2003/10/13 No.7945 

プルトップを集めて車イスを
ハイライト  鳴門市大麻町の筒井照雄さん(81)は、空き缶の金具の栓、プルトップ800kgで車イス1台と交換してくれる福祉活動があることを知り、去年春からプルトップを拾い集めている。これまでに集めたプルトップは650キロ。目標は年内に車イス1台と交換すること。空き缶集めに汗を流す筒井さんを平石香奈子が取材した。>詳細
取材ゲスト 鳴門市大麻町・筒井照雄さん(81)、キミコ(81)さん
メモ  
 

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>プルトップを集めて車イスを 

まずはこちらをご覧下さい、
ジュースなどの缶に付いたこれ、何だか分かりますか?

スチール缶やアルミ缶の上の部分に付いているもので、
「プルトップ」とか「プルタブ」と呼ばれています。
このプルトップを集めて車イスと交換しようと頑張っている、
鳴門市大麻町の筒井照雄さんとキミコさん夫婦を紹介します。

(VTR)

平石香奈子リポート
「鳴門市大麻町の筒井さんのお宅です。
 見て下さい、すごい数の空き缶がずらりと並んでいます。
 筒井さん、ものすごい数ですが何袋位あるんですか?」

「50袋はある。」
「これだけのプルトップを外すのにどれ位かかるんですか?」
「一週間あったら取れます。」

空き缶に付いているプルトップを外しているのは
2人そろって今年で81歳になる、筒井照雄さんとキミコさん夫婦です。
2人は高知県のリサイクル業者がプルトップ800キログラムと
車イス一台を交換する福祉活動を行っていることを知り、
去年春からプルトップを集め始めました。

2人が一年半で集めたプルトップは650キロにも上ります。
プルトップ一つの重さはわずか0・3グラム、
800キロとなるとドラム缶10杯分、数にして260万個にもなります。

必要なプルトップは残り150キロ。
筒井さん夫婦は年内にも車イスに交換できるよう、今、懸命にプルトップを集めています。

筒井照雄さん
「家でテレビばっかり見てても何にもならん。
 ほなけん健康のため、身体や指を動かしたら脳の活性化になるだろうと」

「筒井ですが、缶をもらいに来ました」

外で空き缶を集めて来るのは照雄さんの仕事です。
乗り慣れた軽自動車で近所のコンビニエンスストアやスーパーから空き缶を集めて回ります。

筒井さんは元国鉄の職員でした。
昭和23年、26歳の時に当時の国鉄に入り、線路の保守点検をする保線区で、55歳の定年まで働きました。

現在、筒井さんは鳴門市大麻町の住民で作る、資源回収のボランティアグループ、
「リサイクル山田」に入っています。

これは山田地区の住民160世帯がゴミの減量に努めようと5年前に組織したものです。
リサイクルやゴミ問題に興味があったという筒井さんは、グループの活動を通じてプルトップを車イスに交換してくれる
福祉活動があることを聞きました。

プルトップは純度の高いアルミニウムで出来ています。
アルミは加工し易いことに加え、何度再生しても品質が落ちることはほとんどありません。
プルトップ800キロの値段はリサイクル業者によって異なりますが、
大体1万6千円から4万円前後で引き取ってくれます。
高いもので10万円を超える車イスの値段には足りませんが、
高知県のリサイクル業者が不足分を補って車イス一台と交換してくれることになっています。

リサイクル山田代表佐藤由紀さん
「おじいちゃんは凄く生きがいにしていて
(私たちは)止めて欲しいと言います、疲れて寝込んでしまうと困るので。
 だけどおじいちゃんは(プルトップ集めを)取り上げないで欲しい、と言うので、 
 皆で蔭から運ぶのを手伝ったり、蔭で協力させてもらっています」


毎日2時間余り、空き缶を集めて回る筒井さんですが、
大変なのが道路わきに設置してある自動販売機です。

スーパーやコンビニのように始めから袋に入っているのとは違って
販売機の裏側に捨ててある空き缶まで一つ一つ拾い集めています。
腰をかがめて集めるのは80歳を超えた筒井さんにとって重労働です。

筒井照雄さん
「こんなのがあるからね、
(中身が)入っているのも出してから持っていかなイカンけんなあ」

「タダで貰いよる以上はやっぱりしょうがないでな、
(缶を集めると言うよりも)掃除じゃ、掃除じゃ、ハハハ・・」

空き缶は30分余りで車一杯になりました。

筒井照雄さん
「もう子供に怒られるんよ、臭いって。臭い車で行けるかなって。
 ワシ専用で乗っとるけん、何ともない」

それでも筒井さんがプルトップを集めていることを知って
最近では県内の企業や学校、団体から「是非、協力したい」と
プルトップが数多く寄せられるようになりました。

筒井照雄さん
「これだけ送ってくれたら一日でも早く車イスを貰いたいと思う。
 早く貰って皆に使ってもらいたいな」

妻のキミコさんは10年前に脳こうそくで入院したことがあります。
身体の調子が優れない日もありますが、今は少しでも指先の運動になればと
照雄さんと一緒にプルトップを外しています。

筒井キミコさん
「車イスに困っている方がたくさんおいでるので、
 その人に一台でも(多く渡って)喜んでもらえたら良いかな、と作業をしながら思うんですよ」

筒井照雄さん
「できる限り努力して一生懸命取って人助けのために頑張ります」

必要なプルトップは残り150キロ。
車イス一台と交換できる量まであと一歩の所まで来ています。
2人は体力の続く限りプルトップを集めて2台目、3台目と車イスに換えたいと話していました。

放送台本から抜粋。細部では実際に放送された内容と違うところがあります。

(This is an uncorrected transcript for site edition ,different from real program. )


おはようとくしま 2003年の放送