2003/02/12 No.7777
遠のく鉄道高架 どうなる徳島市のまちづくり
鉄道高架事業の目的
- 踏切による交通渋滞の解消
- 新規道路整備
- 周辺市街地を都市化
県:鉄道高架本体
徳島市:土地区画整理などのまちづくり
花畑踏切の遮断時間 (1日あたり 徳島市中心市街地都市整備懇談会 資料)
- 1983年 8時間40分
- 1999年 3時間47分
さて徳島駅周辺をはじめとする徳島市中心部の鉄道を高架にすることの必要性が叫ばれてからもう33年にもなります。
そんな中今年度の政府予算に調査費が盛り込まれるなど鉄道高架事業はようやく前に向いて動き出したかに思われました。
ところがここにきて国は徳島市中心部の鉄道高架事業について現状では事業採択するのは厳しいとの認識を示し、鉄道高架は事実上困難な状態に陥っています。
そこで今朝はその理由を検証するとともに今後の徳島市中心部のまちづくりのあり方を考えていきます。
(視聴者の意見を募集)
(航空写真を使って説明)
鉄道高架の現状を説明します。
現在、高架化されているのは徳島市の佐古駅周辺の1期工区3・7キロのみでこちらは今から8年前の1995年に事業が完了しています。
現在、鉄道高架が計画されているのが徳島駅周辺の2期工区1・7キロと、新町川から園瀬川に至る3期工区3キロの区間です。
事業費は2期工区、3期工区合わせておよそ500億円です。
現在徳島駅の裏にある列車の車両基地は牟岐線沿線に移転する計画です。
今度はこちらで鉄道高架の目的を説明します。
まず、踏切をなくして交通渋滞を解消する。
またこれまでできなかった新しい道路を整備する。
さらにこれまで線路によって分断されていた街を一体化し周辺市街地を都市化する。
これらが鉄道高架を進める目的なんです。
そして鉄道高架本体については県が担当し、周辺のまちづくりは徳島市が担当することになっています。
担当が分かれているんですね。
そうなんです。
で、こうした役割分担があるがためにこれまで県と徳島市が互いに責任を押し付け合い遅々として進まなかったことから
鉄道高架事業はかつて「県市不協調」の象徴とも呼ばれていたんです。
そんな中、市民やドライバーからはこの30年余り何とか早く鉄道高架を進めて欲しいという要望が続いているんですよね。
そうなんです。
徳島市中心部の鉄道沿線の現状を
取材してきました。
(VTR)
(佐古駅前レポート)
・ 2階部分を列車が走っている
・ 佐古駅周辺は95年に高架事業が終了している
(佐古駅〜徳島駅列車の中から)
・ 周辺の住宅の屋根ほどの高い所を列車が走っている
・ この辺りから下り坂。 徳島駅は高架化されていない
(花畑踏切レポート)
・ かつては「開かずの踏切」というありがたくない名前が付けられていた
花畑踏切で遮断機が下りている時間は現在、1日延べ4時間弱と20年前に比べ半分以下と短くなっています。
それでもドライバーからは不満の声が聞こえます。
(ドライバーへのインタービュー)
・ 昔に比べればマシだが・・・
・ 地下を車が通れるようにとか何とかして欲しい
(徳島市幸町立体交差からレポート)
・ ここは線路の下を車が走っている
徳島市幸町の立体交差は1961年に開通しました。
しかし当時に比べ通行する車の台数は格段に増え、様々な問題が生じています。
(レポート)
・ バス2台だと狭い
・ センターラインをはみ出してバスが横を走った
立体交差の道路は道幅が狭く厳密に言うと片側二車線になっていません。
このため今では大きな交通のネックになっています。
(スタジオ)
花畑踏切については鉄道高架事業を進めていく上での渋滞解消の象徴的な場所として
これまで番組でも何度となく取り上げてきましたが、
昔に比べて随分とマシにはなっているんですねぇ。
こちらをご覧下さい。
これは花畑踏切で遮断時間が降りている時間を表したものです。
20年前の1983年には1日延べ8時間40分だったのが
99年には3時間47分と半分以下に短縮されています。
これは貨物列車の廃止などによるものです。
私が取材に行ったのは午前11時ごろでしてその時間でも10分〜20分おきには遮断機が降りてはいたんですが
そんなに長い渋滞が出来ていたわけではありませんでした。
それでも何とかして欲しいというドライバーは非常に多かったのが印象的でした。
(スタジオ)
それと立体交差ですが、私も徳島駅前に車で買い物などに行く時は必ずあそこを通らざるをえないんですが、
道幅が結構狭くて横をバスなどの大きな車が通ると運転していて結構恐いんですよね・・・・・
線路が高架化されれば立体交差のところの道路も幅が広がるんですよね。
そうなんです。
確かにこの立体交差も鉄道が高架になれば広がる予定になっています。
再びこちらをご覧ください。
この赤い印が今ある踏切でして鉄道高架が実現すればこれらが全てなくなり交通渋滞が大幅に緩和されるんです。
(佐古〜徳島 2か所、徳島〜文化の森 11か所)
にもかかわらず、徳島駅周辺の鉄道高架事業についてはこの30年以上全く進まなかった上、今さらに厳しい状況に陥っているんです。
それにはこんな理由がありました。
(VTR)
徳島駅周辺を含む徳島市中心部の4・7キロの区間の鉄道を高架化するためには
およそ500億円もの費用が必要とされています。
このため総事業費の半分近くを負担してくれる国に事業採択してもらうことが大きな鍵です。
(国土交通省インタビュー)
・ 鉄道高架事業というのはこれまで利用されていなかった駅裏を開発して都市化するもの
鉄道高架事業の本来の目的は交通渋滞の緩和や道路を整備することで駅裏や鉄道沿線を都市開発することです。
全国で新年度の政府予算に事業採択された箇所では投資効果を表す指数「費用便益比」は2・7と2・3です。
これに対し徳島駅周辺の2期工区の「費用便益比」はわずか1・0にしかすぎません。
文化の森駅までの3期工区を合わせるとなんとか1・9になりますが、それでも他県に比べてかなり低くなっています。
この原因は徳島駅の北側に城山があり、そもそも駅裏の開発を行いにくく鉄道高架をしてもメリットが少ないという事情がありました。
徳島駅の東に位置する徳島本町交差点です。
国道11号と192号が交わるこの交差点は四国で最も交通量が多く慢性的に渋滞が起きています。
渋滞の原因は川内方面から徳島駅や佐古方面に向かうためのルートが実質的にこの交差点しかないことによるものです。
このため徳島市は鉄道高架が実現すれば、徳島駅から北に伸びる車道「南北道路」を整備し
本町交差点の渋滞を解消するとともに駅北地域を都市開発することにしていました。
実はこの南北道路、県が徳島市に働きかけて95年に計画されたものでした。
(徳島県 都市計画課 インタビュー)
・ もともとメリット活かしづらく国から指摘されていた
徳島駅周辺はそもそも駅裏に城山があり、鉄道高架のメリットが少ないと国から指摘される中で
この南北道路計画は「苦肉の策」とも言えるものでした。
ところがこの「南北道路」については予定地の一部が徳島市の文化財である「徳島城跡」にかかるとして
当初から反対意見が出されていました。
その上去年7月に徳島市が行った周辺住民へのアンケート調査でも反対が6割を占めたことから、
「南北道路」は窮地に追い込まれていきます。
(徳島市 開発課インタビュー)
・ (アンケート結果は)予想外の数字だった
・ 環境保全、開発の中で環境が多いのはやむをえない
徳島市中心部の鉄道高架事業と周辺のまちづくりについて専門家や住民が話し合う「徳島市中心市街地都市整備懇談会」。
去年12月に開かれた会合での席上、徳島市は南北道路の形態についてこれまでの車道ではなく歩行者・自転車道とする新たな計画案を示しました。
その結果、「懇談会」は「南北道路」については「平面の車道にはしない」という意見をまとめ、「南北道路」計画は事実上、断念せざるを得ない状況になったのです。
これに対して国土交通省は徳島市中心部の鉄道高架事業について「現時点では事業採択するかどうか結論を出す段階ではない」としながらも次に様に話します。
(国土交通省インタビュー)
・ 徳島駅周辺の場合は環境保全をする方向なので都市開発を前提とした鉄道高架事業は条件がより厳しくなると思う
(スタジオ)
こちらの図でもう1度説明します。
そもそも徳島駅は駅裏に城山があり道路整備や都市開発が出来にくく、鉄道高架事業をする上でのメリットが少ないんですよね。
しかしそれでも徳島市の本町交差点などで慢性的に渋滞が発生しているためまちづくりを担当している徳島市では徳島駅北側からアクセスできる
南北道路を整備して渋滞を緩和させるとともに徳島駅北側の都市開発を行うことにしていました。
また鉄道を高架化し現在ある車両基地を牟岐線沿線に移転させ、その跡地に徳島駅の北口広場を整備する他、東西に走る道路や現在の立体交差のある道路の幅も広げることにしていました。
ところが南北道路の予定地であるこの部分がちょうど徳島市の文化財である「徳島城跡」にひっかかり地元住民へアンケートでも反対意見が多かったことから事実上、断念に追い込まれたのです。
城山の環境や文化財を保護するという観点からすれば南北道路を整備できないというものやむをえないのかもしれないねぇ。
南北道路が事実上整備できなくなったことで鉄道高架事業も実現が困難になるという国の理屈も分からなくはないのですが・・・・
でも徳島駅周辺の交通渋滞を考えれば何とかできないものかと思いますね。
(視聴者からの意見)
徳島市中心部の鉄道高架事業について国は現時点では厳しいとの認識を示していますが、鉄道高架ができないからといって徳島市中心部のまちづくり、再整備ができなくなるというわけではないんですよね。
その通りです。
そのへんのことを
国土交通省の担当の方に伺っています。
県・徳島市の鉄道高架事業に対する考えとあわせてお聞きください。
(VTR)
(国土交通省インタビュー)
(徳島県 都市計画課インタビュー)
(徳島市 開発課インタビュー)
(スタジオ)
国と県が鉄道高架をするかどうかも含めて検討するべきとしているのに対し、
徳島市はあくまでも鉄道高架にこだわっているという違いが印象的でしたね。
今回の取材を通じてどんな感想ですか?
実は今回、国、県、そして徳島市と取材をしたんですが、
いずれの担当者にも口酸っぱく言われたことがあるんです。
それは「まちづくりは鉄道高架を前提としたものではない」ということです。
つまり将来、徳島市中心部をどのようなまちにするのか、まずそれを決めてどうしても今ある鉄道線路が邪魔な場合は高架にしようということなんです。
徳島市ではあと1年以内に徳島市中心部のまちづくりの構想をまとめることにしていますが、これまで30年余りも検討されつづけてきた鉄道高架が本当に必要なのかどうかも含め、住民参加の上で将来のまちの姿について考えていく必要があると思います。
今朝は徳島市中心部の鉄道高架事業についてお送りしました。放送台本から抜粋。細部では実際に放送された内容と違うところがあります。
(This is an uncorrected transcript for site edition ,different from real program. )
放送記録 2003/02/12
けさの童謡 「雪」 三好郡山城町上名(かみみょう)小学校
うちのワンちゃん ポンタ(ラブラドール・レトリバー)
なつかしの徳島
けさの生け花