2003/08/25 No.7911 

カヌー世界選手権をめざして
ハイライト   三好郡山城町に住むラフティング インストラクターの貝本宣広さん(33)。カヌー日本選手権で5連覇を達成し、世界ランキングにも名を連ねる貝本さんは5年前、吉野川に魅せられ、千葉県から移住してきた。夢は山城町民としてカヌー世界選手権で優勝すること。吉野川の源流で練習する様子を取材した。 >詳細
 

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(VTR)

激流の中で華麗な技を展開するカヌー。
数あるカヌー競技の中でも技の難易度と美しさを競う、「フリースタイル」という種目です。
フリースタイルの現役の日本代表で、5年前、千葉県から三好郡山城町に移り住んできた、貝本宣広(かいもと・のぶひろ)さん33歳。
2005年にシドニーで開かれる世界選手権での優勝を目指して吉野川で練習を続けています。

(スタジオ)
今週はカヌーの世界選手権、優勝を目指す貝本宣広さん33歳を紹介します。
貝本さんはカヌーの「フリースタイル」という種目で95年から6年連続で全日本チャンピオンに輝いた実力の持ち主です。
千葉県から山城町に移り住んできたのは吉野川がカヌーの練習場所として最高の条件を揃えていたからでした。
吉野川から世界を目指す貝本さんを取材しました。

(VTR)
山城町からさらに上流にある、高知県の大豊町です。
貝本さんは吉野川の急流を下る、ラフティングのインストラクターを務めていて、この時期、一日3回から4回、客と一緒にゴムボートに乗り込み、大豊町から山城町までの5キロのコースを下ります。

カヌーの練習場所を探して全国の川を見て回った貝本さんは山城町に来て吉野川を見た瞬間、すぐに移り住むことを決めました。

貝本宣広さん
「すごい自然が豊富で、水量も豊富で水も凄いキレイで、とにかく自然が多いのが一番の魅力だと思う。
「都会から離れているので苦労は多いが、逆にのんびりと自分の時間が取れた生活が送れていると思う」

貝本さんはカヌーの全日本選手権。
フリースタイルで95年から6年連続で優勝。
去年、オーストリアで開かれた世界選手権では24位でしたが、フリースタイルの世界ランキングでは
日本人最高の18位に入っています。

貝本さんがカヌーの練習をするのはラフティングの仕事を終えた夕方からになります。
練習場所は吉野川の源流に程近い、高知県本山町です。
この付近の吉野川は毎秒70トンもの水量があり、国内屈指の激流で知られています。

近藤英之ディレクター・リポート
「これが競技に使うカヌーで長さが2メートルほどあります。
 重さは10キロ、両手でなんとか持ち上がる。」

「形は変わっているが競技しやすい?」

>貝本さん「昔は4メートルもあった。短くなった分だけ多く回せるように」

独特の形も水面で技がだしやすいデザインされているんです。

>貝本
「海外の大会で成績を残そうと思ったら水量の多い所で練習しないとダメ。
 吉野川は日本では数少ないフィールド。今日はできるだけ技に集中して審査員に点数を取ってもらえるような形でやって行きたいと思う」

カヌーのフリースタイル、試合での演技時間はわずか45秒です。

しかも演技できる場所は「ウェーブ」と呼ばれる、波が白く立っている一箇所だけで、この波の上から出てしまうと失格になってしまいます。
限られた場所と時間内に3人の審査員に対して難易度の高い技をより高く、より美しく見せてアピールし、点数を稼ぎます。

(一つの場所に留まっているだけでも難しい)

技の幾つかを見せてもらいました。
一回のパドルで180度回るのが「フラットスピン」と呼ばれる技で、初級レベルです。

方向を変えたあとも当然、波の上に残ってないと得点にはなりません。

(後ろに流されないのが不思議ですね)

今度はタテ回転です。
前転するような感じで前にクルリと回るのが「ブラント」という技で中級レベルです。
貝本さん、波から外れてしまいました。

後ろ向きにクルリと回るのが「バックブラント」と呼ばれる技です。
かなりハイレベルな技なんですが、この日は水量が多すぎて元の波の上に戻ることが出来ません。

貝本さんの演技の特徴は技のダイナミックさと美しさを兼ね備えていること。
華麗な技で世界の強豪と互角に渡り合ってきました。

>貝本さん
「難しい技が出来た時、それに向かって練習して出来た時の達成感。
 まだ出来たばかりのスポーツだから技を編み出し仲間と盛り上がれる数少ないスポーツだと思う。
(技が)よく出来たつもりでも観客の反応が悪いとジャッジにも響く。
 見てる人を驚かすような技を出したい」

貝本さんがカヌーを始めて10年目を迎える2005年、貝本さんはその年、シドニーで開かれる世界選手権で表彰台を狙っています。

大会までこの吉野川で練習を続けたいと意気込んでいます。

>貝本宣広さん
「今のままではダメ、もっと練習したい。
(世界選手権で)シドニーは冬になって集中的に練習ができる。
 より良い状態で出場したい」

貝本さんのもう一つの目標が自然に恵まれた吉野川の素晴らしさを多くの人に知ってもらうことです。
貝本さんが代表を努めるラフティングツアー会社には県外から来た7人のインストラクターがいます。
貝本さんは彼らに「吉野川の良さを自分で見つけて観光客に伝えて欲しい」と山城町への移住を勧めました。

>インストラクター
「出身は大阪です。人々が温かい」
「出身は岐阜県。嫌な所?・・・買い物に行くのに遠いこと位」
「大自然、人間が温かい、他に言うことなし」

仕事と練習を終えると貝本さんは必ず地元のある人を訪ねます。

貝本さんにラフティングの事務所の土地を提供している、嘉重富美子(かじゅうふみこ)さん80歳です。
貝本さんにとって大切な支援者の一人です。

>嘉重さん

「吉野川がこんな良い所とは知らなかったです。
 カヌーやラフティングで皆が顔を合わすまで。
 応援すると言っても何もできんがその気持ちだけは持っている」

>貝本さん
「日本でも有数の激しい所なのでどこが危ないとか
 そういうのも観光客に伝えていって地元に迷惑がかからないようやっていきたい」

世界選手権・優勝という目標だけでなく、カヌーやラフティングを通して
山城町や吉野川の魅力を全国に発信していきたいと話す貝本さん。
吉野川の激流に もまれながら毎日練習を続けています。

放送台本から抜粋。細部では実際に放送された内容と違うところがあります。

(This is an uncorrected transcript for site edition ,different from real program. )


おはようとくしま 2003年の放送