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災害現場を目指せ 救助ロボットの今
(VTR)
新潟県中越地方を強い地震が襲った去年10月。
キャタピラで動くヘビ型のロボットが被災地に持ち込まれました。
人が入れない倒壊した家屋などがれきの中で救助を求める人たちを捜すためカメラやセンサー、マイクなど様々な機能を盛り込んだレスキューロボットです。
(スタジオ)
今、災害などで倒壊した家屋での捜索活動に日本のロボット技術が投入され、実際に活躍しようとしています。
けさは災害現場での活動に向けて開発、研究が行われているロボットについて紹介します。
新潟中越地震の現場に持ち込まれたレスキューロボットには「IRS蒼龍(そうりゅう)」という名前が付いています。
このレスキューロボットを開発した神戸市のNPO法人を訪ねました。
(VTR)
神戸市中央区にある「国際レスキューシステム研究機構」は文部科学省が立ち上げた「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」により年間4億円の予算を投じ、災害時に人命救助を行うことを目的としたロボットの研究、開発を行っています。
国際レスキューシステム研究機構・田所諭会長(神戸大学助教授)
「『蒼龍』を重点開発している」
「来年度には災害現場に導入し、場合によっては活躍させることができると思う」
去年の春、開発された「IRS蒼龍」は最も実用化に近いレスキューロボットです。
長さ1・2メートル。
重さ14キロ。防水、防塵構造で本体に2つの関節をもっています。
40センチの段差をらくに乗り越えながら、倒壊した家屋の中で救助を求める人を探します。
たとえ、転んでも自分で起きあがることができるため場所を選ばず救助活動ができます。
蒼龍には高性能のカメラが取り付けられています。
このカメラがとらえた画像をパソコンのモニターで確認しながら救助を求める人を探します。
蒼龍にはもうひとつ目があります。
熱を画像でとらえることができるサーモビジョンです。
暗いガレキの中でも人の体温を頼りに捜索が行えます。
操作の仕方に改良を加え、早ければ来年度には実用化される見通しです。
「UMRS」は二本の腕を動かしながら、ガレキを乗り越え進むレスキューロボットです。
インテリジェントエアロロボットはカメラを搭載し上空から被災地の情報を迅速に集めます。
パソコンのマウスで簡単に操作がすることが出来ます。
このような様々なタイプのロボットを同時に使えば迅速な救助活動が行なえると開発者は話します。
国際レスキューシステム研究機構・松野文俊理事(電気通信大学教授)
「単体ではできることが限られているので、ロボットの得意分野を融合させ、システムとして動かすことが大事だと思う」
救助現場で働く事を目的としたロボットの研究はここ数年で急速に進歩しました。
きっかけは10年前の「阪神淡路大震災」でした。
国際レスキューシステム研究機構・松野文俊理事(電気通信大学教授)
「震災当時は神戸大学に勤めていたが、学生が瓦礫に埋もれて亡くなった。これが大きな転機になった」
「自分の持っている技術をベースに人を助けることはできないかと考え、レスキューロボットをポジションにした」
10年前に味わった無力感が研究の出発点です。
救助の仕方しだいでもっと多くの人が救えたはず。
思いをひとつに全国の研究者が協力し、開発を続けてきました。
今、夢はさらに大きくふくらんでいます。
「2050年くらいには、レスキューロボットの『国際救助隊』を作りたい」
「日本はロボット技術が得意ですから、世界貢献ができると思う」
近い将来、災害が起こったときガレキの中から私たちを見つけ命を救ってくれるのはロボットかもしれません。
(スタジオ)
まだ実際に捜索活動をしたことはありませんが、ロボットが災害現場で活躍する日は近いんですね。
「レスキューロボット」という言葉にもあまりなじみがなかったですがここまで研究されていたとは・・・
人が近づけない危険なところはもちろん、小型軽量で狭いところにもはいって行けます。
それに、操作も簡単で特別な訓練をしなくても使えるように開発されているんです。
実用化されると普及は早そう・・・
早ければ、来年度中の実用化が見込まれているということです。
助かる人が増えるなら、一刻もはやく現場で活躍して欲しいですね。
今年は阪神淡路大震災から10年という節目の年です。
おとといから神戸市では、「国連防災世界会議」が開かれています。
この中で国際レスキューシステム研究機構のロボットも展示されていて実際にロボットを動かすデモンストレーションも行われます。
あさって22日まで。(神戸国際展示場などが会場)
一般の方にも公開されていますので興味のある方は足を運んで見てください。
さて、救助ロボットに注目しているのは被災地、神戸の研究者だけではありません。
徳島でも大学の授業で学生達が「レスキュー」をテーマにロボットを作るなど関心を集め始めています。
(スタジオ)
徳島大学工学部の機械工学科では、授業で「レスキュー」をテーマに学生が組み立て式のロボットを作りそのできばえを競う競技会を開いています。
障害物をよけながら、ぬいぐるみを限られた時間内にどれだけ多く運べるかを競います。
どうして「レスキュー」というテーマに?
徳島大学工学部機械工学科・助手、日下一也さん
「去年、台風や地震など自然災害が多かった。学生も興味があるだろうと思い、今年はじめた始めた講座」
ロボットはレゴブロックで作られています。
このブロックにモーターやセンサー、コンピューターを組み合わせて作ります。
ロボットの動きはパソコンで簡単に設定することができます。
出来上がったロボットは形も、動きも様々です。
学生は「レスキュー」というテーマをどのようにロボットに反映させたのでしょうか。
「安全に救出できるように設計」
「やさしく救出できるロボット」
授業を担当する日下さんは、「レスキュー」というテーマにとりくんだことをきっかけに
災害現場でのロボットの役割に関心を持って欲しいと期待しています。
徳島大学工学部機械工学科・助手、日下一也さん
「将来、レスキューロボット、人を助けるロボットを作る分野で活躍する学生が一人でも輩出できればいいと思う」
(スタジオ)
授業では組み立て式のロボット実際のレスキューロボットとは随分違いますが学生が災害時のロボットの役割を考えるきっかけになりますね。
先生も期待していたように、きっとレスキューロボットに興味を持つ学生が現れるでしょうね。
若者が防災に関心を持つようにもなるかもしれません。
意義のある授業だとおもいますね・・・
この授業のほかにも徳島大学には毎年開かれている「レスキューロボットコンテスト」という競技会に参加している大学院生がいます。
(VTR)
徳島大学 工学研究科エコシステム工学専攻の大学院生岩野雅樹(いわのまさき)さんです。
岩野さんは神戸市で開かれているレスキューロボットコンテストに3年前から出場しています。
このレスキューコンテストは大規模都市災害における救命救助活動を題材として2001年に始まりました。
多くの人に防災に関心を持ってもらうことや次世代の研究者を育成することを目的としています。
岩野さんがロボット作りを始めたのは大阪府立高専時代。
機械好きだった岩野さんはロボットコンテストに毎年出場していました。
今でも兄の優樹さんらとともに活動をつづけています。
レスキューロボットを作り始めたのは?
「直接人間に関わるようなロボットなら、作り甲斐があると思う」
岩野さんは今年夏のコンテストに向けて新しいロボットの設計図を仕上げていました。
関西にいる仲間と連絡を取りながらアイディアや作戦をねっているところです。
(レスキューロボットを作るとき、心がけていることは?)
「実際の救助現場でアイデアが生かされるようなロボットを作る」
これまでコンテストでの最高順位は3位、今年は誰もが認める「レスキューロボット」を
作り上げて優勝したいと考えています。
けさはスタジオに岩野雅樹さんと兄の優樹さんにお越しいただきました。
おはようございます。
そして、こちらが岩野さんのレスキューロボット。
去年のコンテストに出場したロボットです。「OGR」
(ロボット軽く動かす)
このようなラジコンのコントローラーと同じもので操作するんですね。
「誰でもつかえることが前提ですので」
さて、彼らが参加しているレスキューロボットコンテストについて説明します。
コンテストでは離れたところからレスキューロボットを操縦し、瓦礫の中から人形を救出します。
救出作業にかかった時間や、人形に加えた衝撃の少なさなどをが評価して順位がつけられます。
岩野さん、このロボットの特徴は?
「すばやく、人形にできるだけ衝撃を与えない」
実際に動かしてもらいましょう。
今、人形がガレキの下敷きになっています。
ここからレスキューロボットがガレキをのけて人形を救出します。
(ロボットが人形を救助する様子)
・「救助モード」になると、重心を低く形が変わる
・やさしく抱き上げて収容する工夫
ありがとうございました。
(岩野さんにインタビュー・これからの夢)
岩野優樹さんは、春から教員。
岩野雅樹さんは、まず今年のコンテストで優勝すること。
岩野さんが作ったロボットは、ことし8月に神戸で開催される「第5回レスキューロボットコンテスト」に出場する予定です。
(神戸国際展示場で8月5日から7日まで・見学自由)
出場するロボットは、きょう見せてもらったものから改良を加えたものとなります。
実用化へ向けた、神戸のNPO法人によるレスキューロボット開発に比べると徳島の学生たちの取り組みは、今すぐ現場に生かされるというものではありません。
しかし、長い目で見ると試行錯誤が何年か先に実を結び、彼らが将来の技術を支えていくことも考えられます。
授業やコンテストをとおして若者たちが救助現場でロボットの役割に関心を持ち、これから徳島でもロボット研究が盛んになるかもしれません。
けさは、将来災害現場での活躍が期待されるレスキューロボットへの取り組みを紹介しました。
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