2004/03/22 No.8049
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bullet箱廻しを継ぐ>詳細

取材ゲスト
bullet中内正子さん(36)

 
bulletとくしまの朝 阿波町岩津から中継

 
bulletお店発見 (終) ヴィレッジ・ヴァンガード 088-611-3438

 

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うちのワンちゃん:さくら、しんのすけ(雑種)

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なつかしの徳島:海南高校甲子園へ 徳島駅前壮行会

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けさの生け花:未生流笹岡・三原京甫さん

>詳細

 「おめでとうござい、おめでとうござい、本日はおめでとうござ〜い」

これが徳島の伝統芸能「箱廻し」です。徳島では戦前まで、正月になると木偶人形が
入った箱を担いだ、「箱廻し芸人」が家々を回り、縁起の良い出し物を演じるという、
伝統芸能がありました。
しかし「箱廻し芸人」も昭和30年代までにほとんどいなくなり、
今では知る人も少なくなりました。
「箱廻し」が出来るのは今、県内に一人しかいません。中内正子さん36歳。
女性の「箱廻し芸人」です。

【VTR終了後 → スタジオへ】

こちらが「箱廻し」に使う箱です。中には木偶人形が入っていて、
20キロ近くの重さになることもあります。
これを担いで正月に人形を操りながら家々を回ることから、
「箱廻し」という名前があるんですね。
徳島の伝統芸能を守ろうと「箱廻し」の世界に飛び込んだのが、
徳島市国府町に住む、中内正子さんです。中内さんはきのう、
徳島市で「箱廻し」の公演を行いました。その様子を取材しましたので
早速、ご覧下さい。

【VTRスタート】



    平石香奈子リポート
    「徳島市国府町の芝原公園です。もうすぐ『箱廻し』の公演が始まります。
    たくさんの人が集まって今か今かと始まるのを待っています」



訪れた人たちは・・・
「50年ぶりに見るんちゃうで? 今、63歳じゃけ。もっと前じゃな。楽しみにしとんじゃ」
「(箱廻しが)来たら家に泊まってご祈祷のようにしてくれた。
(私の出身?)海南町の轟の方。この子に一遍見せてやりたいと思って」



「箱廻し」の中でも七福神のえびすさんや三番叟の人形を遣って、
おめでたい時に舞うものを「三番叟廻し」と言います。
中内さんは「箱廻し」の中でも「三番叟まわし」を演じることが出来る、
県内ただ一人の伝承者です。



    中内正子さん音生かし
    「(中内さん、これは何ですか?)箱廻し、三番叟まわしの道具です。
    箱の中に、こんな風に人形を入れて天秤棒で担いで、
    正月に門付けに行ったり、全国に人形芝居の文化を伝えました。
    来てもらった人に福を持って帰ってもらえるようにしたいと思う」



「箱廻し」が最も盛んだったのが幕末から明治にかけて。
県内には200人以上の「箱廻し芸人」がいたと言われています。
正月に家々を回り、家内安全や五穀豊穣を祈願して人形を操っていましたが、
次第に後継者が減少。昭和30年代を最後にほとんどいなくなりました。
昔は大事な正月儀礼だったんですよね。

    辻本一英さん音生かし
    「やはり人形芝居がいろんな形で暮らしの中に生きていた、と思う。
    舞台だけでなく、暮らしの身近な所でそういう文化を是非とも
    残して行きたいと思う」  

「箱廻しを復活する会」のメンバーは徳島市国府町の集会場で稽古をしています。
中内さんは徳島商業高校を卒業後、一度は徳島市内の会社に就職しましたが、
地域のお年寄りから「箱廻し」の話を聞くうち、自分もやってみようと決意。
会社を退職して県内でただ一人、「三番叟まわし」を伝承する
三好町のお年寄りに弟子入りし、3年間、「三番叟まわし」を学びました。

    中内正子さん音生かし
    「(三番叟まわしを始めた理由?)今、残していかな残らんと思ったから。
    私だけでなく、メンバーもいるけど私は残して行きたいと凄く思った。
    今しかない、と思ったんです」

「箱廻し」の世界に飛び込んで10年、中内さんらは年間100回以上、
県内外の講演会やイベントなどで箱廻しを行っています。今ではなんとか人形を
スムーズに動かせるようになりましたが、それでも納得の行く動きにはまだ
程遠いと言います。

     辻本一英さん音生かし
     「左右を向いているだろ?その前。その後でキュッと。
     もう一つ、歩かせてみ?左肩が上がっているだろ?
     (意識して上げているけど、真っ直ぐが良いですか?)」

中内さんが操っているのは七福神の「えびすさん」の人形です。
家々を訪ねて回る「三番叟まわし」の特徴の一つが、えびすさんの足の動きに
あるそうです。(足ですか?どうしてだろう?)

     辻本一英さん音生かし
     「ほら一軒一軒えびすさんが家々に幸せを運んで行く訳だろ?
     そのままよ、人の家に一軒一軒 幸せを運んで行くということ」

     中内正子さん音生かし
     「自分では歩かせているつもりでも、ちゃんと歩いていなかった。
     自分が見るのと、実際に動かすのでは違うと思う」

中内さんたちは3年前から正月に人形を担いで県西部の家々を400軒以上回り、「三番叟まわし」を披露しました。「三番叟まわし」は正月儀礼として長年、
受け継いできた家庭が多く、どの家でも中内さんたちを温かく迎えてくれました。

 
    中内正子さん音生かし
     「『おねえさん、良かったあ』と言ってもらえるのが凄く嬉しいです。
     私の技術はまだですが、(箱廻しが)大事にされてきた文化だと
     再確認できました」



きのうの公演は若い世代に「箱廻し」に触れてもらって将来に残していこうと、
中内さんらが初めて開いたものです。300人以上の人たちが「箱廻し」を
じっと見つめます。



「三番叟まわし」のクライマックスは、えびすさんが人々に福を授けに歩いて
やってくるところ。中内さんも福々しい表情で人形を操ります。
(本当に楽しそうですね)



     中内正子さん音生かし
     「はい、手を出してもろうて福をどうぞ。長く元気に過ごせますように」

えびすさんは最後に人々の頭をなでて今年一年の無病息災や家内安全を
祈願します。(ちゃんといわれがあるんですね)公演は大成功に終わりました。

 
    訪れた人は・・・
     「(箱廻しを)間近で見たの初めて。う〜ん、良かったです」
     「やっぱしああやって綺麗に動かすのは大変だろうと思う」
     「もう最高じゃね。頻繁に見えるものでなし。大満足で帰ります」



     中内正子さん音生かし
     「やっぱり目の前で見てくれる、応援してくれる。見てもらう側と演じる側が
     一緒になれる、そんな場が今日はあって良かった。この伝統を受け継いで
  
    三番叟まわし、箱廻しを受け継いで、次の世代にも伝えたい、
     すごく思いました」

     【VTR終了 → スタジオへ】

(えびすさんのユーモラスな動きが楽しかったですね。)
「箱廻し」は徳島で生まれた伝統芸で、「懐かしい」という声もあったように
30年前、40年前まで県内どこでも見られたそうです。
(お正月に家に来てくれたらにぎやかで子供は大喜びだったでしょうね)
「箱廻しを復活する会」の中内さんも三好町のお年寄りから箱廻しを
習ったということですから、貴重な伝統芸能を次の世代に頑張って
引き継いで欲しいと思います。

     【コーナー終了】

放送台本から抜粋。細部では実際に放送された内容と違うところがあります。

(This is an uncorrected transcript for site edition ,different from real program. )

おはようとくしま 2004年の放送