第27回 昭和47年(1972年)

出来事 「第1次田中角栄内閣」
  佐藤栄作首相の辞任を受けた総裁選で福田赳夫、大平正芳、三木武夫の3氏と争い、
  福田氏との決選投票の結果、第7代自民党総裁に。
  内閣成立時の支持率は62%と過去最高を記録。田中人気がブームに。
  『日本列島改造』『日中国交回復』が大きなテーマだった。
「日中国交回復」
  北京の人民大会堂で共同声明の調印が行われ戦争状態は終結。
「沖縄が日本に復帰」
  戦後27年におよぶアメリカ支配から離れたが米軍基地の撤去は実現しなかった。
「浅間山荘事件」
  武装した連合赤軍5人が長野県軽井沢町の保養所を占拠。人質をとって立てこもった。
  10日目に機動隊が突入、ガス弾を打ち、2トンの鉄球で壁を破壊、大量に放水。
  人質の解放に続いて全員が逮捕された。この攻防で警察側死者2人、重軽傷者12人を出す。
  銃撃戦後、連合赤軍による「大量リンチ殺人」が発覚。メンバー12人の殺害が明らかになった。
「テルアビブ空港乱射事件」
  パレスチナ解放人民戦線と結ぶ日本赤軍3人が国際空港通関ホールで起こしたテロ事件。
  手投げ弾を投げ自動小銃を乱射し旅客や送迎客など26人が死亡73人が重軽傷を負う。
「千日デパート火災」
  大阪市南区の「千日デパート」3階婦人服売り場から出火。2階から4階まで9763平方mを焼く。
  7階アルバイトサロンの客や従業員など118人が死亡。作業員のタバコの火の不始末が原因。
  死因の多くは煙によるもので火災時の有毒ガスの危険性が指摘された。   
「旧日本軍兵士帰還」
  グァム島で保護収容された横井庄一氏が配属から28年ぶりに祖国の土を踏んだ。
  16年東条英機陸相が示した『戦陣訓』(「軍人は捕虜より死を選べ」という訓示)を守ったという。
  『恥ずかしながら帰ってまいりました』という記者会見での発言が流行語にもなった。
  帰国後、故郷名古屋に帰り京都の女性と結婚、新生活を始めるとともに、
  グァムでの生活の手記を綴り講演会を開くなど『耐乏生活評論家』と呼ばれて活躍した。
「川端康成死去」
  神奈川県逗子市の仕事部屋でガス管をくわえて自殺。理由は不明。
「東海林太郎死去」
  東京立川市の病院で脳出血のため。73歳。直立不動の歌い方と誠実さで人気。
「ドイツ館完成」
  鳴門市の板東俘虜収容所跡に完成。
  第1次大戦中に収容されたドイツ兵捕虜と地元民の友情を伝える資料を展示。
世相

流行
「パンダ来日」
  日中国交正常化を記念し中国から雄の『カンカン』と雌の『ランラン』が贈られた。
  一般公開初日は、開演前に3000人が並び18000人が入園。
  『2時間並んで見物50秒』と新聞に書かれるほどの熱狂ぶり。
  街中には、『パンダのぬいぐるみ』や『パンダマーク』があふれた。
「海外旅行者100万人を突破」
  渡航者総数139万2045人で前年に比べ44.8%も増加。
  この頃創刊された「アンアン」や「ノンノ」の海外旅行記事で若い女性が増えた。
「情報誌『ぴあ』創刊」
  7人の大学生が発行したイベント情報誌。後に座席予約販売事業も手がけ業績を伸ばす。   
「初心者マーク」
  普通免許取得後1年間、車の前後につけることが義務づけられた。
  交通事故の14%が免許取得後1年未満の運転手だったため。
「キャッシュカード」
  三菱銀行などでカード一枚での普通預金の引き出しが可能になった。
「ピース」
  カメラを向けられた子供たちがVサインして「ピース!」と言うのが流行。
  元々は米国の反戦運動から生まれたもの。ドラマ「サインはV」などで広まった。
「1000万円宝くじ」
  1等1000万円が2本。混雑を避けるため東京では後楽園球場で発売。
  大阪の阪急百貨店では建物の周りを二重三重に行列ができた。
「同棲時代」
  上村一夫原作の漫画が若者に受け「同棲」という生活スタイルを一般化させた。  
スポーツ 「札幌冬季オリンピック開催」
  15年に予定され日中戦争ため辞退した大会がようやく実現。アジア初の冬季大会。
  70m級ジャンプで笠谷幸生が「金」、金野昭次が「銀」、青地清二が「銅」を獲得。
「ミュンヘンオリンピック開催」
  アメリカのマーク・スピッツが水泳の7種目で世界新記録を樹立して大活躍。
  日本勢は男子100m平泳ぎで田口信教、女子100mバタフライで青木まゆみが金メダル。
  男子バレーボールが初優勝、男子体操も総合優勝、個人総合で金・銀・銅を独占するなど、
  金13個、銀8個、銅8個で参加国中5番目の好成績を残す。
  パレスチナゲリラによるイスラエル選手団襲撃事件で11人の選手・コーチが死亡する事件も。
「高見山初優勝」
  大相撲名古屋場所千秋楽で旭国を破り13勝2敗。ハワイ出身。外国人力士として初。
「盗塁世界新記録達成」
  阪急ブレーブス・福本豊が対南海戦で2盗に成功しシーズン105盗塁を記録。
  大リーグのモーリー・ウィリスの世界記録を抜く。最終的には106盗塁。      
映画 「ゴッドファーザー」
  フランシス・フォード・コッポラ監督。マーロン・ブランド、アル・パシーノ主演。
  マフィア一家の絆と内部抗争を描く。封切り1ヵ月半で観客10万人動員。配収15億円を記録。
「ダーティーハリー」
  クリント・イーストウッド主演。殺人犯を追う行動派刑事を描く。拳銃マグナムも話題に。
「ロードショー」
  洋画専門の月刊誌創刊。『卒業』などのヒットで若い洋画ファンが増えたため。  
番組 「太陽にほえろ」
  石原裕次郎が連続ドラマ初出演。捜査一係長と新米刑事の交流を描いた。
  昭和61年11月まで放映の大ヒット刑事ドラマに。  
「木枯らし紋次郎」
  笹沢佐保原作の時代劇。中村敦夫主演。迫力ある殺陣と長い爪楊枝が話題に。
  『あっしにはかかわりのねぇことでござんす』というセリフも流行した。
「ありがとう」
  TBS系のファミリードラマで10月26日に53.8%の視聴率を記録し大ヒット。
ヒット商品 「カシオミニ」
  12800円の低価格と「答え一発カシオミニ」のテレビCMでヒット商品に。
「ポケットカメラ」
  輸出専門のカメラメーカー「セディック」が日本で初めて発売。
  イーストマン・コダック社発売の製造技術を入手して製品化。
「親子カラーテレビ」
  20インチのカラーテレビと7インチの白黒テレビを一つの木製キャビネットに。
  カラーテレビを見ながら、白黒で裏番組も楽しめた。25万8000円。
「消える魔球付き野球盤」
  ホームベース前のポケットをレバー操作で開閉し投げた球を落とす仕組み。
  人気アニメ「巨人の星」の主人公、星飛雄馬が投げた変化球にちなむ。  
「仮面ライダーカード」
  カルビー製菓「仮面ライダースナック」についていた主人公や悪役のカード。
  子供たちの間でカード集めが流行した。
流行語 「どうにもとまらない」
  山本リンダのヒット曲のタイトル。派手な衣装と振り付けが人気で歌のヒットとともに流行した。
  『列島改造論』による地価高騰、物価上昇、公害・環境問題悪化を象徴する言葉ともなった。
「違いがわかる男」
  インスタントコーヒーのテレビCMから流行した。作家・遠藤周作が出演して人気を得た。
「恍惚」
  有吉佐和子のベストセラー「恍惚の人」から流行。
  核家族化や地域社会の崩壊などで社会的弱者として老人の存在が注目された。
「仕掛人」
  池波正太郎原作の小説「必殺仕掛人」がテレビ化され流行。
  表には表れない陰の張本人や黒幕、計画の立案者などをさす言葉として使われるようになった。   
ヒット曲 あの鐘を鳴らすのはあなた/和田アキ子
雨/三善英史
大いなる旅路/小椋桂
男の子女の子/郷ひろみ
女のみち/宮史郎とぴんからトリオ
学生街の喫茶店/ガロ
傘がない/井上陽水
喝采/ちあきなおみ
北国行きで/朱里エイコ
恋の町札幌/石原裕次郎
この広い野原いっぱい/森山良子
さそり座の女/美川憲一
さよならをするために/ビリー・バンバン
四季の歌/芹洋子
ジョニーへの伝言/ペドロ&カプリシャス
瀬戸の花嫁/小柳ルミ子
せんせい/森昌子
そして神戸/内山田洋とクールファイブ
太陽がくれた季節/青い三角定規
旅の宿/吉田拓郎
どうにもとまらない/山本リンダ
友達よ泣くんじゃない/森田健作
涙の操/殿様キングス
虹と雪のバラード/トワ・エ・モア
虹をわたって/天地真理
バス・ストップ/平浩二
ハチのムサシは死んだのさ/平田隆夫とセルスターズ
夜明けの停車場/石橋正次
若草の髪かざり/チェリッシュ


※ ピンク色のタイトルは放送された曲です

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