人不足解消のためどういう取り組みをしていきますか。
桝田さん
(解説)
遠藤
今朝は、全国的に問題になっている介護職員の不足についてお送りしました。