ここに一枚の写真があります。
ある小学校の授業風景です。
子どもたちの笑顔が光っています。
でも、何かが足りないような気がしませんか?

そうです、机が人数分揃っていなくて
ご覧のように椅子の上で読み書きしている子どももいます。
今から10年ほど前、お隣の国、中国の話です。
この状況を何とかしたいと、
個人で机や椅子を学校に贈る活動を始めたのが
きょうのゲスト、落語家の笑福亭学光さんです。
学光さんは、阿南市羽ノ浦町の出身で
もともと銀行に勤めていたのを辞めて
笑福亭鶴光師匠のお弟子さんになったという異色の経歴の持ち主です。
それにしても、「学光が学校を贈る」って洒落た話ですね・・・
(学光)
ラジオ番組「土曜ワイド徳島」で中国に学校のない地域があること、
自分で手が届く範囲の資金で学校を寄付できる事を知ったのがきっかけです。
そんな学光さんが学校支援として最初に関わったのが今から12年前のこと。
場所は、中国のチベットでした。
(VTR)
ご覧いただいているのが、当時の様子ですね。
大草原の中にポツンと建っていますが、テントみたいですね。
(学光)
パオ式と呼ばれるもの。
教室と職員室で2張り、結構広い。

費用はどれくらいしましたか?
(学光)
24万円ほどです。
これで、先生が通うために使う馬まで買える。
チャリティ落語会などを開いて貯めました。
最初に援助したチベットの小学校ですがその後大変なことになったそうですね。
(学光)
理由はわからないが、2年後には軍隊の武器庫になっていた。
支援の形も考え直さないといけないと思いました。
(スタジオ)
そんな時、学光さんは北京の南西に位置する神南(じんなん)小学校の存在を知ります。
農村部にある貧しい地域の学校で、先ほど紹介した写真も実は神南小学校で10年前に写したものでした。
どんな援助をしようと思ったのですか?
(学光)
とりあえず、椅子と机を贈りました。
最近は、物だけでなく交流の面が大きくなり、援助の形が変わったと思います。
そうして始まった神南小学校との交流はことしで10年目。
先日学光さんは、ある趣向を用意して神南小学校を訪ねました。
そして、それは ひとつの決意を胸に秘めての旅でもあったのです。

(VTR)
学校さんが神南小学校を訪ねるのは96年に援助を始めて以来実に7度目のことです。
今回、学光さんにはぜひ実現したいことがありました。
それは本物の阿波踊りを中国の子どもたちに見てもらうこと。
そのために募ったボランティアは学光さんの家族を含めて15人。
その中には、阿波踊りの名手、四宮賀代(しのみやかよ)さんの姿もありました。
*インタビュー
神南小学校までは北京から車で4時間ほどかかります。
急ごしらえの阿波踊り連にとって、ここが貴重な打ち合わせの場所です。
*移動中のバスで踊りの打ち合わせ
神南小学校のある地域に近づいてきました。
以前はデコボコだった道路が、きれいに舗装されています。
中国のめざましい経済発展の現われなのかもしれません。
ようやく到着しました。
ここが旅の目的地、神南小学校です。
神南小学校は生徒数約370人。
農村部としては比較的大きな小学校です。
教材や運動用具などは以前より整備されたものの、
もともと貧困にあえぐ地域のため、遊び道具などは十分揃っていません。
それでも子どもたちは生き生きとした表情で毎日を暮らしています。




学光さんが神南小学校に贈った、あるものが保管されているというので見に行ってみました。
*贈った楽器は箱の中にあった
今は、使われていませんでしたが来年から再び鼓笛隊の練習を始めるそうです。
机や椅子、楽器などモノを贈ることから始まった学光さんの学校支援ですが、
次第に心の交流へとテーマが変わってきました。
今回の阿波踊りもそのひとつです。
実はこの日、学光さんは一つの決意を胸に秘めていました。
10年目を迎えた今年を区切りに神南小学校への支援を終了しようと思っていたのです。
そのこともあって、今回は何としても子ども達にふるさとの阿波踊りを見せたかったのでした。
*「はなしか連」の踊り
*四宮賀代さんの踊り
阿波踊りは、みんなで踊ってこそ楽しいもの。
校長先生たちを誘うと、乗ってきました。
先生たちのユニークな踊りに子ども達は大うけです。
これをきっかけに、皆が次々と輪に加わり中国の地に阿波踊りの大きな渦ができました。
子ども達も実に楽しそうに踊っています。
*子ども達が加わっての踊りの様子

阿波踊り終了後は、子ども達が楽しみにしていた、くじ引きの時間です。
景品は協賛企業から提供してもらったお菓子やポールペンなど。
小学校を訪れる前日にボランティアのみんなで袋詰めしました。
*景品を渡し、喜ぶ子ども
この地域の子どもたちには、ささやかなプレゼントでも大きな喜びです。
スケジュールの都合で、わずか4時間の短い滞在でしたが、
念願の阿波踊りも実現できて満足のいく学校訪問となりました。
*ボランティアスタッフの感想
*学光さんの感想
(スタジオ)
と、いうことで学光さん。
10年で一区切りつけようと思ったのが、止められなくなったのですね。
(学光)
そうです。
子ども達の顔を見たら、また行きたくなった。
確かに、子ども達の表情がすごくいいですね。
無邪気というか、素朴というか、現代の日本とは何かが違う気がします。
貧しさやモノのない苦労はもちろんあるでしょうが、
子どもが子どもらしく暮らす環境が残っているのかもしれませんね。
スタジオには、学光さんの今までの交流の様子を記録した写真パネルをお借りしてきました。
*卓球と縄遊びしている学校の様子。遊び道具がなかった

*授業風景 机が寄贈されて、子ども達がそこで勉強している

*手品 学光さんができること、中国語を操れなくても、何か楽しいものをとやってみた

*鯉のぼり お互いの文化を理解する事が大事だと考えて持っていった

とりあえず、10年では止められなくなった学光さん。
今後はどうしていきますか?
(学光)
自分の都合のつく時に、できる限りのことをしていきたい。
今回はご紹介できませんでしたが日本の小・中学校から神南小学校に
手作りのしおりやカレンダーを贈る活動も始まっています。
そういう学校同士の交流も今後、盛んになっていけばいいですね。
(学光)
そう思います。
けさは、中国の学校を支援して10年。
笑福亭学光さんにお話をききました。
ありがとうございました。
(写真などは後日に更新します)