2000/02/22

「リポート・中食(なかしょく)ブーム」

コンビニエンスストアにずらりとならぶ
お弁当やサンドウィッチ、お総菜・・・
買って帰って家の中で食べるこれらの食品は
レストランなどでの「外食」に対して
最近「中食」と呼ばれています。
ここ数年、県内でもコンビニの増加に伴って
この中食を利用する人が急激に増加、
スーパーなどもその「中食人気」を背景に
総菜売場を変更するなど様々な戦略をスタートさせています。

今、「中食」をめぐって県内では何が起きているのか?
拡大する「中食市場」をリポートします。

テレビの前のみなさんは「中食」という言葉
お聞きになったことがありますか?

聞いたことないという方も多いと思いますが
実はみなさん「中食」をよく利用しているのです。
レストランなどの飲食店で食べるのは「外食」
これはご存じだと思います。
そして家でつくって普通に食べる手作り料理は家庭内食
「内食」と呼ばれています。
今回の「中食」というのはその中間にあたる食品です。
「外で食べるものでもなく、家の手作りでもでもない」
わかりやすく言うとスーパーやコンビニで売っているような
お弁当やお総菜などの調理済みの食品のことで
買って帰って家の中で食べる食品のことです。

いままでお弁当やお総菜などをまとめて指す言葉は
なかったんですが、ここ数年食品業界で使われるようになって
一般にも知られるようになりました。

その「中食」をちょっと集めてみました。

パンも「中食」に含まれるんですね。

そうですね。調理済みで買って帰って食べるという点で
やはり「中食」に分類されます。

この「中食」の需要が今、全国的に高まっていますが
それを裏付けるデータがあります。

GRAPH.JPG (10133 バイト)

これは97年の総務庁「家計調査報告書」からまとめた
一世帯で一年間にどれだけ「中食」を買っているかを表したグラフです。

このように、「中食」は確実に私たちの生活の中に定着する傾向にあります。
しかし、なぜ私たちはこんなに「中食」を利用するようになったのでしょうか?
その理由のひとつとしてやはり
このお店が増えたことがあるようです。

(VTR)

気軽にいつでもその「中食」を買うことができる。
そんなコンビニエンスストアの増加が現在の「中食市場」を拡大しています。
おにぎりやお弁当、サンドウィッチなどコンビニの主力商品は
まさに「中食」の代表選手。
好調に売れ行きを伸ばしています。

(サンクス・助任店)
この店では朝の5時と昼の3時に高松の本社から
お弁当などの中食商品が送られてきます。
作っているのは愛媛県や香川県の近県の業者が中心です。

次から次へと新製品が発売されるコンビニのお弁当類、
この店でも1週間に必ず一つは新しい種類のお弁当に入れ替わります。
コンビニの「中食人気」の秘密です。

これまでコンビニで「中食」を買っていたのは
学生や独身男性など若い人が中心でした。
しかしここ最近、
利用するお客さんの年齢層に変化があらわれてきました。

確かに取材に行った午後4時頃には幅広い年齢層のお客さんが
「中食」を買い求めていました。
これまで消費の中心だった若者に加え
主婦や高齢者の利用者が増えたことが
コンビニの「中食」人気を押し上げています。

コンビニ店舗の増加が「中食」ブームに火をつけたというのは
納得いきますがコンビニで主婦や高齢者までが
「中食」を買うようになったとうのはびっくりしますね。

そうですね。
私も意外だったんですが、やはりここ最近コンビニは
県内でも本当に店舗が増えましたね。
だから家の近くにあると、主婦でもちょっと弁当でも買おうか、
お総菜買って帰ろうかというふうになるんですね。

なるほど。主婦もコンビニの手軽さを認めたわけですね。

そうですね。
今後はお年寄り向けのお弁当など売るようになるだろうと
オーナーの方が言ってましたが、そう考えると
これ、まだまだコンビニを中心に
「中食」の利用者は増えそうな気配ですね。

さて、その「中食」ですが

売れているのはコンビニばかりではありません。
スーパーマーケットでも最近好調な売れ行きをみせています。

県内のスーパーでは拡大する「中食市場」をにらんで
新しい取り組みを始めているところがあります。

(VTR)

 

板野郡北島町のこのスーパーは3年前にできた新しいお店です。
町内やとなりの藍住町に広がりつつある新興住宅地の
若い主婦層が主なターゲットです。
このスーパーでは「中食人気」をうけて
店内の商品の配置を変えています。

(マックスバリュー北島店)

当たりまえのようですが、売れる商品はいい場所に置く。
このスーパーではまさに「中食」は主力商品です。
毎年10%ずつ売り上げを伸ばしています。

お総菜が主婦に支持されるためには工夫も必要です。
このスーパーではお寿司や天ぷら揚げ物など
店頭に並んでいるほとんどのお総菜を店の中で作っています。
「新鮮さ」「できたて」を消費者にアピールするためです。

この方式は業界では「ホーム・ミール・リプレイスメント」と呼ばれ
最近では多くの店が取り入れています。
店頭で売れて少なくなった商品は調理場で急いで作り
すばやく補充していきます。
そしてさらに何時に作ったのかわかるようなシールも貼っています。
「できたてを前面にアピールすること」
これがスーパーの「中食」の売り方です。

去年の10月にリニューアル・オープンしたこのスーパー。
常に新しい試みで消費者を引きつけています。

(VTR 徳島市南末広・がんばりや)

調理場の上に設置された小型のカメラ。
このカメラが実際に総菜を作っているところを映して
買う人に「できたて」であることをアピールしています。

実際、このアイデアが功を奏してか、お店のお総菜は驚くほど売れています。
そしてこのスーパーでは、他にも「オーダー弁当」という
サービスも始めています。

おかずをコロッケにしてくれとか、ほうれん草の和え物を
入れて欲しいなどお客さんの注文を聞いてお弁当を作ってくれます。
これだと自分の考えたメニューで
しかも「できたて」のお弁当が手にはいるわけです。

こうした消費者へのサービスが進む中
私たちの見えないところでは変化が起こりつつあります。
多くのスーパーが総菜を自分のお店で作るようになって
これまでお総菜やお弁当をスーパーに納入してきた業者は
厳しい時代を迎えているのです。
しかしそんな中、順調に売り上げを伸ばしているところがあります。

(徳島市金沢・さわ)

徳島市金沢のこの業者は10年前に小さな定食屋から
現在の弁当などの製造卸の会社に変わりました。
創業当時からあくまでも手作りにこだわり
保存料などの添加物や冷凍の野菜を一切使わずにお弁当を作っています。
つまり「食べて安全」なお弁当して売り出しているわけです。
今ではその安全性が広く理解され県内のスーパーをはじめ
病院やホテルにもお弁当を卸しています。

スーパーを始めとする県内の、いわゆる中食産業の動きを見てみました。

様々な動きがあってこの不景気の中でも
やはり「中食市場」は元気だな、という感じですね。

そうですね。
そしてやはり「中食」については
「対コンビニ」という意識がどこも少なからずあるようですね。
だから「できたて」「安全」という特徴をつけて
差別化をはかって売っているようです。

そしてそうした 企業努力もありますが
やはり「中食」が売れる根本的な理由として
仕事を持つ女性が増える中、家事をできるだけ省きたいという
ニーズが強まってきているのも大きな原因です。

こちらをご覧下さい。
食品メーカーの味の素が1997年に
全国の主婦1500人を対象に実施したアンケートの
「中食」に関する一部分です。
スーパーなどの弁当やコロッケ類、煮物などを主婦がどう評価するか。
@忙しい時に便利 44%
A作るのが面倒なとき便利 31%
Bもう一品足りない時に便利 13%
C家族が揃わない時に便利 7%
D家庭よりおいしい 3%
E家族が喜ぶ 2%

やはり手間を省きたいときに便利だというのが
「中食」を利用する一番の理由なんですね。

しかし、こうして見ますと「中食」というのは
主婦の強い味方なんですが
「家庭よりおいしい」とか「家族が喜ぶ」の低い割合からも
やはり「中食」い対して不満があるのも事実です。

続いてはそういった声にこたえた
「おいしくて、家族が喜ぶ」お店を2軒ごらんいただきます。

(VTR 徳島市中昭和町「味」)
 

狭い路地に隠れるようにお店を構えているのは弁当お総菜の店「味」です。
今から4年前にオープンした小さなお店です。
厨房の中で作っているのはお店の市山さんたったひとりです。
朝6時過ぎから開店の11時までおかずづくりで大忙し。
休む暇はありません。
料理はすべて手作りです。
家庭そのまんまの味が市山さんのモットーです。
冷凍食品は一切使いません。
そんな市山さんもお店をはじめるまでは
スーパーでお総菜を買っている立場でした。

値段も安くて手作りの家庭の味。
これぞ主婦が求めている「中食」です。
メニューは全部で20種類。日替わりで内容も変わります。
最近は噂を聞きつけて小松島からわざわざ買いに来る人もいるそうです。

レストランの料理も家に帰って食べれば立派な「中食」です。
そんなお持ち帰りメニューを始めたレストランが県内にも登場しました。

(VTR ガスト徳島川内店)

お持ち帰りといってもすべて調理方法も他のメニューと同じです。
違うのはパックに入っているかどうかです。

このお持ち帰りがよく売れるのは土曜や日曜の週末です。
晩御飯用として夕方にどっと買いに来るそうです。

DISPLAY.JPG (5314 バイト)

こちらがそのお持ち帰りメニューです。
@サーロインステーキ200g 980円
Aハンバーグ&唐揚げ弁当 630円
Bエスニック春巻き 280円

それにしてもレストランという外食産業の代表までが
こういった「中食市場」に乗りだしているんですね。

お店の方も言っていましたが
やはり外で食べるのではなく、家に持って帰って食べるという
ライフスタイルが今、確立されているみたいですね。

そして、だいたい全国で「外食市場」は現在
およそ30兆円と言われているんですが
それに対し「中食市場」はおよそ6兆円と言われまして、
およそ5分の1にまで成長しているそうです。

外食産業からみれば「中食」は当然ライバルというわけですね。

あのレストランでは今後、もっとその「中食人気」は
広がるだろうと予測していて、年内には「宅配サービス」も
始める予定だということです。

やはり「中食人気」は今後しばらく続きそうですね。
今朝は広がる「中食」をリポートしました。


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