2003/01/16
不況を吹き飛ばせ がんばる町工場
取材先:
冷蔵ショーケース・フジックス(板野郡藍住町)
機械部品のカム・徳島カム(徳島市北田宮)
指物・富永ジョイナー(徳島市福島)
不景気といわれて久しいこの頃。
企業の倒産やリストラ、就職難と明るい話題がないですね。
不景気だから仕方ないと、ただ待っているだけの企業がある中で、
小さくてもがんばっている会社はあるんです。
けさは、独自のアイデアを活かして全国の企業を相手に活躍している県内企業3社をご紹介します。
まずは、お店に行けば誰もが目にする、1つの業務用機器だけを作る町工場です。
(リポート)
温度と湿度を一定に保ち中の商品をきれいに見せる冷蔵ショーケース。
この専門メーカーが県内にあるのをご存知でしょうか。
吉野川にほど近い板野郡藍住町東中富。
民家と田んぼが入り混じる場所にあるのが「フジックス」です。
フジックスの従業員は11人ですが、オーダーメイドの冷蔵ショーケースでは中四国でトップのシェアを誇ります。
「特注品に徳化してやってきたい」
スーパーやデパートなどの大型店舗はほとんど大手メーカーが大量生産した既製品で占められています。
そこでフジックスでは個人の店屋既製品では満足しない、こだわりのある顧客だけにターゲットをしぼりました。
細かい寸法の変更やこったデザインなど大手が対応できない商品は手作業が中心となります。
(リポート・インタビュー)
「これは、東日本キヨスクの注文でおつまみやサンドイッチを入れるケース」
機能だけでなく細かいデザインの注文にも応えなければいけません。
ケースの角が四角いのと丸いのとではずいぶん印象が違います。
丸くするのは非常に手間がかかるのですがこういう部分にこだわるからこそ注文がくるのです。
顧客の要求に応じていくうちに従業員の腕は磨かれ会社は高い技術を持った職人集団に成長。
全国でも負けない競争力を身につけました。
「小さな注文にも応える姿勢でやる」
「無理難題でも克服する」
大鳴門橋を渡った向こう側。
冨士原さんは淡路島南淡町のお店を訪ねました。
淡路島のみやげ物を販売する「道の駅うずしお」は今年の正月、内装を一新しました。
冷蔵ショーケースはすべてオーダーメイド。
寸法も色も担当の松本さんが要望したものです。
「みやげもの店らしくない店を・・・」
店長の松本さんが一番こだわったのは商品の見栄えです。
赤と大理石調のパネルで高級感を出していました。
また冷気の噴出し口は既製品よりも20センチほど奥に取り付けました。
ケースのコーナーに当たる部分も角を落とした形にしました。
こうすることで、お客さんが立ち止まってくれやすくなりました。
「四角だったものを角なしにしたら、売上げが上がった」
冷蔵ショーケースは壊れないという信頼性に加え、見た目の美しさがセールスの大きなポイントになると冨士原さんはいいます。
「ただ冷やすだけでなく、それを見て楽しいというのも必要。見せる販売容器といわれますから」
続いては、これが何だかわかりますか?
(カムの現物)
次に紹介するのは、こればかり作っているメーカーです。
(リポート・徳島市北田宮の「徳島カム」)
真ん中の大きな丸い部分が「カム」
まん丸ではなく、ちょっとゆがんでいます。
これが回り始めると、すぐ上の軸が上下に動き始めました。
回転運動を直線運動にする、これがカムの役割です。
自動車のエンジンや産業機械の中には必ずと言っていいほど使われる重要な部品なんです。
カムは、どうやって作られるのか案内してもらいました。
カムは使われる部分によって大きさや形、材質などが変わってきます。
非常に複雑な計算が必要なため、図面の作成はすべてコンピューターで行います。
このソフトウェア部門がまさに会社の頭脳なんです。
つついてこれを削っていきます。
この機械もコンピューターで制御されていてデータを入力すれば自動で作業を行ってくれます。
そして、いよいよ作業も大詰め。
カムの形に削る行程です。
(リポート)
最後は、伝統の技を使って新しい試みに挑戦しているこんな企業です。
(リポート)
富永ジョイナーはオーダーによる建具や家具を扱う会社です。
従業員は7人。
操業の明治28年から、代々指物(さしもの)の技術を受け継いできました。
指物とは、釘をいっさい使わず木に溝を掘ったり曲げたりして組み合わせる日本古来の伝統技術です。
わずかに違うだけでうまく組むことができません。
それだけに熟練の技が要求されます。
この指物の技術は主に障子などに使われてきました。
繊細で品格あるこの木工品は単なる建具ではなく、芸術品といえます。
この伝統の技を受け継ぐ4代目指物師・富永啓司さんは、父親の意向で勤めていた大手製薬会社を辞め20年前に帰郷。
後を継ぐことにしました。
「技術を持った人はたくさんいるが、それを使ってもらえないと意味がない」
(あんどんを製作)
「使ってもらえるように提案したい」マンションの一室で和を感じてもらいたい」
国際見本市に出品したこの作品は関係者の注目を集めました。
和の雰囲気をもちながら洋風建築にもマッチするデザイン。
もみじを散らした演出も面白いですよね。
こちらは、「友の膳」と名付けたお膳。
表面は木目を立体的に際立たせる「うずくり加工」で仕上げました。
木のぬくもりが感じられます。
「こういうのが落ち着きますね」
「今はストレス社会なのでほっとする部分、場所を提案したい」
富永さんは5年前から県外のデザイナーと積極的に交流し指物の技術を取り入れた家具を提案してきました。
それが東京の販売店の目にとまり特注家具の注文が殺到するようになりました。
「家具も値段の安いものに対抗するために価格競争では対抗できない」
「客の心をしっかりつかむためにキャッチボールが必要オンリーワンでないといけない」
板野郡北島町にある住宅。
富永さんはこちらの備え付け家具を担当しました。
ピアノ教室を開いている渡辺由紀さんのために作ったのは世界でひとつしかない個性的な家具。
レッスンにきた子どもたちのために収納されている机がでてくるんです。
このアイデアは富永さんが考えました。
ひとつづつ色を変えるのは渡辺さんが提案しました。
渡辺さんが手か書いた音符は、そのまま棚のデザインになりました。
この家具は二人の対話の中で生まれた作品なんです。
「こだわりと、こだわりをぶつけあいながら作った」
客の満足があってこそ、職人の満足が得られる。
伝統の技術を磨きながらも新しい提案を続ける富永さんの姿勢が、沈滞する木工業界に新風を吹き込みそうです。放送台本から抜粋。細部では実際に放送された内容と違うところがあります。
(This is an uncorrected transcript for site edition ,different from real program. )
放送記録 2003/01/16
けさの童謡 「動物園へ行こう」坂野幼稚園(小松島市)
うちのワンちゃん キャンディ(シーズー)
なつかしの徳島 空から見た徳島市
けさの生け花 小原流・広瀬豊國さん