(VTR)
先週、大阪・寝屋川市の小学校で起きた教員刺殺事件。
母校を襲った17 歳の少年は犯行の動機について
「小学校時代にいじめにあった際、担任が助けてくれなかった」と供述しています。
防犯カメラやインターホンなど4年前の大阪池田小学校の事件以来、
学校現場は様々な安全対策を講じてきました。
しかし、今回の事件は不審者の侵入を完全に防ぐことができない現実を示し、
学校の危機管理に新たな課題を突きつけています。
(スタジオ)
今朝の[おはようとくしま]は、大阪の教員刺殺事件を受けて
学校の安全対策を改めて考えるとともに
犯罪を起こした17歳の少年の心の闇を探っていきたいと思います。
スタジオには2人のゲストをお迎えしています。
徳島文理大学教授で犯罪心理学が専門の笠井 達夫先生です。
先生は、東京鑑別の元所長でもあります。
そして鳴門教育大学助教授で教育政策が専門の石村 雅雄先生です。
まず、笠井先生、犯罪を起こした17 歳の少年は今はどんな心理状況と推測されますか?
平然としていると思う
罪の意識より、達成感が大きいと思う
鑑別所で重大事件を起こした少年を見てきたが多くはケロっとしていて、食事もとる
罪の意識が出るのはもっと後…
今回の事件について、まず街頭で意見を聞いてきました。
(VTR)
(スタジオ)
学校の安全を守るには、今ままで以上に一体何をすればいいのか?
その答えがわからないというのが正直な町の声でした。
今回事件が起きた大阪の小学校も防犯カメラ付きのインターホンなどが設置されていまして
不審者対策に積極的に取り組んでいた学校でした。
こちら見てください。
これは平成14年に文部科学省が作成した学校の危機管理マニュアルなんですが、
これをもとに事件のあった学校では防犯訓練なども行われていました。
そして、刺されて亡くなった先生はこの危機管理マニュアルに沿って、実は今回も行動を取っているんです。
こちら見てください。
これはマニュアルの中で緊急事態が起きたときの対応を表にまとめたものなんですが…
学校に関係者以外の人間が来た場合、まず不審者かどうかチェックして、正当な理由がなければ退去を求めます。
今回も少年が最初に訪ねて来たとき「目的の担任はいない」として学校側は立ち入りを拒否しています。
しかし、再び侵入してきたので亡くなった先生は危害を加える恐れがあるかどうかチェックしました。
そこで危険と判断して職員室ではなく、運動場のほうへ連れて行こうとしたわけです。
これがここにある「隔離」にあたるわけです。
しかし、この最中に先生は後ろから刺されてしまいました。
その後の学校の対応もマニュアル通りで子どもの安全を守るために運動場に避難誘導しています。
石村先生、防犯対策が進んだ学校での今回の事件、どういう感想をお持ちですか?
1)マニュアルは、いい物ができているが危機意識がちゃんとあるか?
2)共有できているか?
3)訓練ができているか?
笠井先生、まず最初に不審者かどうか見極めるのも難しいと思うんですが?
今回の事件も現象面で言えば「いきなり型」…
犯罪歴・非行歴があるわけでもなく、「普通の子」がいきなり…
ここ10年、目立ってきた現象→今回は見極めるのは難しかったと思う
さて、県内の小学校が今、どんな安全対策をしているのかこちらにまとめてみました。
県内の公立小学校は228校あるんですが、(国立校や私立校を除く)
先ほど紹介した危機管理マニュアルは228校、すべての学校が活用しています。
インターホンを校内ではなく、学校の出入り口に設置しているのというのは84校、
防犯カメラを設置しているのはわずか13校です。
そして侵入してきた不審者を取り押さえる「さすまた」を常備しているのは90校です。
「さすまた」はこういった風に先がふたつに分かれています。
不審者が入ってくるとこのように距離を置いて不審者を取り押さえようというものです。
この逆になっている部分は不審者の足を引っかけて倒そうというものです。
事件が起きた大阪の学校でもこの「さすまた」は置いてありまして、最後はこれで少年を取り押さえました。
今回は県警でこれ、お借りしてきたんですがパトカーにも乗せてあるそうです。
石村先生、県内の小学校のデータをどのように見られますか?
「開かれた学校」について…
閉じるばかりがいいわけでない
都市部との違い
さて、今回の事件を受けて県内の小学校ではどんな波紋が広がっているのか取材してきました。
(VTR)
徳島市の千松小学校です。
児童数はおよそ千人で県内で最大のマンモス校です。
平成14年度に「安全モデル校」に指定されて
これまで地域と一緒になって安全対策に取り組んできました。
>>関連ページ(どう守る 子どもの安全 2月3日)
子どもは全員「防犯ブザー」を携帯し校区内には「緊急通報装置」が7カ所設置されています。
さらに今年に入って地域住民らで「子どもを守る会」が組織され、
登下校時の見回りなどを行っています。
(インタビュー)
防犯訓練は年に1回、さらに夏休み中に教員だけの訓練も実施しています。
これまで「開かれた学校」と「安全対策」の両立を目指してきた千松小学校も今回の大阪の事件を受けて少し変化がありました。
(スタジオ)
千松小学校は「開かれた学校」を維持するために、できるだけ地域の住民と協力して学校に侵入する前にどうにかしようと対策してきました。
今では全国的にも先進校になってまして先週も奈良の学校から視察にやってきました。
奈良県は去年、下校途中の小学1 年の女の子が殺されるという事件がありましたよねぇ。
そうです。
そんな、進んだ千松小学校も今回は門に鍵をかけたり保護者の車を入れなくしたということでした。
学校の困惑ぶりが伝わってくる…
安全対策って…言い出したらきりがない
石村先生こういった学校の対応、仕方がないんでしょうか?
マンモス校なので仕方ない面もある…
さて、一方、県内の私立の小学校では「不審者をとにかく敷地内へ入らせない」という徹底した対策がとられていました。
(VTR)
徳島市の山城町にある徳島文理小学校です。
(リポート)
文理小学校では去年このフェンスをよじ登って男が学校に侵入しようとしましたがその前に取り押さえ、未遂に終わっています。
(リポート)
校内には学校に入ってくる人をとらえる監視カメラが設置されています。
職員室や管理人の部屋でモニターできるようになっていて録画もされています。
人や車が通るとこのような音が職員室に響きます。
これでモニター画面に目がいくようになっています。
その他、校舎の中には「竹刀」や「さすまた」などが置かれています。
また、不審者に吹き付ける特殊な防犯スプレーも用意しています。
(スタジオ)
とにかく不審者を中に入れない…それを徹底している
これだけ厳重な対策がしてあるとは知りませんでした。
しかし、学校の校長先生はそれでも「絶対ということはない」と
大阪の事件後、「鍵かけ」の徹底などを職員に呼びかけたそうです。
ここまで徹底した対策も、今の時代のひとつの答え」ではあるんでしょうねぇ。
そして今回取材中、学校の先生方に、いろいろとお話を聞いたんですけども
安全対策に頭を悩ましているだけでなく事件を起こした少年が「先生を恨んでいた」ということに非常に驚いているようでした。
笠井先生、卒業してから何年も経って、なお先生を恨むというとこがあるんでしょうか?
親と同じような愛情を先生に求める子どもが増えている
私だけに愛情を注いで欲しいとか、過剰な期待を持っている
→だから今回も先生が感じる以上に恨みを抱いていたのではないか
そういった子どもに共通する部分は?
社会に対する不満がある「反社会的」ではなく、「非社会的」というべきで、社会経験が非常に少ないのが特徴。
こういう子どもは人と接触する機会が少ない。
体は大人でも精神的に未熟…
感情優位で感情を抑えられない
今回の事件は学校の安全面だけでなく、少年犯罪という側面もあって今後、社会に大きな影響はを与えそう…。
さて最後に事件の再発防止にこれから何が必要か一言ずつお願いします。
けさは、大阪の教員刺殺事件を受けて学校の安全などについて考えました。
笠井先生、石村先生、どうもありがとうございました。