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国会で審議進「共同親権」の現状と課題 県内の当事者や専門家は?【徳島】

今、国会ではこれまでの「単独親権」から、父母の両方が持つ「共同親権」に変更しようと、法改正に向けて審議が進められています。 どんな制度なのか、豊成さんから。 現在の制度では、両親が離婚した場合の子どもの親権は父親か母親のどちらか一方だけが持つ「単独親権」です。 それが今回の改正案では、双方が合意すれば「共同親権」を選択できるとし、合意が難しい場合、家庭裁判所がどうするかを判断します。 ただ、家庭内暴力の恐れがあり、子どもの心身への悪影響が懸念される場合は、単独親権にするとしています。 子どもの福祉向上につながるとの声もある一方、DVなどが原因で離婚に至ったケースでは、運用を不安視ウする声もあります。 現状と課題を取材しました。 (元夫からDVの被害を受けていたAさん) 「共同親権ということで、お互いに平等に権利があったとしても、普通に話せる状態ではない」 こう話すのは、県内に住むAさんです。 元夫によるDVなどが原因で離婚し、2人の子どもを育てています。 そんな中、先週、衆議院で共同親権を認める民法の改正案が可決されました。 日本ではこれまで、夫婦が離婚すると父母どちらかが親権を持つ「単独親権」と決められていました。 これを父母の両方が親権をもつ「共同親権」に改める法改正が、今国会で成立する見通しです。 これまでの単独親権では、離婚後、母親が親権を得るケースが8割以上でした。 しかし、このうちの約7割が父親から養育費を得られていないのが現状です。 このため政府は、子どもの利益を尊重し、離婚後も父母両方が養育に関わることを期待して共同親権導入へ舵を切りました。 (NPO法人面会交流支援センター香川・増田卓美代表) 「これは肯定的にとらえられると思います。  共同親権になって両親が例えば、子供の面会交流に関しても協力することができれば、  子供の福祉、子供の権利に結びつく話ですから、多くの子どもたちが離れて暮らす親との面会交流の  機会が増えてくるのではないか、という事を想像しています。」 一方、不安視する声もあります。 冒頭、ご紹介したAさんは、離婚した今も、結婚していた当時の恐怖をきのうのことのように振り返ります。 (Aさん) 「子どもがちゃんと育てられないのはお前のせいだとか、私の人格がおかしいからとか、  日常的にすごく責められていて、対等ではない結婚生活が続いていたので…」 共同親権となることで、再び夫と関わり合いを持つことになるのではないかと不安がぬぐえません。 (Aさん) 「自宅に来られるのも怖いし、何をされるか分からないので、住所を隠している状況なんですよ」 「健やかに子どもたちと一緒に生活していくっていうのが、私のそれが最低限の人間としての権利だと  思うんですけど、そこが共同親権になると揺らぐのではないかと思いますね…」 改正案では、親権を巡って意見が対立した場合家庭裁判所が判断することになっています。 しかし、実際の運用面について、法律の専門家はこう指摘します。 (うずしお法律事務所・瀧 誠司弁護士) 「まず、家庭裁判所に果たしてDVかどうか、判断が的確にできるかという問題があります。  DVというのも立証の問題が大変で、実際にDVが立証できなかった場合に、  これは共同親権にしなさい、となるのかどうかという所。裁判所の裁判官も事件数が増えていて、  限られた中で的確な認定ができるかどうか、疑問があります。  家庭裁判所の充実が課題だと思っています」

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