2003/01/14

死亡率ワースト1 糖尿病にご注意

ゲスト:川島病院・名誉院長 島健二さん

さて、今朝はこちらの数字からご覧頂きましょう。


糖尿病の死亡率(人口10万人対・平成13年)

1位:徳島県 17.5人

2位:福島県 13.1人

3位:青森県 12.2人

・・・・・・・・・・・・・・・・

29位:東京都  9.6人

・・・・・・・・・・・・・・・

47位:宮崎県  6.9人


これは糖尿病で亡くなる割合が高い県を順に並べているんですが、徳島県は不名誉なことに全国で1 位、ワースト1なんです。
この数字、人口10万人に対する割合でして10万人いれば17.5人が糖尿病で亡くなるということです。
そしてこの全国1 位という不名誉はなんと平成5年から9年連続しているんです。

糖尿病は一度かかってしまうとほとんどの場合が完全に治りません。
しかし食事や運動など普段の生活を少し見直すだけで予防、改善することは可能です。
もちろん長生きして寿命を全うすることもできます。

そこで今朝は私たち県民に身近な病気、糖尿病についてこの方に教えてもらいます。
川島病院の名誉院長で糖尿病の権威、島 健二先生です。

島先生、徳島はなんでこんなに糖尿病の死亡率が高いんですか?

>糖尿病は運動不足が大きく絡んでいるので車社会の地方が上位を占めている

さて、それではまず糖尿病がどんな病気なのかわかりやすく説明していきます。

これは血管と細胞の図
糖尿病は簡単に言うと血液中のブドウ糖の量が通常より多くなる病気です。
普通はインスリンと呼ばれるホルモンの働きによってこのブドウ糖は細胞に取り込まれエネルギーに変わります。
しかし糖尿病というのはこのインスリンが足りなくなったりうまく働かなくなるんです。
だから血液中にブドウ糖がたくさん残ってしまうんです。

 通常、血糖値は空腹の時1デシリットル中、60〜110ミリグラム
 糖尿病患者は150〜200を超えたりします。
 一般に126を超えた場合は糖尿病と診断されます。
じゃぁなぜこのインスリンがうまく働かなくなったりするのか?
ずばりそれは食べ過ぎや運動不足が原因です。
インスリンはすい臓のランゲルハンス島という部分から分泌されています。
しかし、食べ過ぎや運動不足・肥満によって分泌量が減ったりちゃんと働かなくなるんです。

先生やはり運動不足や食べ過ぎが原因と…。
>つまり病気をよくするにはそれを解消するしかない。

でも先生、この糖尿病だけでは死なないでしょう。

>恐ろしいのは糖尿病による合併症

でも糖尿病になると絶対、合併症は覚悟しないといけないんですか?

>そうではない。放っておけば確実にそうなるが予防・改善できる

・最初(病気手前)は自覚症状がない
 健康診断で尿糖・血糖値が高いと診断
 →ここだと治る・予防できる

・糖尿病になると完全には治らない
 のどが渇いたり体重が減るなどの症状
 →しかし諦めなくても運動・食事で改善・維持できる
 ここが糖尿病の特徴!

>糖尿病でも食事や運動に気をつければ維持できる!

先生の勤務している川島病院では糖尿病の対応として教育入院というのを行っています。

糖尿病の教育入院期間はおよそ2週間です。
その間、ほとんどの患者は薬などを一切飲みません。
出された食事をとってわずかな運動をするだけです。


この食事は年齢が60歳くらいで身長が160センチ未満の人を対象にしています。
病院の普通食がおよそ2000キロカロリーですから1600キロカロリーというのはちょうどその8割です。
>腹八分目というのがいい。
入院中の運動も激しいものではありません。
毎日、朝と夕方に20分ずつ歩くだけです。
歩くスピードは1分間に80メートル。
点灯する床のライトについていけばそのスピードで歩くことができます。

そのほか入院中には毎日、栄養士から栄養指導を受けます。
カロリーや塩分について食品の基礎知識を勉強するわけです。
この教育入院、患者が糖尿病にどう向き合えばいいのかわかってもらうのが目的です。

入院といっても食事・運動・栄養学習だけ…

食事もそこそこ、運動もそんなにきつくない…
あれだけでいけるということですか?

こちら見てください。教育入院といってもその2週間でものすごい効果が現れるんです。
 ・60歳男性の例
 ・血糖値が208→83に劇的に下がった!
 ・薬は使用せず

先生たったあれだけでこんなに効果があるんですね。

>初めての教育入院の人は効果があらわれることが多い

でも一時的に血糖値が下がったからといってこれで安心ではないんでしょう?

>怠ればすぐ戻る!
糖尿病が完治しないということはそういうこと
しかし体にあった食事・運動すれば維持できる。

それにしてもやはりその食事や生活が退院後自宅でも維持できるのか?
この点を心配する方が一番多いと思います。
退院後、糖尿病とうまくつきあっているある患者さんを取材しました。

鳴門市撫養町に住むこの男性は昨年糖尿病と診断され、川島病院に教育入院しました。
退院後も薬などは一切飲んでいません。
食事と運動にだけ毎日気をつかっています。
この日の朝食はみそ汁や焼き魚など8種類、野菜は欠かさず食べるようにしています。
以前の朝食はパンとコーヒーだけでした。

この人は身長が160センチ、現在体重は58 キロで血糖値も100前後で落ち着いています。
しかし糖尿病と診断された去年の4月は体重70キロ、血糖値は200を超えていました。
体の異変に気付いたのはゴルフのプレー中です。

ほかにもゴルフのプレー中に、異常に喉がかわいたといいます。
異常に気づいてから4日後、激しい頭痛と動悸に襲われ病院にかけこみました。

職場は鳴門の競艇場です。
レースが行われている午前11時頃から午後4時までの間は仕事が忙しく、今まできちんと昼食を取ったことはありませんでした。
砂糖入りのコーヒーを5〜6杯それが昼食代わりでした。
さらに15年前にタバコをやめて以来、大福餅などの甘いものが欠かせなくなっていました。
こうした不規則で偏った食生活が糖尿病の引き金になったのです。
しかし今では昼食も忙しい合間をぬってちゃんととるようにしています。
奥さんの手作り弁当です。
この日のおかずは、さけの塩焼きにひじき、きんぴらごぼう、小松菜のごまあえに、こんにゃくの煮物、ちゃんとサラダも入っています。

一方、料理を作る側の奥さん、さぞかし負担が大きくなったと思いきや意外にもそうではないと言います。
気をつけているのは主に2つだけ。
全体の量を減らすことと、野菜を必ずメニューに入れることです。

午後6時30分、仕事から帰ってきました。
昼ご飯をまともにとっていなかった今まではどうしても夜、食べ過ぎになっていたそうです。

今まで晩ご飯を食べるとすぐ隣の部屋で横になっていました。
そして3時間ほど寝た後でまたカップラーメンや甘いものを食べていたそうです。

しかし今では食後しばらくしてから近所の友達らと1時間ほど散歩をしてます。
糖尿病になってから1日も欠かしていません。
しかし、この男性がしている運動というのはこの散歩だけです。

(スタジオ司会者感想)
 思ったより普通の生活、食事もそこそこ…

 これで血糖値も血糖値が100前後に維持できるのは驚き
 
それだけ以前がひどかったということ…

ここに、この男性の教育入院する前の食事と現在のもの比較してみました。


以前は・・・

朝食:パン、コーヒー(砂糖入り)

昼食:コーヒーを5〜6杯(砂糖入り)
    時間があれば菓子パン

夕食:ごはん2杯、ヒレカツ、刺身、きんぴら、みそ汁、キャベツ、大福餅

夜食:カップラーメン・菓子類

 お酒は飲まないが、甘い物が大好き

現在は・・・

朝食:ごはん、みそ汁、焼き魚、ほうれん草のおひたし、なます、サラダ、トマト、納豆

昼食(手作りお弁当):ごはん、サケの塩焼き、ひじき、きんぴらごぼう、こんにゃく、サラダ、小松菜のゴマあえ、漬物

夕食:ごはん、みそ汁、チキンカツ2切れ、豚肉もやし炒め、こんにゃく、小松菜のゴマあえ、サラダ、トマト


・以前の朝食はパンとコーヒー。しかしパンにはたっぷりのバター
・昼食はなしに等しくてコーヒー。時間があれば菓子パンなどの甘いもの
・結果、夕食に集中して大食い。さらにしばらく寝た後に夜食
   →それが今では…
 品目が増えてバランス良い
 嫌いな野菜も毎食食べている
 だいたい2000キロカロリー、
 この人は病院の食事をお手本にしようと入院中に写真を撮るほどの熱心ぶり。

この男性は「今は糖尿病とつきあっているようだ」とおっしゃってましたね。

>決して難しくない病気。
無病息災でなく「一病息災」ということばがあるぐらいでかえって気をつかって健康になれることも…

今朝は糖尿病について詳しく見ていきました。
島先生、どうもありがとうございました。


放送記録 2003/01/14

 

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