2003/05/06 No.7834
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候補者はこんな人 @(届出順)
篠原滋子 候補
脱画一化 わがまちの教育 〜教育特区のふるさと教員
鳴門教育大学 助教授・石村雅雄さん ![]()
(VTR 海部町教育長)
「まさか第一号とは思わなかった。
自分の故郷を語れる人になって欲しい、そんな教育がしたいとの思いから始まったこと。」
(スタジオ)
学校だけが教育の場ではない。
校区の人、もの、全てが学びの基礎となる。
そんな考えのもと、平成7年度からスタートした海部町の「ふるさと教員制度」が先月21日、国の構造改革特区の一つに選ばれました。
冒頭のインタビューは海部町教育委員会教育長、前田恵さんにお話を伺ったものです。
「ふるさと教員」とは、地元の自然を生かした、ふるさと学習をおこなうために町が独自で採用した先生のことです。
先ほどのVTRの中にも、授業の様子が少し映っていましたけれども楽しそうに見えませんでしたか?
そうですね。
けさは、教育特区に選ばれた海部町の取り組みをごらん頂きながら学校教育のあり方と今後の展望などについて考えてまいります。
スタジオにはゲストをお迎えしています。
鳴門教育大学助教授のの石村雅雄さんです。
先生は今回の海部町の特区認定について、どのようにごらんになりましたか?
>素晴らしいことだと思う。わずか日本で3つしか選ばれてないことだし、(地元も)よくがんばってやっていると思う。
さて今回、海部町が認定されました「構造改革特区」とはいったいどういうものなのか、簡単にご説明いたしましょう。
これは、国の構造改革のいわば「実験」と言えると思います。
特区とは、地方の自治体の独自のアイデアを基にさまざまな法律で縛られていることの規制を緩和しようというもので、縛りを緩めることで得られる効果を見るための、いわばモデルケースとなる地域のことです。
先月21日に認定された第一陣の特区申請には全国の111団体から129件の申請がありそのうちおよそ半分の57件が認められました。
海部町は全国で3つ認められた「教育特区」の一つとして選ばれています。
これまで町が町の職員として雇用していた助教員を、町内の公立小中学校の正式な教員として認められる、すなわち、町が学校の先生を選んで採用することが出来る権利を得たということなんです。
先生、これまでは駄目だったんですか?
>県内でも町が独自の助教員を雇っているケースがあるがほとんどが1年契約の臨時採用で、正教員の補助的な役割を担っている程度。
そもそも学校の先生と言うのは県教委の下でおこなわれる教員試験にパスした人だけが教壇に立てるものだった。
要するに、学校の先生の給料を自治体が負担することは無かったということですね?
>学校の先生の給料は県から半分、国から半分出ている。
今回の海部町の場合は、臨時で無いにも関わらず町が全額負担している特別なケースである。
財源に乏しい地方の自治体はなかなか独自採用が出来ないのが現状。
海部町はこの財源をこれまで役場や教育委員会、それに各小中学校で雇用していた事務員さんを段階的に減らしていくことで捻出したということでした。
事務員さんがいないと困るんじゃないですか?
>海部町の場合は学校裁量で使える一定の予算を設けて必要なときだけ事務員さんに手伝ってもらうなどいろいろ工夫しているようだ。
限られた経費の中でやりくりをして教育現場に新たな風を吹き込んだ行政トップのアイデアの勝利とでも言いましょうか、海部町のふるさと教員にはさまざまな期待がかけられています。
そのうちの一つ、海部東小学校を取材していますのでVTRをごらん頂きましょう。
(VTR)
海に近い海部東小学校は全校生徒86人の小さな小学校です。
来年度からは海部西小学校と統合し、子供たちは海部小学校の生徒として新しいスタートを切ります。
平成7年にふるさと教員となった大久保憲先生はお隣の海南町で生まれ育った32歳。
生き物を飼ったり育てたりするのが大好きな理科の先生です。
>もともといつかは地元に帰ってきたという思いもあった、両親が教師をしていたのであこがれもあった。この世界に飛び込んでよかった。
この日は小雨がぱらつくあいにくの天気でしたが、大久保先生はそれを逆手にとりました。
雨の日に、どんな生き物がいるのか、晴れの日に調べた記録と比べることにしたのです。
これまでは単独での授業はできませんでしたが、特区に認定されてから、4年生17人の理科の授業を任されています。
教室を飛び出して自然を感じながらの授業は、地元の自然や気候を知り尽くしたふるさと教員ならではの体験学習といえます。
子供たちはわずかな時間にも、次々とカニやだんごむしなどの生き物を見つけました。
先生の予想以上の成果があったようです。
このあと子供たちは採取した生き物をノートにスケッチしました。
捕まえただんご虫を手に乗せて観察する子、カニの味を確かめようとする子など理科の時間は大騒ぎになりました。
さて、雨の日と晴れの日では校庭の生き物にどんな違いがあったのでしょうか?
特区の認定が年度途中だったため今年度は学級担任をする予定はありませんが、人事異動のないふるさと教員には授業はもとより生徒の心の教育にも期待が寄せられています。
(校長)
>やはり地域のことがよく知っていると言う点でその面を大いに出して指導的な立場でもいて欲しいし、子供たちにの心の教育にも期待している。
(大久保さん)
>まさかこんな形で担任を持てるようになるとは。
今の気持ちとして嬉しい反面、不安も当然ある。
これからもっともっと勉強して、子どもたちに自分のふるさとを愛することのできる、
そんな心を持った子供を育てていきたいなと思う。」
(スタジオ)
海に近い学校だけに校庭にカニがいるんですね!
子供の目線に立った授業は大人になっても楽しい思い出になる。
机で学んだことよりもよく覚えているような気がする。
一つ一つの発見が、ふるさとの原体験として残りますよね・・・。
先生、特区として認定されたことで、ふるさと教員の身分には相当な変化があったというわけですね。
>これまで「助教員」として、正教員の補助的な役割しかできなかったのが学級担任や教科担任を持つことが出来るようになった。
それに先生、ふるさと教員の先生は若くって、子供たちの友達のような感じでしたねえ。
>教育現場に若い先生がなかなか入れない現状がある中で若い人材の確保にもつながるといえる
今、石村先生がおっしゃったことの裏づけがこちらのデータなんです。
去年5月現在の県内の小学校教諭の年齢構成、ご覧になって一目瞭然、中堅どころの先生が非常に多くて20代から30代前半の若い先生が少ないんです。
学校の先生ってなかなかなれないんですねえ・・・。
>採用が少ないので就職状況は厳しい
海部町のもう一つの小学校、海部西小学校にもふるさと教員の方がいらっしゃいまして、こちらも、地域をそのまま教科書にしたユニークなふるさと学習をおこなっていました。
(VTR)
この日は年に一度のオリエンテーリングの日でした。
学校をスタートしておよそ5キロ離れたゴールまで9つのチェックポイントを通っていきます。
このオリエンテーリングの発案者がふるさと教員の、とだ豊先生。
海部町出身で、平成7年の採用です。
子供たちは6つのチームに分かれています。
1年生から6年生までの縦割りチームです。
>助け合うような機会と海部町の新しい発見を願って企画した。
学校の近くを流れる母川に沿って歩いていきます。
歩き慣れた道だけど、みんなと一緒だから、きょうはなんだか様子が違う。
川の生き物たちが元気な子供たちを迎えてくれました。
不動橋のたもとのチェックポイントでは、橋の長さを体を使って測りなさいという問題が用意されていました。
高学年の子供たちが中心となって歩幅を使って距離を測りました。
自転車で先回りをした とだ先生は次のチェックポイントで待っていました。
ここは昔、弘法大師が巨大岩の落下を、お箸を立ててふさいだとする伝説の残る場所です。
そのお箸はやがて大きな杉の木になり今も岩の落下を防いでいました。
子供たちは、改めて、ふるさとの伝説に触れました。
子供たちを見届けたら、とだ先生は大急ぎで次のチェックポイントへ先回りします。
生徒に同行しないかわりに、オリエンテーリングの総監督として忙しいのです。
そろそろ疲れてきた低学年の子供の荷物を高学年の子供が持ってあげる、そんな助け合いの心もはぐくまれてきたころ、出発からすでに1時間あまりがたっていました。
貴重なトンボが生息する小川と休耕田がある場所に到着した子供たちです。
ここではトンボの保護に取り組んでいる地元の人と出会い、子供たちはいろんなことを質問していました。
地域の人と出会ったり生き物に触れたりしながらようやく、9つめのチェックポイントにたどり着きました。
出発からおよそ2時間、ゴールはもうすぐです。
>私もやっぱり一時この町を離れていてこの町のよさを実感した。
>最高です、やっていてよかった。
今までは広く浅くたくさんの子供に接していたが学級担任できるようになって特定の子供にもっと深くかかわれるかなと、来年度はそれが楽しみだ。
正午すぎ、子供たち全員がゴールに到着しました。
五感をフル活用して、体全体で自然を感じた3時間でした。
(子供インター)
(とだ先生)「またコースを変えてやってみたい。」
(スタジオ)
石村先生はどのようにごらんになりましたか?
>ふるさとを愛する心、ふるさとを愛する人づくりは、ひいては地域づくりの礎になる
海部町のような教育特区は全国に広まっていくでしょうか?
>岡山県の和気町が海部町と同じ試みを導入
こういった特区のほかに全国にはどんな特区がありますか?
>
いずれもこれから実施されることで成果のほどは未知数。
しかし、画一的だった日本の教育現場、教育が少しずつ変わろうとしているのは事実
今後も面白い教育特区が出てきそうですか?
>出てきて欲しい
教育現場は残された非常に大きなマーケットだから、株式会社による学校経営などの可能性は大いにある。
競争が激しくなるかもしれないし、それによって地域間での教育格差が出るかもしれない。
しかし日本全体が変わらなければやっていけなかったことが
自治体など個々にできるようになるということは教育に対する議論も活発となるので生きた教育につながったらいいなと期待している
けさは、先月21日に認定された海部町の教育特区について取り上げました。放送台本から抜粋。細部では実際に放送された内容と違うところがあります。
(This is an uncorrected transcript for site edition ,different from real program. )
放送記録
あすに残そう お休み
けさの童謡 「空をみあげて」 南井上小学校(徳島市)
うちのワンちゃん ムサシ(しば)
なつかしの徳島 お休み
けさの生け花 草月流・木内緑草さん