(VTR)
知的障害をともなう「ダウン症」と闘う阪野翔生さん。
鹿児島県・徳之島で開かれるトライアスロンに、おととし、去年と出場しましたが、いずれも制限時間内に完走することはできませんでした。
そして20歳の今年3度目の挑戦です。
(スタジオ)
おはようとくしまでは、阪野翔生さんの挑戦を取材してきました。
ダウン症という障害は多くの場合、生まれつき知的障害をともなって体も病弱になりがちといわれています。
大会の様子をカメラが追いました。
その逆境の中4年前から お父さんと始めたのが、トライアスロンです。
徳之島の大会は、水泳2キロ、自転車90キロ、マラソン21キロの過酷なレース。
阪野親子の3度目の挑戦をカメラが追いました。
(VTR)
阿南市羽ノ浦駅のすぐ近くに翔生さんが働いているパン屋さんがあります。
翔生さんの働く場所を確保しようと去年1月、お母さんがオープンさせました。
翔生さんは、お父さんが勤める会社に入社。
このパン屋さんに出向する形で、給料は会社から出ています。
働き始めて1年半、すっかり慣れた手つきです。
他のスタッフとも協力してうまくやっているようです。
(音トリキリ)
こちらが翔生さんの自宅です。
阪野さんは6人家族。
両親とおばあさん、そして高校生の弟が2人います。
お父さんが会社から帰ったらトレーニングが始まります。
去年の大会で、自転車の制限時間をオーバーしてしまった翔生さん。
トレーニングには去年の2倍以上の時間を費やしてきました。
今年こそ完走する。
強い決意で望みます。
前と後ろにギアがありますが、翔生さんにとって適切なギアを選ぶのは難しいことです。
このためレース中は、お父さんが声で指示します。
(音トリキリ)
大会が行われる徳之島は、鹿児島と沖縄の間にある島です。
大会に出場する以外にも翔生さんが、楽しみにしていることがありました。
トライアスロンで知り合ったある人と会うことです。
古代真琴さん。
トライアスロンに出場し続けている東京在住のミュージシャンです。
3年前、翔生さんを応援する曲を書きました。
(音トリキリ)
古代さんが、翔生さんのために書いた曲 「空」。
苦しい挑戦も喜びにかえてくれる前向きな明るい曲です。
(ポーズ)
大会当日の朝6時半、阪野親子が会場にやってきました。
翔生さんは あくびを繰り返していました。
よく寝られなかったのでしょうか?
(音トリキリ)
そこに頼もしい応援団が登場。
パン屋さんのスタッフとお母さんです。
(音トリキリ)
3回目の出場ともなると翔生さんはすっかり有名人。
いろんな人から声をかけられます。
こんな人とも知り合いました。
映画やテレビなどでおなじみ俳優の峰岸徹さん。
この大会の常連です。
いよいよスタートの時が迫ってきました。
(音トリキリ)
午前8時 スタート。
まずは2キロの水泳です。
去年までは集団に巻き込まれないよう最後尾から出発しましたが、水泳に自信が付いた今年は、中盤に位置を取り、最初から飛ばしました。
(ポーズ)
1キロ沖を折り返した選手は、ゴールの浜辺を目指します。
そして2人が帰ってきました。
水泳のタイムは52分44秒。
去年より10分短縮しました。
次は自転車、着替える時間もタイムに含まれます。
ここから90キロにもおよぶ長い道のりです。
去年タイムオーバーしてしまった自転車。
序盤から飛ばしていきます。
沿道では、地元の人たちが応援してくれました。
そして去年知り合った障害者支援施設のみんなも応援に駆けつけてくれました。
みんなの声援に応え快調に駆け抜けます。
ところが 上りがきつい山岳区間に差し掛かった時でした。
(音トリキリ)
急な上りでは、軽いギアに替えていかなければ止まってしまいますが指示がうまく伝わりません。
翔生さんにむかってお父さんが声を荒げました。
(音トリキリ)
かなり苦労しましたが、上りの区間を止まらずに乗り越えました。
(ポーズ)
(音トリキリ)
これがレース中 お父さんが、取材スタッフに初めて話した言葉。
よほど調子がいいのでしょう。
上り坂で1人追い抜きました。
(ポーズ)
残りあと5キロ、ハイペースで飛ばしてきましたが疲れもみせず漕ぎ続けます。
そして いよいよ自転車のゴール。
制限時間まではまだ35分以上あります。
(ポーズ)
自転車をクリアしたと思った矢先、固定式のペダルから足をはずすのが遅れてしまい転倒してしまいました。
ケガはしなかったしょうか?
さっきの転倒で自転車が故障し、後ろのタイヤが回りません。
(音トリキリ)
そしていよいよ最後の競技マラソンです。
制限時間まで3時間15分以上あります。
21キロの距離がありますが、これなら余裕をもってゴールできそうです。
(ポーズ)
ゴールまであと6キロ、翔生さんの足どりが重くなってきました。
ただ お父さんとつないだ手が、翔生さんを励まし前へと導いていました。
そして目の前に見えてきたのは、青い海。
去年 通ることのできなかったあのポイントまでもうすぐです。
犬の門蓋(じょうもん)徳之島で最も美しいと言われる海岸です。
しかし 翔生さん 相当疲れていたのでしょう、景色を見る余裕もありません。
あともう少し、がんばれ翔生さん!
(ポーズ)
スタートから8時間近く過ぎた終盤、翔生さんは軽い脱水症状をおこしていました。
(音トリキリ)
制限時刻まで5分をきりました。
2人はゴール会場にたどりつきましたが、歩くことしかできません。
(音トリキリ)
みんなの声援を受けた翔生さんトラックに入って再び走り出しました。
最後の力を振り絞ってラストスパート。
がんばれ 翔生さん!
そしてついに!
タイムは8時間18分55秒
制限時間ぎりぎりでしたが、念願の完走です。
(音トリキリ)
レース後、古代さんのライブのステージに翔生さんの元気な姿がありました。
(音トリキリ)
ひとつの夢をかなえた阪野親子。
しかし 立ち止まらずにまた次の夢に向かいます。
(ジングル)
(スタジオ)
(感想)
けさは 徳之島トライアスロンに挑戦した阪野翔生さんを紹介しました。