(VTR)
ことし元日のサッカー天皇杯決勝戦は、1点を争う好ゲームとなりました。
この試合を浦和のベンチで見つめるひとりの選手がいました。
徳島商業出身のフォワード 黒部てるあき。
去年セレッソ大阪から移籍してきました。
黒部は2002年、同じ天皇杯で京都サンガを優勝に導いたエース。
日本代表にもこれまで、5度選ばれたストライカーです。
しかし、浦和では出場機会に恵まれず公式戦出場はわずか13試合で 得点ゼロ。
先発出場は一度きりでした。
インター 黒部
もっとやれたんじゃないか
監督にもっと使って
活躍の場を求めて黒部はことし「 ジェフ千葉 」に移籍。
リーグ優勝の即戦力と期待されました。
オシム監督
50点とってくれ
でないと意味がない
しかしチームは開幕から低迷、黒部は先発からはずされます。
黒部
選んでもらえない
何が足りないのか考えた。
そんな中、あらたなアクシデントが、トレーニング中のケガです。
試合復帰は、さらに遠のきます。
黒部
このままではプロの資格ない
復活にかける県人Jリーガーをカメラが追いました。
(VTR)千葉県市原市
ジェフ千葉は去年、ナビスコカップで2年連続優勝を果たしたもののリーグ戦では 11位とふるいませんでした。
リーグ戦制覇にむけたことし、千葉は9人の選手を補強しました。
黒部には、ライバルふたりとのポジション争いがありました。
ひとりはジェフのエース 巻 誠一郎。
2005年から3年連続で、日本代表に選ばれた長身ストライカーです。
もうひとりは、新居たつのり
去年J2鳥栖で、日本人最多となる23得点をあげた俊足フォワードです。
選手に求められるのは、一人が複数のポジションや役割をこなすこと。
的確な判断力に加え高い運動能力が求められます。
日本代表選手を選ぶ基準が、千葉のスタイル。
なじめば、黒部の日本代表復帰も可能です。
インター 黒部
調子はいい、
楽しい
2月24日 甲府戦 フクダ電子アリーナ
シーズン開幕まで1週間、最後の調整となる練習試合です。
1月末から20日間におよぶ海外キャンプで、アピールし続けた黒部選手。
ここでも結果を出して、先発メンバー入りを狙います。
攻撃の起点は、黒部です。
マークをはずしディフェンダーの裏へ・・・抜けます
黒部得点
去年のうっぷんを晴らすかのようなファインゴール。
あとは開幕をまつだけです。
アマル・オシム監督
50点とってほしい、それ以下では意味がない
黒部個人に期待しているのでない。
黒部がチームに、いい影響を与えるように
1月4日徳島市
ことし元日の天皇杯のあと、黒部は徳島に帰りました。
半年ぶりのふるさとです。
帰るたび地元の小学生らを招いて大会を開いています。
このフットサル場は、小さい頃からボールに触れてもらおうと、黒部選手がつくったもの。
オープンからもうすぐ2年です。
浦和での去年1年間。
それは黒部のサッカー人生のなかで最も長い、一年でした。
インター黒部
苦しかった1年
浦和レッズはおととし、ガンバ大阪にリーグ優勝をさらわれ、去年はその雪辱に燃えていました。
タレント軍団と呼ばれる浦和の選手層の厚さはリーグ1。
そこに元日本代表 黒部の加入で、チーム力は更におおきなものとなり、浦和はリーグ優勝の筆頭にあげられました。
黒部の最大の武器は、強力かつ性格なシュートと高いヘディング。
黒部の入団と同時にチーム内では、ポジション争いがより一層激しさを増しました。
ブッフバルト監督
黒部は練習から気持ちの入ったプレーを見せている
もし出場のチャンスが与えられたら必ず結果を見せてくれると思っている
高い評価は得ているものの、外国人フォワード二人をたてるチーム戦術から黒部は出場機会に恵まれません。
去年1年間で、公式戦出場はわずか13試合。得点ゼロ。
先発出場は一度きりでした。
黒部インター
もっといけるんじゃ・・・
監督もっと使ってくれ
努力が報われる世界じゃない
いい勉強させてもらってる
黒部はことし29歳。
選手としてはもうベテランと呼ばれています。
「自分はあと、どのくらいサッカーを続けられるんだろう 」
その答えは、今シーズンが終わったあと、分かります。
黒部インター
チームのため
1分でも多く試合に出たい
監督にみとめてもらいたい
名古屋市瑞穂陸上競技場
3月、いよいよシーズン開幕です。
初戦は敵地 名古屋。
千葉の新しいストライカーに、サポーターは、熱い視線を送ります。
インター
サポーター
黒部選手
練習がんばってたから
チャンスは前半18分、黒部、飛び込んだ。
得意のヘッド。しかしキーパーはじいた。
入ったとのアピールは、認められません。
黒部はその後も点にからもうとします。
43分。
中盤につないで右サイドへ、巻!
しかしポストです。
千葉はその後も攻め続けますが決まりません。
そして黒部は後半26分、新居にあとをゆずります。
その5分後、クリアボールを拾われ、名古屋に先制されてしまいます。
その後も追加点を決められ、試合は 0対2。
開幕勝利にむけもてる力を注いだハズの、3か月でした。
黒部インター
手応えはあった
結果もでればよかったが
もう終わったこと
次にいかないと。
しかし、黒部は次の試合から先発をはずされ、控えにまわります。
結果の出しづらい途中出場。
しかし道はこれしか、ありません。
チャンスが訪れたのは、4月4日のガンバ戦でした、0対0で迎えた後半35分、疲れの見える巻にかわって黒部が入ります。
そしてその3分後。
黒部のヘッド。
公式戦ゴールは、おととし12月以来、復活へのノロシが、ようやくあがりました。
黒部インター
巻がいて、なかなか
きびしかったが
ようやく結果が出た
いいアピールにもなった
しかしその4日後のリーグ戦。
黒部がピッチに呼ばれることは、ありませんでした。
少ない出場機会のなかでたぐりよせた勝利。
プロになって7年。
これまでは、結果がすべての世界でした。
黒部インター
選ばれない、
何かが足らない 考えた
そんななか、あらたなアクシデントが。
トレーニングで足のふくらはぎが、肉離れを起こしてしまいました。
試合からは、ますます遠のきます。
つかんでは切れる、復活の糸口 。
黒部
この年になると厳しい
試合にかかわっていかないと
このままではプロの資格ない
(VTR)
先月23日 千葉
この日はホームに4位アルビレックス新潟を迎えます。
チームはこれまで2連勝、先発に、黒部の名前がありました。
開幕戦以来、実に16試合ぶりです。
今シーズンのリーグ戦
34試合のうち、もうすでに、半分が終わっています。
毎日を懸命にいきる人間にほど、むずかしい課題があたえられるものだと、ひとはいいます。
それに打ち勝ったとき、苦しみは、たとえようもない喜びにかわるからです。
厳しい環境こそ、あすを生きる糧、乗り越えれば血となり、骨となります。
試合は0対0で折り返した後半、新潟が反撃、千葉はついにゴールを割られます。
下位グループ脱出の願いを砕く、痛い一撃です。
後半31分、
ベンチは黒部に新居(あらい)との交代を命じました。
千葉は後半終了間際に1点を返したものの、1対2で、新潟に敗れました。
オシム監督
きょうの試合は、サイドからセンタリングを入れた方がチャンスがあると思い新居よりは黒部を入れた。
実際チャンスもあったが、それをいかせなかった
黒部インター
点にからみたかった
久々であったし
くやしい
こころに今、思うことを言葉にしてもらいました。
努力
「 月並みですが 」と控えめでした。
黒部インター
まだ努力足りない?
終わることはないので
復活への挑戦は続きます。