2003/01/23 No.7764
密着 山城町イノシシ猟
取材:三好郡山城町上名(かみみょう)岡尾芳昭さん(67)
(VTR ダイジェスト)
Real Playerでごらんいただけます。 冒頭から迫力ある映像でしたが
あのイノシシはどうなったんでしょうか。
捕らえることは出来たんでしょうか。
イノシシ猟は毎年11月15日から2月15日までが猟期で、
今の時期県内各地の山では猟師がイノシシを追いかけています。
ただ近年イノシシが人里に下りてきて畑を荒らすなど被害が相次いでいます。
このため県が許可を出して猟期以外でも有害鳥獣駆除の目的でイノシシ猟が行われているんですが、
なかなか被害は減らずまさにイタチゴッコの様相を呈しています。
今朝はそんな中三好郡山城町でイノシシを追い続けている67歳の1人の猟師を取材しました。
Real Playerでごらんいただけます。 (VTR)
徳島県で最も西に位置する三好郡山城町です。
愛媛県と高知県に隣接する山城町は周辺を山に囲まれた
人口5500人あまりの静かな町です。
・岡尾さん歩く
地元のイノシシ猟師、岡尾(おかお)芳昭(よしあき)さんです。
岡尾さんは現在67歳、イノシシ猟をはじめて30年余りになります。
イノシシ猟の猟期は11月15日から2月15日までの3ヶ月間です。
岡尾さんは猟が出来るこの期間は近所の山に毎日のように出かけます。
・撃つ瞬間がたまらない
・足跡見て・・・「5匹かな?」
イノシシは夜行性の動物で昼間は日の当たる温かい山の斜面などに身を潜めて眠っています。
このため足跡を手がかりにイノシシが潜んでいる場所を1キロ四方くらいの範囲まで
絞り込んでいきます。
これを猟師は「見切り」と呼んでいます。
・仲間とのやりとり
見切りは地元の猟師仲間と一緒に無線を使って手分けして行います。
・猟師仲間との会話
岡尾さんら猟師は、この見切りがイノシシ猟の中で最も重要だと話します。
・「これ中々大きい足跡や」
高知県と隣接する山城町上名(かみみょう)地区。
イノシシ猟師の岡尾芳昭さんはこの山あいの小さな集落で生活しています。
・かつて捕ったイノシシの写真を説明
「もっと大きいのがおったはず・・・」
・これ・・・・・
山城町で30年以上にわたってイノシシ猟を続けている岡尾さんですが
最近イノブタに近いイノシシが増えているといいます。
・これはイノブタ系、いま流行の茶髪・・・
岡尾さんらは昨シーズン山城町で33頭のイノシシを仕留めました。
しかし、毛の黒い純粋のイノシシはわずか2頭だけでした。
・山道を歩く岡尾さん
「歩いていくのはえらいでよ・・・」
この時期イノシシを追いかけ毎日のように山道を歩いている岡尾さんですが、
実は8年前に肺がんを患ったと言います。
(妻のインタビュー)
・肺ガンにかかり、3ヶ月か1年の命とも言われたその時はショックで
しかしその後、右の肺を摘出する手術を受け、今では猟に出られるまでに回復しました。
・猟をしているので長生きしているのかな
三好郡山城町は山に囲まれた小さな町で山の斜面に民家の軒が連なっています。
10日ほど前、岡尾さんはこの集落のすぐ近くでイノシシを仕留めたそうです。
・あのスギの木のある場所じゃ
その場所は民家からはわずか200メートルほどしか離れていない杉林の中でした。・杉林を歩く
・ここでこうして撃った
実はここは、30年程前まで人が住んでいた場所でした。
今はその後植えられた杉が生い茂りかつて人間が暮らしていたという形跡は殆んど残っていません。
・これはイノシシがシラミを落とした跡
8年前、体を患うまで林業の仕事に従事していた岡尾さん、
最近の杉林は手入れが出来ていないと嘆きます。
・枝打ちもしていない、1度か2度しか中に入っていない。
戦後、山城町に限らず県内の山の殆んどは自然林から杉・桧といった人工林に変えられました。
「このことが人里にイノシシが現われるようになった原因だ」と岡尾さんは話します。
・山にクズの根などイノシシの餌がなくなった
・自分たちが猟をやめれば人里は荒れ放題になるだろう
(スタジオ)
山城町に限らず県内各地で毎年のようにイノシシの被害が報告されていますよね・・・
こちらをご覧下さい。
これは県の有害駆除許可に基づいて県内で捕獲されたイノシシの数を年ごとにまとめたものです。
イノシシの猟期は11月15日から2月15日までなんですが、
この猟期以外でイノシシの被害が出た場合は有害駆除目的でイノシシを捕獲することが許可されるんです。
これを見ると90年代の後半から急に伸びていますね・・・
そうなんです。
90年前半までは年間100頭前後だったのが、97年から急激に増えおととし2001年にはイノシシの捕獲頭数は407頭にもなっているんです。
この原因については山に杉なんかが植えられイノシシにとっての餌がなくなったこと、
過疎化と高齢化によって人間が山に入らなくなったことでイノシシが生活圏を人里にまで広げるようになったことなどが考えられます。
それにしてもイノシシ猟師の岡尾さん、67歳という年齢もさることながら
病気で片方の肺を摘出したとは思えないほどお元気ですよね・・・・・
岡尾さんら山城町上名地区の猟師らの年齢は52歳から70歳までなんですが、
みなさん山道を歩くのがほんとに早く取材に出かけたスタッフもなかなかついていけないほどだったと話していました。
それではイノシシ猟の続きをご覧下さい。(VTR)
Real Playerでごらんいただけます。 ・鳥のさえずり
徳島県で最も西に位置する三好郡山城町。
標高500メートルから1000メートルの山々が連なります。
・口笛吹く。すると・・鳥がやってくる。
山城町で30年以上イノシシ猟を続けている岡尾芳昭さんです。
・鳥に餌をあげる
・犬の鳴き声
岡尾さんは自宅で猟犬を飼っています。
イノシシ猟をする上で欠かせないパートナーです。
・名前はユキ、アカ、クロ
・ケガをする程イノシシに向かっていく犬じゃないとダメ
・猟師仲間5人とともに
この日、岡尾さんら地元の猟師5人は朝から山城町内の山に入り、
イノシシの足跡を捜索した結果、昼前にようやく見切りが終りました。
見切りとは、イノシシが潜んでいる場所を1キロ四方くらいの範囲にまで絞り込むことです。
・あの山にイノシシは、おると思う
・100キロ近い足跡をしている
岡尾さんらは地元で小川山(おがわやま)と呼ばれている標高500メートル程の山の中腹に
イノシシが潜んでいることを特定しました。
猟の方法は勢子(せこ)と呼ばれる役割の人がハンターの1人と一緒に猟犬を連れて山に入り、
イノシシを藤川谷(ふじかわだに)という谷に追い出します。
そして待ち受けている岡尾さんらハンターが仕留めるというものです。
・犬を追う
岡尾さんの猟犬は勢子に連れられてイノシシがいる山に分け入っていきます。
・川の流れ
・谷を降りる岡尾さん
その頃岡尾さんは、持ち場である藤川谷にたどり着いていました。
・イノシシは川を挟んだこの正面のあそこか、ここかのあたりに出てくるはず
勢子が猟犬を放しました。猟の始まりです。
・銃に弾を込める
・谷に座る岡尾さん
イノシシは耳と鼻が敏感な生き物です。
岡尾さんは息を殺してじっとその時を待ちます。
・勢子から無線連絡「そっちの方へ行くかもしれん」
・じっと待つ岡尾さん
・勢子、口笛吹く
猟が始まって20分くらい過ぎた時のことです。
・イノシシ現われる
・岡尾さん、3発撃つも逃げられてしまう・・・
「向こう いんだぞ、いかんいかんいかん、いんだぞう!」
・「まいったのお、やられたのう、イノシシに。」あんまり客(カメラマン)が来ているのであがった。
この日、岡尾さんらは別の場所でもう1度猟をすることにしました。
イノシシは前の日の夜この集落に現われたといいます。
・岡尾さん、急な斜面を歩き呼吸が荒い
・よっこらしょっと
杉林の中に身を潜め、再び獲物を待ちます。
・無線の音
・「取れたとぉ」 別の場所で取れたらしい
・古田さんがやった!
・仕留めたイノシシを斜面から転がり落とす
イノシシは別の場所で構えていたハンターが仕留めました。
・古田さん、状況説明
・「今朝の人」と違ってワシは一発で仕留めたよ
仕留められたイノシシは、体長1メートル体重80キロもあろうかという大物でした。
実はこのイノシシ、前の日の夜近くの畑を荒らしていたのだといいます。
畑は民家のすぐとなりにありました。
・最近のイノシシは庭を荒らす
イノシシが荒らしたという畑はまるで鍬を使って耕したかのように
一面掘り返されていました。
・向こうの山の畑なんか毎年被害が出ている
・人間も食うために山に杉を植えた。イノシシも食うために人里に下りてくる
・人間とイノシシ、どっちが悪いのか、その判断は、・・・わからん
戦後山の環境は大きく様変わりし、人間の生活圏とイノシシの生活圏との境目はなくなりつつあります。
そして今、残念なことに山は人間にとってもイノシシにとっても暮らしにくい場所になろうとしています。
(スタジオ)
あの仕留められたイノシシもかつてのように山に十分な餌があれば撃たれることがなかったのかもしれない・・・
今朝は三好郡山城町のイノシシ猟の様子をご覧頂きました。
みなさんは自然と人間とのかかわり方についてどうお感じになったでしょうか。
放送記録 2003/01/23
けさの童謡 「おばけなんてないさ」川田幼稚園(山川町)
うちのワンちゃん 樹里(シー・ズー)
なつかしの徳島 名田橋
けさの生け花 千家古流橋本・中村一恵さん