2001/08/02

「つくる会」の公民教科書を考える@

 

ゲスト

生光学園中学校 教諭・大西正泰さん

琉球大学教育学部教授 高嶋伸欣さん

 

「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書採択をめぐって、今全国に波紋が広がっている中、徳島市の私立生光学園中学校では、来何度から「つくる会」の公民教科書を採用することを決めました。

(示しなが)こちらがその教科書の市販本です。

この教科書はことし3月の検定で「自衛隊など特定の事柄が強調され憲法改正論に偏りすぎている」として99か所わたる修正を求められました。

さらに検定後も「生徒の公正な判断力を損なうおそれがある」として、教育関係者から問題視されています。

歴史教科書ともども厳しい非難を浴びているこの「つくる会」の公民教科書は果たして教科書として適切なのかどうか、また教科書とはどうあるべきなのか、けさと来週の火曜日の2回に渡って考えてみたいと思います。

スタジオには生光学園中学校・主任の大西まさひろさんにお越しいただきました。

(あいさつ)

大西先生は、主任として学校の教務を統括されており今回の教科書の選定にあたっても中心的な役割を果たされました。

大西さん、この教科書を選んだ中学は徳島県ではただ一校、全国的にみても少ないと思いますが?

(答える)

そして、もうお一人は、琉球大学教区学部教授の高嶋のぶよし先生です。

(あいさつ)

社会教育がご専門の高嶋先生は「つくる会」の教科書に問題ありとするお立場です。

高嶋先生は「つくる会」が和歌山県での教科書採択をめぐって、不正な圧力をかけたとして公正取引委員会に排除勧告を申告されています。

高嶋先生、来年からこの教科書が徳島で実際に使われるわけですがどう思われますか?

(答える)

(視聴者からの意見を募集)

 

さて、こちらをご覧下さい。

これは、この春検定に合格した公民の教科書です。全部で8社分あります。

徳島県でも、この中からいずれかの教科書が選ばれることになっています。

 

大西先生、8社の中であえて「つくる会」の教科書を選んだのはなぜですか?

(答える)

(2人のゲスト、司会者で質疑応答)

それでは、「つくる会」の公民教科書の具体的な内容をみてゆくことにいたしましょう。

はい、まずはこちらです。

教科書の冒頭部分、「阪神大震災と自衛隊」と題した口絵です。

ここには阪神淡路大震災の現場で作業にあたる自衛隊員の写真が載せられています。

<教科書から引用して読み上げる>

戦後、平和と水はただで手にはいると思っていた日本人にとって、阪神・淡路大震災における6000人をこえる死者は想像を絶する数字だった。そんな中、懸命の救助作業にあたり、多くの被災者の力になったのは、まぎれもなく自衛隊員だった。

1整然と行われた自衛隊の救助作業 2スイスからきた救助犬とボランティア 3給水を受ける市民 4緊急車両も渋滞に巻き込まれる 5第一報の連絡が遅れた首相官邸 <写真解説>

(2人のゲスト、司会者で質疑応答)

続いて住民投票についてかかれた部分です。

教科書の79ページ。こちらには去年1月、徳島市で行われた吉野川可動堰住民投票の新聞記事も載せられています。それではその一部を読んでみます。

<教科書から引用して読み上げる 「コラム」部分>

住民投票が実施される背景には政治不信、官僚不信があるといわれる。近年、一部の心ない政治家や官僚による国家や地域の利益よりもみずからの利益を優先する事件が多発している。<中略>住民投票の直接民主主義的手法は日本国憲法や地方自治法が原則としている間接民主主義の意義や議会の存在を軽視するものであるともいえ、住民の意志自体がマスコミや市民運動団体の考えに扇動されやすいともいえる。<略>

(2人のゲスト、司会者で質疑応答)

続いてはこちら「民主義の動揺、政治のゆくえ」です。

210ページから211ページです。それではその一部を読んでみます。

<教科書から引用して読み上げる 歴史的良識>

ここで良識というのは、その国の歴史の中で形づくられ、そして国民によっておおよそ共有されている常識のことをさす。つまり、自由主義を健全なものにするのが、歴史的秩序であったのと同じように、民主主義を健全なものにするのは歴史的良識なのである。

(2人のゲスト、司会者で質疑応答)

続いては「核兵器廃絶という理想を考える」です。

215の一部を読んでみます。

<教科書から引用して読み上げる 「コラム」部分>

核兵器保有の拡散を完全に防止することはむずかしく、それが拡散するとき、核兵器が戦争の先制攻撃に用いられる危険性が強まる。<中略>もし核兵器廃絶が表面的に合意されたとしたら、そのときが、世界にとってもっとも危険な瞬間だともいえるのではないだろうかというものである。なぜなら核兵器の製造は容易であり、その製造を完全に監視することは不可能と思われるからだ。つまり、核兵器廃絶の禁を破るものが世界を支配するかもしれないのである。

(2人のゲスト、司会者で質疑応答)

公立の場合、教科書採択期限は来週、8月15日です。

どういう教科書がどのように採択されたのか関心を持って見ていきたいと思います。

けさは、「つくる会」の公民教科書についてお送りしました。

大西先生、高嶋先生ありがとうございました。


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