2003/04/18 No.7822
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増えるカワウ 生態と実態
日本野鳥の会・吉田和人さん (VTR)
今月に入って県内の河川では稚鮎の放流が始まりました。
しかしその鮎を狙っているのがカワウの群れです。カワウはここ数年で全国的に数が急増し、各地で鮎などに漁業被害が広がっています。
そのため県内の漁連では猟銃による駆除を始めているところもあります。
しかし、今では害鳥扱いされるこのカワウも70年代には絶滅が心配されるほどの鳥でした。
なぜカワウは急激に増えたのでしょうか?
その知られざる生態と被害の実態を取材しました。
(スタジオ)
けさはここ数年で大繁殖した「カワウ」にスポットを当てます。
カワウといえば最近東京の川で大繁殖したボラを次から次に食べていたのが印象に残ってますけど、
今、全国的に増えているんですね。
そうなんです。
カワウという鳥は川などに生息し水の中に潜って魚を捕る鳥なんですが、県内でも現在は広い範囲で生息しているんです。
こちらご覧ください。
これは県の自然共生室が昨年まとめたカワウの目撃数なんですが、
年間を通して最も多い11月の1ヶ月間に目撃された数を表しています。
吉野川で1500羽、勝浦川で210羽、那賀川で90羽、海部川で45羽、合計で1845 羽となっています。
しかしこれはあくまでも目撃数なので実際にはこの何倍もの数がいるんじゃないかと言われています。
確かに吉野川の堤防を車で走ってても川原がカワウで真っ黒になっているのを見かけますけど、こんな数じゃないでしょう。
ゲストをお迎えしています。
佐那河内いきものふれあいの里、ネイチャーセンターにお勤めで日本野鳥の会会員の吉田 和人さんです。
吉田さん、カワウが県内で急激に増えたのはここ10年ですね。
>90年代入ってから急激に増加…
>県内ではそもそも20年ぐらい前に、琵琶湖から飛んできて那賀川の河口に住み着いたのが始まり
さて、カワウという鳥、テレビの前のみなさんはどこまでご存じでしょうか?
VTRにまとめてみました。
(VTR)
体長およそ80センチ、カワウはペリカン目・ウ科に属する大型の水鳥です。
全身カラスのような真っ黒の羽ですが繁殖期が近づくとこの写真のように頭の羽が白くなります。
主な生活の場は湾の中や川などの水辺です。
吉野川河口の干潟にも朝7時ころになるとカワウの大群が集まってきます。
カワウは群れで動く鳥で日中はエサをとったり水辺で休息し夕方になるとねぐらに帰ります。
特徴は水の中に潜ってエサの魚をとることです。
潜水能力は10メートルともいわれ長いときは1分を超えて潜ります。
さぁ獲物を捕まえたでしょうか?
あがってくるまで待ってみましょう。
おっ出てきました、なんか食べましたねぇ。
ボラや鮎、ハエなど、基本的に魚ならなんでも食べます。
これぞ丸飲み、鵜呑みですね!
カワウはこのように頻繁に羽を広げて濡れた羽を乾かします。
普通の鳥の羽は水をはじくようになっていますが水中に潜るカワウの場合水をはじくと浮力が付いてしまうので羽が濡れるようになっています。
だからこうして日中頻繁に羽を乾かしているんです。
本来カワウは冬鳥です。
11月頃に琵琶湖のあたりから飛んできて、3月か4月には繁殖のために帰ります。
しかし、最近はエサが豊富なことから帰らずに留鳥になるカワウが増えました。
留鳥になるのはまだ繁殖の時期を迎えていない若い鳥だと野鳥の会では分析しています。
夕方4時ころにはこうして上流のねぐらへと群れで帰っていきます。
(スタジオ)
吉野川にもやっぱりカワウは多いですねぇ。
ほんとびっくりしますねぇ。
でも、あれだけの数のカワウが毎日魚を食べてるんですよねぇ…。
それ、すごい量になるでしょう!
ここでこちらを見て頂きたいんですが、カワウに関する驚くべき事実があるんです。
これは全国的なカワウの数の変遷をまとめてみたんですが…
・現在は全国でおよそ6万羽といわれている(野鳥の会で把握している数字)
・しかし1970年代は全国でおよそ3千羽ほどで絶滅が心配される鳥だった
絶滅が心配されるような鳥だったんですか…
・内湾の埋め立てや川の水質の悪化が、減少した原因といわれている
吉田さん、そんな時代があったんですねぇ…
>だから愛知や青森の繁殖地が国の天然記念物に指定
>徳島に飛来してきたら、わざわざ見に行った。
>「徳島野鳥図鑑」に掲載されている写真は吉田さんが苦労して撮影(那賀川で83年撮影)
そして減ったカワウだったんですが80年代に入って徐々に増え始めまして90年代に入って鮎などの漁業被害が社会問題化しました。
現在はおよそ6万羽といわれています。
吉田さん、絶滅が心配されたほどのカワウがなぜここまで増えたんですか?
>エサの変化・外来種・鮎の養殖の開始
>琵琶湖から増えて広がった→これほど短期間に急増した動物は他にいない!
吉田さん、これだけ数が多いと食べるえさ、魚の量が気になるんですが一日どれぐらい食べるんですか?
>鮎なら一日20〜30匹
>ダイサギなどよりもたくさん食べる
>潜るので捕獲能力も高い
さて、カワウの増加によって問題となっているのが漁業被害です。
今月に入って県内の河川では稚鮎の放流が始まっているんですがその多くをカワウに食べられてしまうと漁業関係者は嘆いています。
(VTR)
吉野川の中流域、川島町から半田町あたりにかけても数多くのカワウがいます。
夏場になっても帰らず留鳥となって吉野川に住み着いています。
今月の初旬から吉野川では稚鮎の放流が始まっています。
この日もおよそ700キロの鮎を放流しました。
しかし毎年多くの稚鮎をカワウに食べられてしまうと漁業関係者は訴えます。
鮎の数が減ると釣り人からの苦情も増え遊魚券の販売も減少します。
これは稚鮎を放流した1時間後に放流現場近くで撮影した映像です。
カワウが一斉に魚の群れに群がってエサを食べています。
この魚が鮎かどうかははっきりしませんがカワウはこうして浅瀬の子魚を群れで一気に食べてしまいます。
こうした状況をうけて吉野川漁連では3年ほど前から、県の許可を取って本格的に猟銃によるカワウの駆除をはじめました。それでもあまり効果があらわれなかったため今年からは撃ち落としたカワウを漁連が1羽3000円で買い上げることにしました。
吉野川漁連ではそのために今年1000万円の予算もたてています。
群れの中の一羽に命中しました。
撃ち落としたカワウは漁連に持ち込まれます。漁連ではカワウが、どれだけの鮎を食べているのかも調べています。
さらに問題はこれだけではありません。
カワウの糞による被害も起きています。
カワウは木の上に集団でとまって眠るため排泄した糞でその下の木が枯れてしまうのです。
ここは吉野川中流域の最大のねぐらでピーク時には何百羽ものカワウが木に泊まりますが防災林の竹が枯れてしまっています。
アユなどの魚をふんだんに食べたカワウの糞は栄養価が高く、カワウがねぐらにした木はすぐに枯れてしまいます。
(スタジオ)
糞の問題もあると…
200メートルぐらいにわたって枯れています。
それにしても魚の群れにカワウが一斉に群がってましたねぇ。
あれすごい…稚鮎ならひとたまりもない…
・だから県南の河川では放流の時期を今年から遅くする。
・鮎の遊魚券が売れないので鮎の放流自体少なくしてしまう川も…
漁業関係者は大変ですねぇ…。
遊魚券の売れ行きは、景気なども多少は影響してるでしょうけどねぇ。
そしてカワウの猟銃による駆除なんですが、吉野川では毎年4月1日から1か月間行うんですが今年は5月もしたいと考えてるんです。
でも5月には愛鳥週間がありますね
「背に腹はかえられない」というのが現状のようです。
そこまで深刻だと…
そして県内でも吉野川の他に、那賀川や海部川などの主要河川でも行っています。
さらに最近では支流の鮎喰川や穴吹川、坂州木頭川などでも始まっています。
吉田さん、最近は山奥の方までカワウが飛んで行ってるということですね。
>以前は河口中心だったが山奥へ…
>猟銃で追い払っているのが原因のひとつかも
ということはカワウは分散傾向にあると…
糞によって木が枯れてしまうのも問題ですね。
>昔は糞によって土地が肥えて肥料になってたので益鳥だった。
>化学肥料ができて不要になった…
昔は益鳥…とはいえ吉田さん、今はやっぱり漁業関係者としてはどうかしたいと…
猟銃で撃つしかないんですか?
>一部必要な部分もあるが…
>鉄砲でうっても→翌年に増えるという報告もある
>間引いたことと同じ…
では、どうすればいいのでしょうか?
>食性など詳しくわかっていないのが現状
けさは、カワウの生態と被害の実態を見ていきました。カワウの目撃数(2002年11月・県自然共生室調べ)
- 吉野川1500
- 勝浦川 210
- 那賀川 90
- 海部川 45
- 合計 1845羽
1970年代には全国で約3000羽。絶滅の危機も言われた(内湾埋め立て、水質悪化など)
1980年代には徐々に増加
1990年代には漁業被害が問題化現在は約6万羽いるといわれている。
放送台本から抜粋。細部では実際に放送された内容と違うところがあります。
(This is an uncorrected transcript for site edition ,different from real program. )
放送記録
100円のおかず 「ホタテとカリフラワーのチリソース煮」(市村育子)
なつかしの徳島 ナシの花が満開
けさの生け花 華月流・山本尚鳳さん